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ちらしの裏  作者: よの
1/2

君の為に

電車が揺れる。

ガタン…ガタタン…

人がいっぱい詰まったその車内は、少しだけどんよりとした空気をしていた。


(月曜日かぁ…)


ため息とともに毎週訪れる憂うつについて考えていた篠宮秋生。

秋生、なんて男性的な名前ではあるが、女子大生を卒業して3年のれっきとした女性である。


つり革に掴まりながら、電車の揺れに体を預ける。

窓の外は慌ただしく景色を変えていく。


(会社ついたら、昨日の残作業とお客さんに確認することまとめて…)


決して要領が良いと言えないが、まじめに仕事に取り組んでいる。

しかし、なんとなく。

なんとなくだけれど、仕事がつまらなくて、別の仕事が向いているのでは、なんてことを考えたりしてしまう。


(結局、どんな仕事でもそうなんだろうけど)


仕事のことは会社についてから考えよう。

そう頭の中で区切りをつけ、目をつぶった。

















「……て。お……ください…」


ん…。

誰かに起こされたような気がして、目を開ける。


「よかった、起きてくれたんですね。」


にこりと笑った目の前の青年。

目が大きくて、薄い水色のような銀色のような髪。

すっと通った鼻筋は、アニメのような風貌で…。


(…目の前?)


バッと体を動かし、左を見る。右を見る。

明らかに電車内ではない。

2畳分くらいの木造空間。

ガタン、ガタンと不定期に体が揺れる。


「狭い車内ですが、君の為に行っていることです。ご了承くださいね。」

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