第31話 ダインVSヤムスキー
午後から始まった予選は滞りなく進み、全てのブロックで初日最後の試合が行われようとしていた。
実況者『さぁ闘技大会初日、最後の試合となります。予選第8試合!Aブロック最後に登場するのは、アヴァロン王国騎士団より参戦、ダイン選手!そして、冒険家ヤムスキー選手の対戦です!』
ダイン『へへ、やっと出番か。』
ヤムスキー『なぁ、兄ちゃんよ。』
ダイン『ん?』
ヤムスキー『仲間に誘われて、この大会に参加したんだが、おらぁあんまし喧嘩が強くねぇんだ、お手柔らかに頼むぜ。なっ!』
ダイン『あ、ああ。』
ヤムスキーは不思議な甘い香りを漂わせながら近づいて、握手を求めてきた。
ヤムスキー『お手柔らかにな。ヘッヘッヘッ。』
ダインは気にすることなく握手に応じる。
実況者『さぁ!いよいよ両者の入場です!』
ダインとヤムスキーは共に入場ゲートを通り抜け闘技場に姿を現す。互いに距離をとり試合開始の合図を待つ。
審判『卑怯な行為や殺しは即失格となります。正々堂々と試合を行ってください。よろしいですね。』
両者互いに頷く。
審判『予選Aブロック第8試合!はじめ!』
ダインは愛用の両手剣リオンブレードを抜きその手に構える。対するヤムスキーは短刀を片手に構える。
ヤムスキー『こっちからいくぜぇぇ!』
ヤムスキーが猛スピードで接近して来るとあっという間にダインの懐に飛び込む。そしてそのスピードを殺さず短刀で突いてくる。
ダイン『は、早い!』
ダインは何とか突きを交わすと剣を横に薙ぎ払う。ヤムスキーは難なく後ろに飛び退きそれを交わすと、再びダインに突進してくる。
ダイン『そう何度も同じ手を食らうか!』
ダインは真上に飛び上がり両手剣を振り上げ着地と同時に振り下ろす!
ドオオン!
辺りに砂埃が舞い上がり、地面に穴が空くほどの威力だったが手応えが感じられない。
ダイン『なに!奴はどこに?』
ヤムスキー『兄ちゃんの後ろだぜ?』
ヤムスキーはダインの後ろに回り込み短刀を横に薙ぐ。
辛うじて状態をそらせ短刀を避ける。
ダイン『ちっ!なにが弱いだ。なかなかやるじゃねぇか。』
ヤムスキー『ヘッヘッヘッ。俺はうそつきなんだよ。』
ダイン『うそつきか…。今度はこっちからいくぞ!』
ダインはヤムスキーに向かって突進する!しかし体に違和感を感じて、立ち止まる。
ダイン『か、体がしびれてる?』
実況者『どうした!?ダイン選手攻撃の途中で立ち止まってしまった~!』
立ち止まったダインにヤムスキーが近寄り話しかける。
ヤムスキー『ヘッヘッヘッ。ようやく効いてきたか。』
ダイン『なに?』
ヤムスキー『気がつかなかったのか?俺のにおいに?』
ダイン『まさかど、毒か…。』
ヤムスキー『なあに、死にゃしねえよ。殺しは御法度なんでな…。暫く体の自由が利かないってだけだ。』
ダイン『誰に頼まれた。』
ヤムスキー『とあるお方だ。アヴァロン騎士がじゃまなんだとよ。』
ダイン『そうか…。』
ヤムスキー『さあてぇ、そろそろおねんねの時間だ。終わりにさせてもらうぜぇ!』
ヤムスキーは短刀を振り上げる。ダインに当たる瞬間ダイン両手剣の突き攻撃がヤムスキーの鳩尾決まった。
ヤムスキー『ば、バカなどこにそんなち、力が…?』
ヤムスキーはそのまま崩れ落ちる。そしてそのまま動かなくなる。
審判『ヤムスキー選手戦闘不能!勝者!ダイン選手!』
審判のダイン勝利宣言がされる。
観客『『『ワアアア~~!』』』
実況者『決まった~!予選Aブロック第八試合ダイン選手VSヤムスキー選手の試合はダイン選手の勝利だ~!!』
ヤムスキーは担架で運ばれていく。
ダイン『ふぅ。』
ダインは多少ふらつきながらも試合場を後にした。
コロシアムのなかのエントランスまで来るとフローラとオーズが待っていた。
フローラ『ダイン!予選一回戦突破おめでとう!』
オーズ『流石だな…。まあおまえが早々負けないとは思ったが、何かあったのか?』
ダイン『奴は、ヤムスキーは何者かがはなった刺客だ。どうやらアヴァロンとウエストリアの和平を快く思ってない奴がいるらしい。オーズ、お前の対戦相手も気をつけろ。』
オーズ『なんだって!…あ、ああ分かった。』
刺客は誰が放ったのか。謎が残るのだった。




