■Epilog 乙女【A.L.I.C.E】
本日はこれの前に一話投稿しています。
そちらからお読みください。
あれから母は毎日わたしの病室に通ってくれます。
いえ、わたしが目覚める前から毎日わたしの様子を見に来てくれていたそうです。
外傷などは無いのですが、三年近く眠っていたわたしは体力的にまだ問題があり、もう少し入院する必要があるそうです。
でも、退院はそう遠くありません。
母はそれを医師に聞いたと大変うれしそうに話すのです。
今日もわたしのためにリンゴをたくさん買ってきてくれました。もちろんリンゴは大好きですがとても全部は食べきれないので、残りは(というかほとんどは)同室の患者さんにお裾分けです。
そう、わたしは大部屋に移れたんです。
母は器用にリンゴを剥いています。
「ねえ、ママ」
「……何だい」
母は手を休めずに答えます。
「わたしね、寝ている間に長い長い夢を見たの。それでその夢を童話として本に書いてみようと思うの」
「それはいいねえ」
母は手を休めわたしを見て微笑みました。
「タイトルだけは決めてあるのよ」
「どんなタイトルだい?」
「‘あ・り・す’」
「……アリス?」
「ううん」
わたしはゆっくりと瞬きして、こう言いました。
「‘あ・り・す’よ」
乙女たちの夢が いつまでも語り継がれることを願って
~ Fin ~




