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第4話 洞窟だけに退屈……?

今回は「考察」&「小ネタ」回です。モンスターはちょっとだけしか登場しません。

一応、説明という形で紹介はしています。

あんまり序盤でモンスターを出し過ぎるとネタが続かないので……今後もこういった回が度々挟むと思います。

 最も不潔な場所に棲息する汚らしいモンスター、アティアグの巣穴から逃げる。逃げた先は天然洞窟のような場所だった。

 おそらくここはダンジョンの裏道や裏側といった場所なんだと思う。そう思うのは光源の存在だ、今まで居た場所の光源は常に照らされていた。しかしここにはその光源が無い、その証拠にこの場には影が一切見受けられない。だと言うのに、なぜか俺は昼間と変わらない視界をしている。元々、目は無いのに視覚がきちんと認識しているから気付かなかったけど、これは特別なことなのかもしれない。それはゼラチナス・キューブに転生した影響……なのではないかと、一人で納得していた。

 俺のチート能力って視覚と聴覚が機能していること……地味なチートだなぁ。実際は知らんけども。


 それとこの洞窟部分にはモンスターが少ない。これまで見かけていた下等モンスターすら、見かけることが少ない。つまり、ここはモンスターにとって生息域から外れていると見て取れる。餌が少なければ食物連鎖も成立しないわけだしな……クロウラーとアティアグ? アレらは別個。

 水場を求めて徘徊しているのだが、こうモンスターが少ないと退屈だ。本来、洞窟なんてモンスター巣窟だと思うんだけどなぁ。多分、それは正規のダンジョン内にある洞窟がそうなんだろうと思っている。


 このダンジョンは本当に謎。存在そのものから、その目的や大きさに至るまで全てが謎だ。ストーリーの謎を解明するのは、RPGの醍醐味でもあるから楽しいは楽しいのだけれども。やっぱりRPGと違って、ヒントが何一つ得られないのは辛い。俺の考えは全て憶測の域を出ないからなぁ。

 これがTRPGならGMやKPに『すません、ヒント下さい』と言えるのだが、現実はそうもいかない。なによりも、ヒントを貰えそうな相手がいるのかえさえ怪しい。RPGなら村人などから情報を得られるけど……モンスターしか居ない場所でそれは無理に等しい。


 ただ、全く人間がこのダンジョンに居ないとは思えない。ここは誰かの手に依って造られたダンジョンであるのは明白だから。通路なんかが良い証拠とも言える、あれは明らかに人間が通ることを想定されたものだから。仮にここがモンスターしかいないのであれば、そもそも通路なんて用意する必要がないからだ。そのままエリア同士を繋げれば問題ない。

 このダンジョンを知るには情報を得るしかない……けど、現実的ではないんだよなぁ。人間と出会っても、会話が成立しないし、俺発声器官ないから喋れない。


 出来る事と言えば――『仲間に なりたそうに こちらをみている』だけだもんなぁ。

 人間を見つめたところでその意志が伝わるとは到底思えない、アレはゲームシステム仕様だから成立してるだけなのだから。目の前にだたじっと見つめるモンスターが現れたらどう思う? 普通は不信に思うだろ。

『なんだこのモンスター⁉ こっちを襲う気か⁉』と考えるのが正常だ。死活問題なのだから、正常な判断だと言える。会話が出来れば話は別なんだけど。


 ――と、ダンジョンの謎を考えていたら、ここに来てからの久方ぶりのモンスター襲来。

 Gスパイダーか……ここってG系ばっかなんだよねぇ、洞窟なうえに入口が狭いからこういったモンスターが時折入り込むんだろうね。

 しかしどうしたことか、Gスパイダーは動かない。見つめ合う俺とGスパイダー……はっ⁉ まさかお前――『仲間に なりたそうに こちらをみている』のか⁉ まぁ絶対違うよな。

 なんだ? なんだ? ただこっちを見てるだけか? 不思議そうに傾げるような仕草をしよって、なにがしたいんだ? コイツは。


『蜘蛛ですが、なにか?』みたいな仕草をするばかり……襲う気がないのであれば、俺は先を急ぐよ。横を通らしてもらうよっと――って、いきなり襲ってくんじゃねー! そんな無暗に飛び掛かってくるから、体内逝きの餌食だよ。蜘蛛の巣同様に、俺の体内に捕えられたら最期だよ。まぁ貴重な栄養源なので、ありがたく頂戴しますよ。恨むなよ、これも弱肉強食だ。


