ゆかりなさんと修羅場的な何か 1-1
これは何かのピンチだろうか? いやいや、決して怪しいことをしていたわけじゃないはず。タイミングが良すぎたのか、マリカさんはお茶を淹れに行き、サトルはいても大して問題は無いだろう。
「じ、実は今、サトルとマリカさんが来てるんだよ。覚えているだろ? サトルのこと」
「誰だっけ? というか、マリカが何で? 何で勝手に家に上げているわけ? 理由を言いなよ! ねえ、お兄ちゃん」
サトルは問題外だった。それはいいとして、マリカさんのことでどうしてそんなに怒るんだ? 友達なんじゃなかったのだろうか?
「いや、お兄ちゃんって普段呼ばなかった呼び名を何故今?」
「だってわたし、妹だし。そうでしょ、マリカ?」
「えっ? マリカさん?」
自分が気づくよりも先に、ゆかりなさんはすでにマリカさんの姿を捉えていた。というより、お茶を淹れに戻って来たところらしい。彼女も戸惑いの表情を見せている。
「ゆかりながどうしてここに? 妹っていうのは聞いてたけど、え? 一緒に暮らしていたってこと?」
「悪い? あーうん、そこまでは教えていなかったものね。兄妹なんだから一緒の空間にいるのは当たり前じゃん? 何か気まずそうにしてるけど、高久と何かあったのかな? ねえ、お兄ちゃん……?」
「イ、イエス! あ、いや、ノーノー!」
これは何の修羅場ですか? 何も後ろめたいことなんてしていないし、せいぜいかりそめ彼女になってもらっただけだし、何も問題なんて……。
「ふースッキリした。ってあれっ? 花城? 花城も高久の家に来てたのか? おいおい、何という運命だよおい! 嬉しすぎるぞマジで!」
何でこうも空気を汚しに来たんだ、サトルめ! 頼むから大人しくして……くれるはずがなさそうだ。
「――あ?」
ひっ……! やばいやばい、何かがヤバイ。




