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君と剣と魔法を紡ぐ物語〜私達がお尋ね者っ!?〜  作者: 高見 燈
第6章 イシュタリアの闇
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第11話 支配者たちの底ヂカラ

いつもご愛読、応援有難う御座います。

この度は、投稿が遅延してしまい申し訳御座いません。体調不良で遅れました。


不定期投稿で申し訳ありませんが、これからも何卒宜しくお願い致します。


高見 燈

 魔導士達が夢を叶える為に訪れる“アズール魔導館”。

でもそこは今、“闘いの地”みたいになってる。大きな“月読(つくよみ)の塔”は、もう崩落してしまって見る影も無い。塔が建ってたってことだけは何となく解る。

 (ん? 解るのか?? 石と瓦礫のヤマですけども。)

 闘いの地になってる理由は……、私と飛翠(ひすい)を殺そうとしてる王女と騎士が居るからだ。更に彼女が呼んだ“召喚獣”たち。

 そして倒した筈の“神獣バハムート”と、“戦神オーディン”も居る。

 「で? どーすんの?」

 黄金の大剣を右肩に乗せて担いでる飛翠がそう言った。

 「闘いますとも!!」

 私はぎゅっ。と、黄金のロッド握り締めて即答した。むっちゃイキってみた。

 「や? じゃねーのよ、どう戦うかを聞いてんの、バカ女。」

 けれども直ぐに呆れた様な声が返された。

 「バカ女言うなしっ!」

 私がそう言った時だった。

 「蒼華(そうか)、合成魔術で創り出された存在のバハムート、オーディンは“無属性”だ。」

 そう言ったのは“紅炎の神獣イフリート”だった。私の後ろに居る大きな赤黒い身体をした犬、野獣だ。

 この人の尻尾は紅とオレンジのたいまつみたいな炎なんだよね、だから触れない。掴んでぶんぶん。振り回してみたくなるぐらい大きな尻尾なんだけども、ふっさふさモフッ感が1㍉も無い。

 「無属性? あ〜……なんかむっちゃ久振りに聴いた、属性。」

 魔法を使い出した頃に属性うんぬんのハナシはされた。けれども、なんかとっても遠い昔に聴いたことの様に思う。

 「つまり?」

 聞き返したのは飛翠だ、イフリートは炎を宿したみたいな紅い眼をしてる。なんかメラメラ燃えてる様に見えるんだ。

 「“属性”に囚われない、つまりコッチも属性には囚われない。」

 にやっ。と、なんか笑った。牙見せて。

 「ブッ倒せる自信ありそーだな?」

 飛翠が言うとイフリートの隣に居る大きな碧の雄鶏の姿をした、女王…碧風の神獣アトモーネスが言った。

 「8割。」

 「あ?」

 アトモーネスの声に飛翠が聞き返すと、彼女は大きな碧の両翼を羽ばたかせた。けれども、その首を傾げた。

 「あ。すまぬ、5割かも。」

 「あ"?」

 飛翠がガン付けて聞き返すと、イフリートが言う。その口元に紅い炎の息を吐きながら。

 「バハムート、オーディン、我等にとっては“驚異の存在”だった。人間が創り出すと言う“合成神獣”。それもこのアズール魔導館で創造された。」

 (ん?)

 私は何か気になった。イフリートは、黒龍に似た大きな身体をしたバハムートを見据えていた。紅炎の眼で。

 「我等も馬鹿者ではない。その時に知った、自分達は必要とされてない存在、そして“ゼクセン殿”はそれを受入れたと。」

 (あ。それ。今……私はそれを思ってしまった……。)

 イフリートを見ると彼の紅炎の眼は、私を見た。

 「この戦い……いや、この先の戦いは最早、お前達だけのモノではない、我等の存在理由を問う為でもある。何故なら我等はこうして生きている。生きている=不必要ではないと言うこと。」

