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はちわめ

今日もギルドはいつもどうりに騒がしい。

この街には冒険者が多い、それに比例して騒がしさもましていく

そんな喧騒を耳にしながら私は読んでいる本に意識を戻した

ギルドの受付嬢の仕事は依頼の受け付けに新規の冒険者登録くらいだ。この街には迷宮が目的でくる冒険者が大半だそいつ等は素材の買い取り表を見るだけだし、新規の登録は数日に一度しかないつまり、暇なのだ

これでもう少し静かなら文句ないんだけどな、何て思っているとからんっと入り口が開いた音がした。

一つの足音が近づいてくる

「すみませんギルドに登録したいのですが」

本を置き視線を上げ思う、やけに静かだとそこには美しい…いや完璧な美を持つ少女がいた


−−−−−−−−−−−−−−−


ここがギルドか

教えてもらった場所に着くと小さくつぶやいた、ギルドからざわざわと喧騒が漏れている

ここに来るまでもただ歩くだけで注目されてしまったので少し人混みが嫌になっていた俺は躊躇しながら入り口に手を掛けた

からんっと音を立てギルドに足を踏み入れる、すると今までの喧騒が嘘だったかのように静まり視線が集まる

こればっかりは慣れないな

できるだけ視線を無視するように受け付けに進んだ

「ギルドに登録したいのですが」

すると隠れて本を読んでいたからだろうか受け付けの女性は驚いたような顔をした

「はい、登録ですねではこと書類に必要事項を記入してください、文字が書けない方には代筆もしておりますので仰ってください」

文字は日本語だった何かおかしい気がするがわからないよりはいいかと思考放棄しペンをにぎる

名前はメイと年齢は15と書く年齢はそれらしい年を書いておいた

職業…これは何て書けばいいんだろう

「すみません職業は何て書けばいいでしょう?」

「職業については剣をつかうならなら剣士、魔法を使うなら魔法使いと見れば戦い方がある程度わかるのなら特に規制はありません」

ふむ、なら今は両手剣を使っているし剣士にしとくか

「ありがとうございますよくわかりました」

その下には力 知力 速さ 技術 運など見覚えのある項目がならんでいた

「これはどう書けば?」

「ステータスについてはこの水晶で調べることができます」

そういって机の下から大きなは水晶をだした

「この水晶に手をかざすとステータスが浮かびますそれを書けば登録は完了です」

なんというかゲーム的だ

水晶に手をかざすと水晶の中に文字が浮かび上がった

筋力 SSS

知力 F

速さ A

技術 C

運 A

おそらくGからSSSまでの10段階でしか見れないのだろうシステムメニューのステータスの劣化だな、知力Fを見るとへこむ

受け付けの方を向くと

「少々お待ちください!」

そういって走って行ってしまった

水晶を観察して待っていると5分ほどで戻ってきた受け付けの人に、ギルドマスターがお会いになるそうですと言われ奥の部屋に通された

こんこん

「お連れしました」

「入れ」

奥の部屋に進むとおそらくギルドマスターであろう長身の男性が高価そうな椅子に座っていた

「俺はギルドマスターを務めるグランと言う、あんたがメイだな座ってくれ」

偉そうな態度だがその仕草が妙に似合っていてつい従ってしまった

「今回呼んだ理由についてだが…このステータス本当か?」

「本当とは?」

水晶に映るのを偽装できるのだろうか?

「水晶を偽装だなんて聞いたことがない、それに出来てもする意味がないすぐにわかるしな」

できないみたいだ

「わかっているがこれが偽装じゃないならお前は何だ」

意味がわからない

「何をいっているのかわからないのですが?」

「俺はA以上の冒険者全員を把握している、それでもこんなステータスは見たことがない」

やはり俺のステータスは異常なようだ

少し話すか

自分のことを全て隠したままでは警戒は解けないだろうな

「私は気が付いたら森の中にいました、自分にも私がなんなのかわからないんですよ」

少し自嘲気味に答えた

「本当に突然現れたそれしかいいようがないな、あんたの容姿にステータスだ今まで噂すらないなんてありえない」

そういって記入した書類を見る

「本来ステータスは剣士なら知恵を拔いた魔法使いなら力を拔いた、その平均を冒険者ランクとするんだ」

てことは私はAかな?

「大抵のやつはG有望なやつでFが基本だ、そこからギルドランクを上げるには依頼をうけギルドの評価を上げることになる、要するにAの冒険者でもステータス平均はCってとこだ」

結局何が言いたいんだ?

「あんたは強すぎるしかしいきなりAにするといろいろ面倒が起こるんだよ」

なるほど

「だから来月の武闘大会にでて、実績を残してくれ出場のための推薦は俺が書く」

「わかりました、しかしそれまで登録は出来ないのでしょうか?持っていた金貨が使えないと聞き恥ずかしながら稼がないとお金が無いのです」

「金貨が使えない?どういうことだ?」

「はい、これなのですが」

手に金貨をだし渡すと今まで以上に驚いた顔をした

「神聖金貨だと…確かにこれはつかえないな」

軽く見て断言したが偽物かは疑わない

「偽物の可能性は考えないのですか?」

「無理なんだよ、まずこれは金貨といってはいるが金じゃない圧倒的に硬い未知の鉱石だ、それにこの精密な細工だ、できる奴がいたらスカウトしたいぐらいさ」

「なるほど、しかし私には今使えないのなら意味がありませんお金は使わないとお腹が膨れないのですよ」

「わかった少し待っていろ」

そういって席を立ち、袋をもって戻って来た

「金貨100枚だ」

「よろしいのですか?」

「ああ、価値は変わらんしこっちの事情で登録を遅らせるんだ気にするな」

袋を手に取りしまう振りをしてアイテムポーチに入れた

盗まれたくないしね

「推薦状は明日にでもとりに来てくれ、その時細かいことの説明もする」

わかりました、ではまた明日と言い部屋をでた

そろそろマリーと約束した時間だ予想外なこともあったけど金貨も手に入れたし概ね順調かな

少し気持ちを急くようにギルドを出た


−−−−−−−−−−−


圧倒的なステータスの少女に神聖金貨全く嫌な予感がしやがる

そう小さくグランはつぶやいた

それに気が付いたら森の中いたと言うことそれが真実だと 真実の瞳 を装備しているグランにはわかっていた

「あいつ一人で国を落とせるぞ」

それが冗談では無いとわかるのはおそらく現在自分だけだろう

彼女の機嫌を損ねないためにまずは推薦状を仕上げるかと部屋をでていった

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