 体内にGスパイダーを取り込んだまま移動を再開。それと思考も続ける……ただ移動するのも退屈だしね。しかし、仲間モンスターは案としては良いと思う。俺が喋れないなら、代わりに喋ってもらえればいいわけだ。それに、火や雷の攻撃をするモンスターが強襲して来た場合俺には対処できない。代わりに戦闘をしくれるモンスターが居れば、生存率が飛躍的に向上するし。人語を話せれば、なお良し……え? アティアグ? アレは論外だよ。誰がアレを連れて会話してくれるってーの、誰もしたくないでしょ。

 そもそも、アティアグでさえ俺と意思疎通が出来ていないと思う……そう思いたい。問題点はそこだ、俺と意思疎通の出来るものを探すのが一番だろう。人間かモンスターのどちらでも構わない、人間は無理だと思うけど。まず未だ出会ったことないし、人間とモンスターじゃ敵対関係にあるはずだから。


 ……となると、やっぱりモンスターだよな。テイマーは憧れでもあるし、望むところだ。あとは方法と、どのモンスターを仲間にするか、が問題だな。

 現状だと有力なのはミノタウロスかな~? 一応は知能があるから。ただ、どう俺の意志を伝えてどう仲間にするかだよねぇ。力尽くで屈服……出来なくはないだろうけど、一対一でなら可能性がある。まぁ、知能が高いからスライムの対処法を心得てるだろうから、敗北する可能性のが高いだろうけど。

 そうなると、出会ったことのないモンスターのが可能性は高いと思う。俺の知らない……いや、本や伝承が正しいとは言えないのだから既知のモンスターであっても可能性がある。

 やっぱ筆頭は “エンシェント・ドラゴン” だよなぁ。


 エンシェント・ドラゴン――ドラゴンの頂点に立つ究極の存在。『古代竜』の意味をし、ドラゴンの中でも別格の存在。ドラゴンは非情に長命であり、その長い年月において知識を蓄え能力を高め一般種以上の存在にまで自身を昇華させるものがいる。それがエンシェント・ドラゴン。


 ドラゴンは一般的に凶暴で知られている。しかしその反面、人間との接触を拒まないような平和主義で知識欲旺盛なものも居る。その知識欲旺盛なドラゴンがエンシェント・ドラゴンとなる。さらにはエンシェント・ドラゴンの中には神に近いものまでも居る。その膨大な知識には『読心』や『念話』を可能とする。


 出会いたい存在でもあるし、必ず俺の助けにもなるはずだ。しかし問題もある……普通のドラゴンとの区別がつかない。一般種がどういったものか知らないうえに調べられないから判別不能。長寿ゆえに巨大かもしれないが、それは種族としてか、個体としてなのかも判別不能。それとエンシェント・ドラゴンの中には凶暴なものも居る、代表的なのは『ティアマト』『アジ・ダハーカ』『ムシュフシュ』『ニーズ・ヘッグ』辺りかな。

 なによりもスライムにとっては天敵とも言えるから、そう易々と接触できない。だからこそワイアームから逃げたわけだしな。

 次の候補は……『リッチ』かなぁ。


 リッチ――高位の魔法使い、あるいは強大な魔法を希求(ききゅう)する者が死後にアンデッド化した存在。


 大魔導士なんて別名を持つほどの魔法に長けた存在。そんなリッチなら『読心』や『念話』も使えるだろう。むしろそれが使えないのはリッチとしてどうなのよ? という疑問が出てしまうくらい確信を以て言える。

 問題なのは協力してくれるかどうか、だな。孤高の存在でもあるからなぁ、それにスケルトンの中にも魔法使いはいるだろうから見分けがつくかも問題。それにやはり魔法が使えるということはそうそうに近づけない……だって、俺スライムだもの。火炎系魔法だけでなく雷電系魔法や下手すれば即死系魔法まで使えるかもしれない。スライムは物理には耐性あるけど、その他は無いんだよ。


 あとのモンスターだと……正確には、『妖精』や『精霊』に属する存在だな。

『フェアリー』『ブラウニー』『ドワーフ』『ノーム』そして――『エルフ』だ。エルフには是非ともお会いしたい! 金髪エルフなんて男の浪漫そのものだろう! え? 違うの? 最高だと思うんだけどなぁ。あの『呪われた島』に出てくるエルフ以来エルフ好きになったんだよぉ。

