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けじめとお約束


「それで、高久くんはわたしをどうにかするつもりがあるの?」

「それはですね……えー……」


 ゆかりなさんとゆりなお母さんを引き離すために、部屋に連れて来たまでは良かった。用心に鍵も締めたし、容易に逃げられないようにしたのはいいとして、何を言うべきか全く考えていなかったりする。


「答えられないみたいだから聞くけど、まりかと付き合っているわけ?」

「つ、付き合ってないよ!」

「ふーん? でもまりかは高久くんとは違う反応を見せてるっぽいじゃん。何かの約束でも交わしたとかなんじゃないの? 正直に答えなよ!」

「ハ、ハイ」


 まりかさんとは仮初めな関係になろうと言った。しかしそれは、ゆかりなさんが何を考えているか分からないから、探る時間も含めてのものであって、ちゃんと付き合うとかそういうものじゃない。


「――そういうことなんだ。キスまでした、とか?」

「し、してないよ! するわけないだろ」

「キスはしてなくて、どうしてあんなに必死なのかな? ねえ?」

「そ、それはあのー……慰めてくれまして、あまりにも泣く俺を癒してくれているんじゃないかなぁと」

「それ本気?」

「イ、イグザクトリー!」

「やっぱりキミって何にも分かってないよ! まりかの気持ちもそうだし、わたしのことも分かろうとしていない! それなのに何で泣くの? 泣き虫は返上したんじゃなかったっけ?」

「イ、イエスイエス!」


 嘘である。ゆかりなさんからのキス禁止令が出た後、チヒロと会うようになったゆかりなさんにショックを覚え、追い打ちをかけるように会えなくなった。その時から、涙腺が崩壊しまくりになっている。


「約束したじゃんか! 強い男になって、成長しまくってわたしを迎えに来るって。忘れたの?」

「お、覚えておりますとも……しかしそれは近くにゆかりなさんがいてこその効果であって、もの凄く離れてしまっては、さすがにやる気というものがー」

「高久くん」

「は、はい」

「……キス、したい?」

「さ、させていただけるのでございますか?」


 うっかりそんなことを言ってしまったが、これは駄目なパターンだ。ゆかりなさんからの誘惑、もとい、許しをもらうのは俺だけが負けた感じになる。キス禁止令を出したゆかりなさんからしたら、一生わたしに逆らうことの無い高久が誕生するということになる。


「あ、待って! し、しないぞ! 俺は成長途中なのだ。もちろん、ゆかりなさんも成長しきっていないままだ。これは俺が俺を許さーん!」

「わたしが成長しきっていないって何?」

「ちっさいことと、膨らみと、性格と、料理の腕……はっ!? あ、い、いや……」

「ふぅーーーーーん? そういうこと言っちゃうんだ? 強引に部屋に連れて来といて、そういうこと?」


 ついついうっかりと心の中が暴露しまくってしまった。むしろちっさいのは欠点ではなくていいことだし、Sな性格も彼女の代名詞だし……これはスーパー土下座を発動せねばならない。


「ゆ、ゆかりなさぁぁぁん!」

「はっ? こっ、ここで襲うつもり!?」

「へ? あ……あぁぁぁぁ」


 非常にうっかりしたこと、それは今の構図をど忘れしていたこと。ゆかりなさんを自分のベッドに座らせていたことをすっかりと忘れていた。この横並びな状態で土下座の為のダイビングをするということは、つまりそういうことになる。


「――っ……溜まってるんだ? じゃあ、まりかとはそうじゃないってことなんだ……ふ、ふーん」


 これはまんざらでもないご様子。これはこのまま夢の世界へダイブしていいのでしょうか。

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