 イフリートは紅炎の眼で私を真っ直ぐと見つめた。更にアトモーネスが言った。

 「不必要なら……“秩序の魔導士ゼクセン”に消されているよ、私達は。でも、こうして生きている。そして……今、試されている。」

 アトモーネスは言うとぶわっ。と、浮いた。碧色の大きな両翼を羽ばたかせて。そして、彼女はバサッと羽を羽ばたかせた。そして、その碧色の眼はバハムートを見据えていた。

 「私達は生きている、そこに“何か意味がある”。それはこうして目の前に居る“蒼華、飛翠”。お前達なのかもしれない。」

 アトモーネスは言うと神々しい碧の光を全身から放った。両翼を広げ、彼女は叫んだ。

 「お前達! “支配者”の底ヂカラ見せなっ!!」

 その1言に、イフリート、ライムス、タイラント、リヴァイアサンが一気に何か“力”を溜め始めた。

 「え?? なに??」

 私は後ろで物凄いエネルギーを感じて彼等を振り返っていた。

イフリートは全身にオーラみたいに紅炎を纏っていた。

 ライムスは樹氷の獅子。氷で出来たその身体に樹氷の氷柱みたいな物を全身に纏っていた。

 その隣でタイラント……虎巻した鬼は、石柱を全身に纏っていた。更に恐ろしいのは……海蛇のリヴァイアサンだった。

 彼は大きな身体をくねらせたかと思うと、全身を立ち上げてその背後に何処から呼んだ? のか、大津波を背負っていた。

 「行くよっ!!」

 アトモーネスが大きな両翼を ばさっ。と、羽ばたかせると、

 「「「「「護神獸の怒っ!!!!」」」」」

それらの力が放たれた。 

 彼等のそれ等は単体とかではなくて、混合してバハムートに向かって放たれたんだ。

 閃光と爆風とそして大津波が……滅茶苦茶にバハムートに襲ってた。

 「な……なんなのっ!?」

 眩しい光とそして爆風……。私は目を開けてられなくて、そう言うだけが精一杯だった。

 ドォォオォンっ!!

 直ぐに爆発音みたいな凄まじい音が響いた。けれども、私は既にいつもの如く、飛翠に抱き締められていて閃光からも、爆風からも避けられていた。だから、薄目開けてようやく見えた。

 海蛇……リヴァイアサンの大津波でバハムートが飲み込まれるのを。

 大きな紺碧の津波……、それが黒龍に似たバハムートを襲い飲み込んだ。まるで喰らうかの様に。

 キュイイイイン……。

 何か力を溜めてる様な音が聴こえた。はっ。として、振り返えると樹氷の獅子ライムスが、飛び上がり口元に白い光を溜めていた。それは直ぐに放たれた。

 「樹氷の墓標(ライムネフィロス)!」

 パキィィィン……。

音を立ててリヴァイアサンが放った大津波、つまりバハムートが飲み込まれてる津波が、一瞬で凍りついた。そう樹氷の津波になった。

 「えっ!?」

 驚いている私にまだまだ、彼等のビックリドッキリアート的な? は、続く。

 「タイラントっ!!」

 怒鳴ったのはアトモーネス女王様。

その声に鬼のタイラントは、飛び上がった。そして、凍りついた津波、そこに埋まっているであろうバハムートに向かって拳を振り降ろしたのだ。

 「大地の憤怒(アースディーダ)!!!」

 タイラントは凍てついた樹氷の波目掛けて右拳を振り下ろし、その樹氷を粉砕した。

 ドォォオォンっ!!!

 「きゃあぁっ!!」

 それは爆発に似ていて、タイラントが樹氷を殴りつけて粉砕したと同時に、物凄い爆風が襲った。それに、物凄い音も。

 爆発音みたいな。

 眩い閃光と爆風とに煽られて私は飛翠にしがみついていた。

 (な……何が起きてるの!? 解らない! なんなの!?)

 目で追うことに精一杯で……何が起きてるのかなんて、解らない。そして爆風に煽られて、もっと解かんなくなった。でも、見なきゃ。その一心で、私は飛翠の胸元からちらっ。と、目線を向けた。

 鬼みたいな姿をした虎巻した大地の神獣、タイラントが立ってた。そして、その目の前にはクレーター。

 「はっ!?」

 私は驚いて声を上げた。

樹氷の津波が消えていて、タイラントの目の前の草原が大きく凹んでいた。一瞬で掘られたみたいに大きな穴が出来ていた。

 「な……なんなの!?」

 私が聞くと、白い牙を口の両端に生えさせた鬼は笑った。

 「蒼華、バハムート殺したから“神獣のお供”くれよな。」

にかっ。と、何か……無邪気な笑顔を向けられた。

 (こ……殺したって何!? 解んないままになんか進んだっ!! えぇっ!? どぉなってんだ!? 神獣っ!!) 

  

 

 

  


   

 

 

 

   

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