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君と剣と魔法を紡ぐ物語〜私達がお尋ね者っ!?〜  作者: 高見 燈
第6章 イシュタリアの闇
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第10話 私も神獣もメンタルは大事っ。

 広い草原にそよ風が吹く。

 そこに倒した筈の、銀色の戦士“オーディン”、そして、黒い龍みたいなどデカい神獣“バハムート”が降り立っていた。

 「師匠! どぉすれば!?」

 私は黄金のロッドを握ってネフェルさんに聞いた。すると、彼はちらっ。と、元支配者、そして今は神獣のイフリート達を見たんだ。

 「彼等の“底ヂカラ”………。」

 ネフェルさんは言うと私を見た、そして少し挑発的な目をして言った。

 「賭けてみますか?」

 と。

 「え? 底ヂカラ??」

私が聞くとネフェルさんは少し真剣な目をして言う。

 「彼等は“天然者”、つまりこの世界に従来から居た存在、けれど、バハムート、オーディンは“人間”が魔術で産み出した存在。これね、、、“戦争”の銃爪でもあるんだよ。まぁ、それはイシュタリアの歴史なんで、今は置いといて。」

 「ん? は??」

 私は聞き返したけども、ネフェルさんはにっこりと笑った。そして言った。

 「“天然者”と“合成者”………、それでも同じ“神獣”。未知の力を持つ者。だからね。」

 「あの……師匠……すみませんが……わかり易く言って貰えます?? で? どぉしたら宜し?」

 (ごめんなさい! これ以上は頭がパンク満杯、満腹ですわ!)

 兎に角、何をどぉすりゃこの草原は穏やかに静かになんのかね!? そして! 飛翠の第2の師匠、ガルパトスさんは帰って来るのかね!? と、私は思うのである。

 「だから、“神獣VS神獣”だよ。」

 「おぉ〜〜♪♪」

 ネフェルさんの言葉に私は思わず拍手した。パチパチパチと。

 「すっげわかり易っ。ですよね! それは私も思ってましたとも!!」

 と、私が言った時、声が聴こえた。

 「あの〜…蒼華姉様? むっちゃ“マジックメイト”は買ってましたが、“ハートメイト”は買いました?」

 シロくんだった。

 「え?? 何それ? ハートメイト?? お菓子??」

 「いや……“精神力回復薬”です。召喚士には必要なアイテムです。精霊召喚、神獣召喚には精神力使うので。」

 シロくんはそう言った。

 「は?? メンタル!? どぉゆうこと!?」

 (この期に及んでまだ私のメンタル奪おうってか!? 舐め腐ってんなっ!? おいっ!!)

 私はシロくんに取り敢えず聞いた。けれども、師匠……ネフェルさんが言った。

 「シロくん、“慈愛魔法”は勉強した?」

 「はい! 勿論です!」

 シロくんはとても笑顔で答えた。すると、ネフェルさんは微笑んで言った。

 「それなら大丈夫だよ。君は“魔法使い”なんだから。“フィリア”を使えます。」

 そう言うとシロくんは あ。そか。と、少し驚いた目をしたが、直ぐに私を見た。

 「大丈夫でしたっ。蒼華姉様っ。ごめんなさい、不安にさせて!」

 彼は散歩前のわんこみたいに笑った。

 「あ……いえ、ごめん。散歩はまたあとで。」

 「は!?」

 私はとてもビックリされた。

ネフェルさんは私を見て言った。

 「あの神獣達を貴女が従え、貴女が共に“戦う”。今がその時だ。蒼華ちゃん。行きなさい、貴女はまだ強くならなくてはならない。」

 私はネフェルさんに背中をとんっ。と、押された。でも、私に不安は無かった。彼は私を見てとても優しい眼差しをしていたから。そして……

 「大丈夫です! 蒼華姉様! 僕はちゃんと傍に居ますから!」

 シロくんの声が聴こえた。

 「うん!」

 私は応えて向かう。5体の野放しにされていた元支配者の元へ。そう、今は私の支配下。つまり彼等はバハムート、オーディンと同じ立ち位置。未知なる生物“神獣”だ。

 イフリート……“紅炎の支配者“赤色眼で、赤黒い身体をした大きな獣だ。獅子と言うよりどちらかと言うと犬よりの顔立ち。あーもぅ、犬! お前は紅炎の犬だ!