 ま、まぁとにかく彼らは比較的に温厚な性格をしているし、『妖精』や『精霊』といった特殊な存在だから『読心』や『念話』が使える可能性が高い。


 う~む、ぱっと思い付くのはこんなところかなぁ。あとは実際に出会ってからじゃないとわからないしな。知識と現実が同一であるとは限らないんだし……それに俺の持つ知識だって所詮は空想上のものでしかないからな。慢心過信は危険だよな……っと、()()ですか。


『蜘蛛ですが、なにか?』


 そんな感じでこちらを見つめてくる2匹目のGスパイダー。なんなの? それは? その動作は君たちの習性かなにかなのかね? ちょいと、お兄さんに教えて――って、いきなり襲ってくんじゃねー!

 なんだここのGスパイダーは相手を油断させるのが特徴なのか? それはそれで通常の蜘蛛の生態とは異なるから面白いんだけどさ。いちいちそれをやられる身にもなれよ、ちょっとカワイイから構いたくなるんだよ。

 ちくしょうめ、裏ダンジョンの裏Gスパイダー侮りがたし。餌が少ないから、油断させる習性でも覚えたのかもしれない。ここのモンスターは生活環境適応力が異常に高い可能性があるのか。だとしたら油断ならないな、それはもはや独自進化を遂げていることになる。


 しかし、水はどこだ? かなりこの洞窟内を歩いている気がするが、ある気配がないな。ここにもモンスターが生息してるということは水場があるはず。水がなければ生きていけないからな、どこかにあるはず……水を発見するサバイバル術でも覚えておくんだったな。そもそも洞窟内で水場がある方が稀だとは思うけど。

 いい加減この汚れた体を洗いたいものだ。臭いも相当――はっそうか! 裏Gスパイダーは嗅覚で俺を見つけているのか⁉ んなわけないか。蜘蛛って嗅覚は無いはずだしな。環境適応と言えど、そこまでではないだろうしなぁ。

 ただ暗闇が支配する洞窟……視覚以外の感覚で捕食しなければならない環境ではあるのか。まぁ、地球の生物学では通用しないようなモンスターが闊歩しているような異世界だし、そんな生物がいたとしてもおかしくはないよな。

 うむ、認識を少しばかり変えた方がよさそうだ。ここは異世界、地球の常識とは異なる場所なのだから。地球の感覚ではそのうち死にかねない、気を引き締めよう。


 ――と、慎重に物事を行うと決意した途端、背後に気配を感じ取る。

 くそっやっちまったぜ、油断しないと思ったのにこの体たらくとは……情けない。背後の奴は動く気配がない、どうやら俺の動向を覗っているみたいだ。

 このままでは埒が明かないと考え、俺は恐る恐る後ろを振り返る。


『蜘蛛ですが、なにか?』


 って、お前かーい⁉ いや待て、コイツ今までの裏Gスパイダーと違って体色が違う。これまでの、今なお俺の体内に収まっている裏Gスパイダーは黒色に対して、コイツは白い。アルビノか? それとも陽の光が一切無い洞窟ゆえの固有種か? 裏Gスパイダーと別種と見るべきか……いや、この他人(ひと)をおちょくるようなこの仕草は同種だ。

 フッ……だがしかしお前は運が良い、アルビノだけに。お前の仲間が体内にいるから定員オーバーだ、見逃してやるよ。その貴重な種を繁栄させるが良い、さらばだ。


 俺とて鬼じゃない、無益な殺生は好ま――って、いきなり襲ってくんじゃねー! だが甘い! 体内に取り込めないからといって攻撃方法がないわけじゃない。くらえ! ()()()体当たり。

 粘液状生物だからと言って、完全な液体とは別だからな。俺だって物理攻撃は可能だ、しかも岩と挟む形での体当たりなら威力もある。


 アルビノ裏Gスパイダーを難なく倒し、先を急ぐ。

考察は真面目にしたので、その分小ネタで遊びました。これ大丈夫かな? いや別にただの「台詞」ですからね、なんの問題もないですよ。深読みし過ぎなんですよ、違うよ。


念の為に言っておきますが、私は好きですから「あの小説」。だからこれはリスペクトです! 誰が何と言おうとも!

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