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君と剣と魔法を紡ぐ物語〜私達がお尋ね者っ!?〜  作者: 高見 燈
第5章 秩序が崩れるとき
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第13話 始まりの地パート2

その日の夜ーー。


私はシロくんと同室でそろそろ寝ようか? なぁんて言いながらふかふかのセミダブルベッドに寝転がろうとしていた。ゼクセンさんの丸太小屋……滅茶苦茶広くてビックリよ。4LDKもあるんだって。外から見たら只の丸太小屋よ? そんなあるように見えんかった、、、失礼だけど。


ゼクセンさんは勿論♪個室だけれども、仲の良い男の方々はじゃんけんして部屋割決めてた。で、私とシロくんはそれ眺めつつ先寝ますねぇ。と、この部屋に来たのだ。眺めてたら夜中になるんで。だってグリードさんがどぉしても飛翠(ひすい)と一緒が良くて、ネフェルさんはどぉしてもハウザーさんと一緒は嫌だ。ってじゃれてんだもん。決まりませんよ、あれは。


蒼華(そうか)姉様、おやすみなさい。」

「うん、おやすみぃ。」


セミダブルベッドに先に寝転んだイッヌのシロくんの声。あ〜もぅ。可愛い❤ 今夜は寝かさないゾ!


コンコン。


ベッドに寝転がろうとしたらドアをノックする音が。ん? どちら様?? なんで邪魔するの? この癒やされタイムを。


「はぁい、どぞ〜、開いてまぁす。」


ベッドから出るの面倒いんでかる〜く返事した。けれどもドア開けて入って来た方見てビックリよ??


「ふぁ?? 飛翠っ??」


ベッドの上で変な声でた。入って来たのは飛翠だった。しかも はぁ。と、ふかぁい溜息ついた。私はベッドの上で起き上がると


「え? なに? どしたん??」


取り敢えず聞きました。飛翠はベッドに向かって来つつ


「俺もココで。」


仏頂面で言ったんだ。その声にシロくんががばっ。と、起き上がった。


「あ! 僕、グリードくんのとこ行きます!」


とーー、読まなくていいのに空気読んだ発言!


「ぬ…NOっ!! シロくん! ココに居て!!」

「オイ、詰めろ。寝れねー。」


飛翠は横で羽毛布団引っ剥がした。しかも堂々とベッドに入ってこようとしてる。


「僕、退きますから。」

「今そのスキルいらんて!!」

「奥行けっつの。」

「ぬわぁんでお前は入ってくんだ!!」


間に挟まれ右往左往してるうちに……飛翠様はさっさとベッドに入り込んだ。


(なぁんで?? グリードさんと仲良く寝なさいよ!!)


そしてーー…………。


「あの……僕やっぱり……。」

「良いから寝て? ココで? ね??」

「あ〜……うるせー、寝ろ。」

(お前が邪魔してっからな??)


とは言えない。そう、“私、シロくん、飛翠。”の川の字がベッドの上で出来上がったのは言うまでもない。


でも…少し経ってから私達に背中向けて寝転んでる飛翠が言ったんだ。


「蒼華、”イフリート“と“リヴァイアサン”の件……、お前だけの所為じゃねー。」


ボソッと……まるで独り言みたいに言ったんだ。


「え……?」


私も驚いたけど隣のシロくんも驚いたみたいで……まんまるの瞳を向けたんだ。


「正直、“召喚獣”てのも俺はまだ良く解ってねーし、あの時もお前を護ることしかアタマになかったしな、だからお前だけの所為じゃねー。」

「……飛翠……。」


私は自然と身体を起こしてた。けど彼はシロくんの向こうで背中向けたままで……顔は見えなかった。


「僕はイフリートさんもリヴァイアサンも飛翠さんと同じだったんだと思ってます。」


真っ白な紀州犬に似たシロくんが飛翠の方に顔を向けながらそう言ったんだ。その声に飛翠は驚いた様に顔を向けた。シロくんは天井見上げながら更に言った。


「お2人とも護りたかったんです。蒼華姉様を。だってそうでしょ? ご自分の力を懸命に継承してくれた方なんですから。」


「……………。」


その言葉に私は……何も言えなかった。でも……すっごく……心に突き刺さったんだ。だから……涙が溢れてしまった……。ハッキリ言ってイフリートもリヴァイアサンも大好き! とは言えない。滅茶苦茶ボコボコにされましたから。それに勝手に暴れるし! 私が未熟者なんですけれども! だけど……あの時、確かに彼等は私を庇ってくれたんだ。まさか庇ってくれるなんて思ってなかったから……私の為に彼等が命を……喪うなんて思ってなかったから……。


「蒼華姉様っ! 泣かないでください!」

「だって……私の所為で……っ。」


シロくんの暖かな手が背中を擦ってくれていた。


「ジジィが言ってたよな?」

「え?」


飛翠の声に私は顔を向けた。彼もシロくんもいつの間にか起き上がってた。


「こんなモンじゃねーって。こっから先は。」

「…………。」


飛翠はそう言うと私を見たんだ。真っ直ぐと。


「けど、有り得ねー世界だからこそ“未知数”。こっから先は“護る方法”も考えねーとな。」

「………“護る方法”……。」

「二度と喪わねーように。」


飛翠のその声は“強い決意”を秘めたみたいにハッキリと強く聞こえた。私は同時に彼のその強い眼差しに“決意”した。


「うん。」


そうーー、強くなろう。改めて決意した。

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