 で、そのイフリートは言った。

 「どうしたい? 蒼華。」

 と。

 「は??」

 私はとても驚いた。けれど、イフリートは息が炎で呼吸する度に口元から、紅い炎が出る。なので、溜息なのか呼吸なのか解らない。

 「どうしたい? なんそれ?」

 私が聞くとイフリートはとても困った顔をした。身体はデカい大犬なのに。

 「や? なんかこー……あるのかと。」

 「は?」

 私が睨むと、隣に居る碧の羽毛の雄鳥の姿をした女王アトモーネスが、ばっさばっさと大きな羽をバタつかせた。

 コケーコッコ!と、言わんばかりに。

 「いや? 違うのだよ? 蒼華。私達は確かにティアにも飼われていた、そう、他の人間にも飼われていた、けれど元より自由な世界で生きてる者。その……人間と共に戦うとしても、私達は自由なのだよ。」

 碧の眼が煌めいて私を見ていた。更に隣の樹氷に覆われた獅子“ライムス”が言う。

 「すまぬな。人間。いや……蒼華。我らは兎角自由気儘、力はその時に勝手に使うモノ。“支配”と言う関係性はティアが始めてで、まぁ、その何だ? 失敗したのも初なもんで………」

 ライムスは大きな氷に包まれた獅子の頭を擡げた。いや、項垂れた。はぁ。私はそれらを見て溜息ついた。

 「あっそ。つか、私は貴方達のことを知らないので、ドSな鬼畜としか思ってねぇし?」

 う………。と、彼等は揃いも揃ってまたもや身を竦めた。

 (あ〜クソ。こーゆう時、まじ強ぇ召喚士は何も言わせんと力使わせて、敵を粉砕するんだろーな。こりゃメンタルやられるわ。)

 私は何となく“メンタル回復薬”の意味が解った。これはいる。絶対に。

 でも、こんなことしてる場合じゃない。コイツらはクソだけど、力はあるので。兎に角、力を借りるしかないのだ。敵が多いのだから。

 「兎に角! お前らの持ってるチカラ出してこいやっ!! そんでダメでも、イイコイイコはしてやんよっ!!」

 と、私は言い黄金のロッドをティア王女に向けた。すると、

 大地の暴君“タイラント”がその黄金の眼を向けた。虎柄の腰巻きのどデカイ茶色の筋肉ムッキムキ鬼だ。

 にやっ。と、彼は口端の白い牙を見せて笑った。

 「蒼華、アレくれ、ほら、お前が前にくれた“神獣のお供”。アレ美味かった。」

 「あ〜……人間で言う“酒”ね? はいはい。わかりましたぁ。」

 何となく買って渡したモノ。それを彼は覚えていて、何かちょっと嬉しくなった。

 「あ。じぇら。」

 と、鋭い眼したのは蒼い身体した大きな海蛇、リヴァイアサンだ。タイラントを睨んでいた。

 「え……えぇ?? リヴァくん……そんな嫉妬深い奴だった?」

褐色肌の鬼は蒼い海蛇に引き笑いだった。

 はぁ。私は溜息ついた。

 (何なんだ……コイツらは。立ち位置変わるとこーも、掌返しすんのかよ。まぁ……可愛いけども。)

 そんな事を言ってる場合ではないので、私は兎に角

彼等を見て言う。

 「あーもぅ! いいか! 行くぞ! お前らっ!」

 「「「「「イエッサー!!!」」」」」

(は?? 舐め腐ってんよなっ!?)

 私は思うが面倒臭いのでツッコむのはやめといた。

 

  

  

   

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