第36話 闘気の剣
武器を失ったダインは、ヤムスキーとの戦いの後、ダインたちは宿に戻り、今後の事を話す事にした。
~宿屋~
オーズ『これからどうするつもりだ?』
ダイン『次の試合までに、新しい相棒を見つけるさ。』
フローラ『でも、あまり時間がないわよ?』
ダイン『分かってる。幸いなことに、この国は鍛治屋が多いんだろ?何とかなるだろ。』
オーズ『そうか。腕のいい鍛治屋が見つかるといいが。』
ダイン『次の試合まで時間がないし、急いで探すよ。だがおまえの試合は…。』
オーズ『ああ。俺の試合は気にするな。勝つさ。』
ダイン『すまない。』
オーズ『フローラは応援にきてくれるからな…。』
フローラ『え?ええ勿論。応援に行くわ。』
オーズ『何だ?ダインと行きたいのか?』
フローラ『皇子の護衛もあるし…。私は闘技場に行くわよ。』
ダイン『おう。護衛は頼むよ。しっかり応援もな。』
フローラ『分かったわ。』
次の日
宿屋でオーズたちと別れ、鍛治屋がある町の南東の界隈に来ていた。しかし、色々工房を見て回ったがなかなかいい武器が見つからず、時刻は昼を過ぎようとしていた。
ダイン『ここもだめか…。リオンブレードぐらいの剣が見つかればいいが…。』
いろいろな鍛治工房を見て回ったがしっくりするものが無かった。街角を歩いているとふと一つの古い工房に置いてある剣が目に留まった。
ダイン『これは…。』
老人『おや、いらっしゃい。何かお探しですかな?』
ダイン『あなたは…。』
1人の老人が工房の中から出てきた。
老人『私はメルス。この工房を営んでおりますじゃ。見たところ何かお困りのようじゃが?さしつかえなければ、お話ししていただけませんかな?』
ダイン『実は……。』
ダインはメルスに事情をかいつばんで話をした。
メルス『ふむ。闘技大会に出るために壊れてしまった剣の代わりになるものを探していると。』
ダイン『はい。ただ、なかなか自分の力に合いそうな武器がなくて。』
メルス『でしょうな。あなたはなかなかの力をお持ちのようですじゃ。あなたに合う剣となるとなかなかありますまい。』
ダイン『分かるんですか!』
メルス『長年この仕事をしていると何となく分かるようになりますじゃ。』
ダイン『そうですか…。』
メルス『ではワシの店もみられてはいかがです?』
ダイン『そうさせていただけると、嬉しいです。』
メルス『ではどうぞ中へ。』
ダイン『すいません。』
メルスに促されるまま建物に入るダイン。辺りを見回すとそこには今までになかった質のいい金属やモンスターを狩ってその素材で出来た武具がズラリと並んでいた。
ダインはその中にあった一本の剣を手に取ってみる。
ダイン『これは…。』
メルス『お気に召すものが御座いましたかな?』
ダイン『この剣は素晴らしい業物ですね。ですが…。』
メルス『あなたの力には耐えられないと言いたいのでしょう?』
ダイン『ええ…。』
メルス『少し、待っていただけませぬかな?』
ダイン『はい。』
メルスは建物の中へ入っていく。少しして刃がなく柄だけの物をメルスが持ってきた。
ダイン『これは…?』
メルス『これはみての通り剣の柄です。』
ダイン『柄だけとは…?』
メルス『この剣は使い手の闘気を刃に変えることが出来る剣です。』
ダイン『闘気を?』
メルス『ええ。使いこなすことができればどんな物も斬り捨て、刃が欠けることもない最強の剣ですじゃ。これをあなたにあげますじゃ。』
ダイン『いや、流石にタダという訳にはいかない。』
メルス『今までこの剣を使いこなせたものはいないのですじゃ。貴方なら使いこなすことが出来ると信じています。じゃ』
ダイン『………。分かりました。』
メルス『代金は気にしなくて大丈夫ですじゃ。闘技大会で勝って、この店を宣伝してくだされ。』
ダイン『ありがとうございます。』
こうしてダインは新たな剣、闘気の剣を手に入れたのだった…。
ダイン『しかし闘気の剣か…。気か…。ヘイにでも聞いてみるか…。』
その日の夕方試合の終わったオーズとヘイが宿に戻ってきた。
宿屋
ダイン『オーズ勝ったんだってな。』
オーズ『まあ、俺の敵では無かったよ。ダインはどうだ?』
ダイン『俺も収穫はあった。』
オーズ『おっ新しい剣を見つけたのか!』
ダイン『ああ。』
ダインは柄だけテーブルの上に乗せた。
オーズ『剣って…。それ柄だけじゃないか。』
ダイン『闘気を剣に変えるらしい。』
フローラ『闘気を?』
ダイン『ああ。ヘイに一つ頼みがある』
ヘイ『何だ?』
ダイン『闘気の使い方を教えてくれ。』
ヘイ『別にかまわないぜ。』
ダイン『頼む。』
ダインとヘイは宿屋の裏庭に来た。
ヘイ『先ずは自分の気を感じるんだ。』
ダイン『気?』
ヘイ『そうだ。目をつむり気が体内を循環するイメージ、をしてみろ。』
ダイン『あ、ああ』
ヘイ『何か暖かいものが流れているような感じがしないか?』
ダイン『ああ。なんか暖かいものを感じる。』
ヘイ『感じ取ることができたなら、その流れを剣通すようなイメージをしてみろ。』
ダイン『ああ。』
するとダインの持つ柄から淡い光が刃物状に伸びる。
ヘイ『目をあけてみろ。』
ダインは言われるまま目を開ける。そこには淡い光をやどす剣があった。
ダイン『うまくいったのか?』
ヘイ『ああ。剣に気を通すことは成功したがまだようやく剣の形状しているって感じだな。』
ダイン『そうか…。』
ヘイ『もっと気を剣に入れればもっとすごい剣になるだろう。』
ダイン『分かったやってみる。』
ヘイ『練習あるのみだな。』
ダイン『すまない。ありがとう。』
ヘイ『何、礼はいらないさ。』
毎日ダインは練習するのだった。




