ラチられた!
皆様、お久しぶりです
本日から新しく小説を書いていこうと思いますので、生暖かい目で読んでください!
”異世界転移”
なんて夢のある話だろう
現実に嫌気がさし、逃げ込んだ先は非日常のファンタジー世界
そこでは、英雄と呼ばれ、世界のために戦い
色んな人から感謝され、チヤホヤされる
そんな夢みたいな世界が、あればぜひ行きたいものだ
「じゃあ、行ってもらおうか」
「え?」
周りを見渡すと、先程までいた自分の部屋と異なり、永遠と白い部屋が広がっている
「は?どこだよ、ここ」
「ここはね、僕の部屋さ」
「誰だ!」
後ろから声をかけられ、驚きながら振り返る
「そんなに取り乱さないでよ。君は冷静さだけが取り柄でしょ?」
「こんな状況で冷静になれるかよ!」
「あはは、確かに」
俺は深呼吸をして、冷静さを心掛ける
状況は、原理不明のだだっ広く白い部屋の中に
俺ともう1人の子供が居る
1番の問題はその子供が宙に浮いているということだ
うん、全く意味わかんないな
「お?いいねぇー。その切り替えの速さ」
「切り替えた訳じゃない。理解するのを諦めただけだ」
「それでも、話ができるようにはなったね」
「そうかい。そりゃあ、ご迷惑お掛けしました〜」
少しの皮肉を込めて返答するが
子供は笑顔で浮いているだけだった
「はぁ、それでここはどこだよ」
「僕の話聞いてたかな?ここは僕の部屋って言ったよね」
そいえばそんなこと言ってたな
ただ、言い方がムカつく
「あんな状況で言われて聞いてるわけないだろ。まあいい、ここはお前の部屋なんだろ、早く帰してくれ」
もうすぐ、幼馴染みが来る予定なのだ
早く帰って準備をしないといけないのだ
「残念だけどそれはできないね」
「は?なんでだよ」
「それはね、君には異世界に行ってもらうからだよ」
「いやいやいやいや、え?異世界?」
「そう、異世界」
「なんで俺が?」
「君が願ったんじゃないか」
「いや、そうだけど」
そんな願えば叶うものでもないだろ
異世界転移なんて
「まぁ、タイミングが丁度良かったんだよ」
「そんな理由で…」
この子供めちゃくちゃだぞ
何者なんだ
「僕はね、神みたいなものだよ」
「なっ!心を読まれた!?」
「ほら、こうした方が信憑性がますでしょ」
「まぁ、インパクトはすごいな」
「だよねー」
神ときたか
なんか面倒くさそうだな
「安心してよ。そんなに面倒くさいことは頼まないからさ」
「もう分かったから心を読むな」
「そんなつれないこと言わないでよ。僕と君の仲じゃないか」
「そうだな。誘拐犯と被害者関係だ」
「あはは、いいねぇー」
調子狂うなぁ
やりずらいことこの上ない
「まぁ、地球の方は僕の方でどうにかするからさ。安心して行ってきなよ」
「なんで行く前提になってるんだ」
「まさか、自分に拒否権があると思ってたのかい?」
「はぁ、わかったよ。俺は異世界で何をしたらいいんだ?」
「理解が早くて助かるよ〜。まぁ、特にこれと言ってやって欲しいこともないんだけどね」
なんだ、やることないのに行かされるのか
まぁ、それならそれで楽でいいんだが
「好きに生きてもらってもいいけど、道は踏み外さないでね。後処理が面倒だからさ」
「安心しろ、そんなこと出来る力はない」
「あ、そうだった。君には地球で言うとこの、チートってものをあげるね」
「そんなお土産感覚で渡していいのか」
チートが貰えるのなら、生きていくのには困らないだろうな
まぁ、どんなチートかは知らないけど
チートって言うぐらいだからな武力かな
「そう!その通り!君には”器用裕福”をあげよう!」
「パッとしない名前だな」
「まぁ、今考えたしね」
「今かよ!」
思わずツッコミを入れてしまった
でも、ネーミングセンスどうした
器用裕福って器用貧乏の上位互換ってことか
「それに、鑑定みたいな物もあげるよ。詳しくはそれで確認してね」
意外としっかりしたのをくれるんだな
少しは見直してやってもいいかもしれない
「さぁ、このチートは、器用になんでも出来て、実力も一流!最強だと思わないかい?」
「それは思うが、いいのか?」
「いいんだよ〜。君には異世界に行ってもらうんだからさ」
「そうか、それならありがたく貰うよ。あ、それで異世界ってどんなところなんだ?」
「お?それはねー、王道ファンタジーの世界って感じかな。まぁ、色々と発達しているところもあるんだけどね。そこら辺はね、行ってからのお楽しみってことで」
「まぁ、行けばわかるからな」
「うんうん。そうだね〜。じゃ、そろそろ行ってもらおうか」
「そうだな。送ってくれ」
俺は神(自称)に体を向け、覚悟を決める
いくらチートをくれると言っても、油断をすれば人は簡単に死ぬ
ち異世界なんて未知の領域は、気を引き締めなければならない
「じゃあ、行ってらっしゃーい」
ガタンッ!
「「え?」」
神(自称)の声と同時に、床が抜けた
俺の体は重力に従い、空へ投げ出された
強風に瞑っていた目を開けると
大空を落下していた
パラシュートなしのスカイダイビングである
「あのガキィ!絶対ぶん殴ってやるぅっ!」
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