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祝福が全ての世界  作者: 緑 遊
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腐った世界

多くの人は生まれながら神々から祝福を受ける。

それは、魔力や筋力、身体能力の向上の助けになったり。

さらに強力な祝福を受けたものは固有の能力を授かることもある。

様々な種族が生きるこの世界で人という弱い種族が生き残れたのもこの祝福があるからだ。

しかし、人の中には祝福を受けることなく生まれてくるのもいる。

原因はいまだにわかっていないがそれでもわずかながらそういった人が生まれてくる。

それらは神々から見放された者『エンダ』と呼ばれ人以下の扱いを受ける。

大昔、大いなる祝福を受け勇者と呼ばれた若者は言った、この世界は素晴らしいと。

とある村に生まれたエンダの若者は言った、この世界は腐ってると。


■ ■ ■

少年は盗んだ果物を片手に追いかけてくる大柄の男から必死に逃げていた。


「まて、エンダのガキめ」


怒鳴りつけながら追いかける男は汗一つかいてなくあまりまだまだ余裕がありそうだ。

かたや、少年の体はボロボロで至るとこに傷が見え汗もだらだらとかい息も切れ切れで限界が近い。

それでも少年がいまだに男から捕まらないのは道の狭さだろうが理由だろう。

少年と男が走っているのは国の路地裏のゴミや箱などが置いてあり小柄な少年はそれを器用によけているが男はその体格のせいでうまく進めないでいた。

何度目かの曲道を曲がり何度目かの分岐を通り少年が振り向くと男の姿は見当たらなくなっていた。

この国の路地裏はその国の規模ゆえにほとんど迷宮化しておりこの国人ですら下手すれば二日は迷うこともにある。

少年は安心し一息つくとさらに奥へと進んでいった。


■ ■ ■

世界最大の人の国『アルケイド』昔世界を救った勇者の名前からきている。

人の国と言っても人以外の種族も受けており、獣人、エルフ、魔人、妖精等々、様々な種族がこの国で生活している。多くの人々がその祝福活かし、多くの種族がその特徴を生かしお互い支えあいながら、国からの支援を受け豊に生きている。

しかし、すべての人がそうではない。

祝福をもたない者エンダは国から支援はなく、仕事すら与えられない多くのものは国から追い出されるか路地裏でひっそりと生きていくしかなかった。


「くそっ、何が人の国だ」


路地裏の奥の奥に住んでいる少年は盗んだ果物食べながら悪態をついた。

少年の名前はスラヴ、この国に住んでいるエンダだ。


「祝福がない人をこんな目に合わせてくるくせに、くそっ何が神々だ何が祝福だっ」


祝福を持たずに生まれ、親から捨てられ、この路地裏で生活している。

運がよかったことといえば捨てられたスラヴを育てくれる人がいたことだろ。

その人も半年ほど前に冬の寒さに耐えきれず死んでしまったが。

それからスラヴは泥棒を行い生きている。

スラブは自分の寝床に戻ると横になり明日からの生活について考えた。


「もうこの国ともおさらばだな」


追いかけてきた男を思い出しながらスラヴはつぶやいた。

今まで追いかけられたことがなかった。

そうならないようにうまくやっていたのだが、どうやらそれも限界らしい。

あっちも対策をしてきいる。もう同じように盗みをするのは難しいだろう。


「今夜にこの国から出るか。はぁ、めんどくさい」


スラヴは夜の活動に向けて、荷物をまとめ寝むった。。


■ ■ ■

夜になりスラヴは国に外を目指し走っていた。

意外にもこの国の夜の警備はざるで無断で入ることも、出ることも簡単にできる。

実際、スラヴは何度か国の外に出たことがあった。

警備員も少なく、居たとしても大半がサボっている。

それほどこの国が平和だということだろう。

それでも見つかれば捕まるし、牢屋に入れられる。

道中見つからないように警戒しながら行動する。


「ちっ、なんでこんなやつが」


途中サボって寝ている警備員を見かけ苛立ちを覚える。

途中家から笑い声や話し声が聞こえ悲しくなる。


(くそくそくそくそ)


心の中で悪態をつきながら国の外目指す。

外にでても宛てが宛てがあるわけでもない。

ただ生きるために外を目指した。


■ ■ ■

アルケイドを出ると草原が広がり北へに道が一本続いている。

この道を通るとノーサスという町につく。

スラヴはとりあえずそこに向かうのだが、一つ問題がある。


「魔物に出会わないことだな…」


スラヴは別に兵士でも戦士でもましてや冒険者でもない魔物に出会ってしまうと当然ながら襲われてそのまま殺されてしまう。

持っている武器も小さなナイフしかない。

こんなのでは抵抗なんて無理だろう。

エンダの自分をつくづく嫌になりながらスラヴはノーサスにむけ歩みを始めた。

ここまでこれば人目につく心配はない。

暫く歩いて振り返ると、アルケイドが小さく見えた。


「なんだ結構小さいじゃん」


またもスラヴは悪態をついた。

なるべく早く

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