【第一章】第十一部分
「明智くん、いったいどうしたんだ?」
奇妙な沈黙が発生した時、かつえが起きてきた。
「生徒会の手伝いをやってもらうが、ほかにもやってほしいことがあるんだよ。」
「ほかにも?それはいったい。」
「会長の穴の原因究明のためなのさ。」
「穴?もしかしたらあたしがやっちゃった?」
「あたしがやった?」
「いや、なんでもない。」(ふーっ。アレはバレてなかったんだ。)
「それじゃあ、いきなり入会テストを行うよ。」
かつえは、ずいずいと光秀奈に近づいて、声をかけた。
「おねいさんに、狭い背中を向けな。」
「えっ。はい。」
光秀奈は言われるままに、からだを反転させた。
「よし。その無防備さ、いいね。ぐいっと!」
かつえは、光秀奈の短いスカートの裾をつかんだ。
「きゃあ~。」
光秀奈は慌ててスカートを押さえたが、厚めの布で隠されていたシマシマの薄い布切れと白桃色のオシリは陽の目を見た。しかし信永の視認対象は違った。
「あ、赤いほくろ!?ぐわああ~!」
信永は患者椅子から立ち上がって、頭を抱えて、のたうち回っている。
やがて、信永はゆらりとナマケモノのようなのろさで、患者椅子から立ち上がった。
ちょっと信永会長の様子が変になった、と光秀奈は直感した。いや直感を超えて、異様な光景を直視した。
信永は、光秀奈と同じ制服だが、色はオールサーモンピンクの制服、スカート付きに変わっていた。背中には大きな炊飯器イラスト。髪も伸びたように見え、唇がなまめかしくなっているのはルージュを付けたようでもある。目付きもブキミに妖艶。さらに脚は内股である。
光秀奈は血反吐をぶちまけるように、大声を出した。
「ば、化け物!?」
信永は腕でシナを作ってから、男子の低音をムリに高くして、脳天から響かせた。
「明智さぁん、化け物なんて、失礼よん。アタシは、れっきとした生徒会長の信子よん。」
「の、信子!?やっぱり信永会長だよ!」
「おかつさぁん、テストの準備は整いましたよん。」
かつえは、ふう、と溜め息をついてから、腹太鼓をバンバン鳴らした。
「さあ、この上様に、キスできるか、やってみな。上様は、赤いほくろを見ると、変身するんだよ。言っとくけど、性転換してるわけじゃないからね。ただのオカマモードだよ。」
「テストって、いったい何をするの?」
「オカマモードの上様を受け入れすればOK。上様はそのままの上様さ。今から上様があることを行うからね。」
「あ~ら。明智さぁん。アタシと濃厚接触しましょう。接触というより、接吻ですけどぉ。」
「ヒッ!」
思わず引いてしまった光秀奈。それを見て口元を緩めたかつえ。




