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君と剣と魔法を紡ぐ物語〜私達がお尋ね者っ!?〜  作者: 高見 燈
第6章 イシュタリアの闇
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第16話 魔法剣とは

 “魔法剣”……、えと? 確か……魔法使いと戦士が力を合わせて発動する“魔剣技”だっけ?

 私と飛翠(ひすい)は1度、コレに似たよーなモンをやった事がある。正解かどーかは解らない、でも、あの時たしかに私の魔法を飛翠が受止めて、彼は“紅炎の魔法剣”を使った。

 そう、イレーネ王との戦いで。

 (出来たんだから、今回も大丈夫。)

 私はぎゅっ。と、黄金のロッドを握り締めた。目を閉じる。

 (集中っ! 兎に角……何でもいい。魔法と剣の力なら。でも……何を? )

 何の魔法を使えばいいのか。それが解らない。紅炎? 樹氷? はたまた、大地? それともオラオラな碧風??

 (待って。飛翠は魔石しか持ってなくて……、私の魔法が魔石よりも強いのは、“継承石”があるからだ。つまり、イフリート達との“契約の証”。それがあるから強い魔法を使える、てことは? 私は精霊と契約してない魔法使いだから、まだヨワヨワ?)

 聖上界(アサイラム)とやらの魔力とロッドでなんか有耶無耶になってて、良く解んない状態だから、ココは一旦整理!

 (あ。でも 待てよ? ゼクセンさんのお陰で私は魔法使いになったんだっけ? てことは? 継承石とか関係ないってこと?)

 今迄は、魔石……所謂、基礎中の基礎その魔法と、継承石の魔力で何とか魔法使いに仕立て上げられた私。

 でも、今はゼクセンさんの力で私は魔法使いになった。つまり、精霊と契約してる魔法使いと同じってことだ。よね?

 (でも、不確定。答えは解らない。ゼクセンさんはもういない、聞きたくても聞けない。それに……。)

 私は目を開けた。目の前には飛翠が居る、イフリートとタイラントの力技でブッ倒れてるディアマントス……“騎士達の亡霊”……、10人も居る召喚獣だ。それを睨みつけてる飛翠が。

 私は彼の背中を見ながらぎゅうっ。と、ロッドを握り締めた。

 (魔法剣……、私が飛翠に魔法を放ってそれを受けて、彼は“化身”みたいになる。でも……もし間違ってたら……? 只の攻撃になって……飛翠を傷つけるかもしれない。)

 私は不安になる。

 (あの時は上手くいった……でも、今回は? どうしよう……、何を放てばいいの? ゼクセンさん、教えて。ディアマントスを倒す為にはどうしたら……っ。)

 私がそう思ってると飛翠が言った。

 「蒼華(そうか)! 武器の力。それでいい。」

 「えっ??」

 飛翠が私を振り返ってそう言ったんだ。彼は黄金の大剣を握りながら、私を見て強い口調で言った。

 「お前が持ってる“ロッド”の力、それを放てばいい。悩んでんじゃねぇよ、そんなヒマねーわ。」

 飛翠はそう言うとディアマントス達の方を見た。

 (ロッドの力?? )

 私は黄金のロッドを見つめた。 

黄金のロッドの先端には煌めく円球。でもそれは黄金の光放つ水晶みたいなものだ。その円球の周りに生える黄金の両翼。それは、バサッ、バサッと羽ばたいてる。 

 (この力をどーしろって?? つか、放つって……、闇雲に思ったことを言えっつの?? 失敗したら飛翠はどぉなんのよっ!?)

 相手に……飛翠に魔法をぶち当てて発動させる? か、どーかは解らない魔法剣。でも、私達はそれで上手くいった。その時は無我夢中で、魔法の事も良く解ってなかったし、イケちゃったけど、今は怖い………、正解が解らんから恐い。

 (どうしよう……何をどうすれば……。)

 私がそう思ってる時だった。

 『蒼華……、大丈夫だ。お前の持つロッドは、“聖魔女の杖(ディティス)”。それは、お前の為のロッド、武器。そして、飛翠の持つ大剣……、“聖戦士の大剣(セイントクラージュ)”は共鳴する。信じよ、お前達の“絆”を。』

 聴こえたんだ………。

それはとても懐かしい声だった。

 (………お父さん??)

 そう、私のお父さんの声だった。少し掠れた優しい声、それが私の頭の中に響いた。

 『蒼華、いいか? 念じろ。お前のロッドは“力”になる。大丈夫だ、飛翠はいつだってお前と共にある。』

 (お父さんっ! 聞きたいこといっぱい……)

 『ハイハイ、こっちも言いたいこと沢山なんで。兎に角、今は集中しろ。蒼華。お前は知ってる、“魔法の言葉”を。』

 お父さんの言葉を聞いた後だった。

 私の脳内に何やら色んな“呪文”と言うか……何やら色んな言葉が巡った。そして、その中で1つのワードがぴこりんっ。って、光った。や? 残った、脳内に。

 (あ。コレ??)

 私は脳内に光るワードを浮かべながら、お父さんに聞いた。

 『そ。ソレ。ブッ放せ、蒼華。』

 お父さんの声に私はぎゅっ。と、ロッドを握り締めた。

 「おけぇい♪」

 私はロッドを握り締め目を閉じた。

 (大丈夫。私と飛翠なら大丈夫。お父さん………、お願いっ。飛翠を守って!!)

 恐いので兎に角、それだけは念じつつ、私は飛翠にロッドを向けた。目を開き叫んだ。脳内に煌めくワードを。

 「“聖上の怒り(ラスペランザ)”!!!」

 私のロッドの先端……黄金の水晶が煌めき、カッ!! と、閃光は放たれる。それは、飛翠に一直線に飛ぶ。黄金の波動が。彼はそれを背に受け、黄金の光に包まれる。

 飛翠は黄金の光に包まれ……弾丸の様に猛スピードで、突っ込んだ。大剣を構えディアマントス達に。

 けれども、彼はその大剣をディアマントス達の前で大きく薙ぎ払う。騎士達の身体を一刀両断……、上半身と下半身を切り裂いた。10人もの騎士の身体を。

 ズバァッ! と、切り裂く音が響きその後で黄金の炎が彼等を焼く。更にその頭上から黄金の雷鎚が降り注いだ。

 ドゴォォォッ!!

 物凄い衝撃音と、黄金の雷鳴、雷鎚。ディアマントス達は、閃光の中で焼け焦げ焼失した。

 突風と閃光で私は目を半目しか開けてられなかったけども、彼等が消えたことは解った。

 「………まじか………。」

 私は目を見開くしかなかった。 

 

 

 


 

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