じゅうごわめ
失敗したな
ルージュの手を引き迷宮を歩きながら小さくつぶやく
帰り道のこと完全に忘れてたよ…
それにルージュだったから良かったもののもしドラゴンと言う存在が那由多の果てとは違う物だったとしたら不意を付かれた可能性もある
那由多の果てでのドラゴンの設定は基本的には高潔な精神をもち愛情深く、一度気に入ったものには絶対の信頼を置くとある
「来てまだたったの2日だと言うのにもう私はもう油断しているのか
全く私という奴は、これを適応力があると言うべきか、それとも楽観的というべきか」
1人自嘲しているとルージュが不思議そうに、こてんと首を傾げこっちを見ていた
「メイおねーちゃんどうしたの?」
「なんでもないよ」
ルージュの手触りのいい頭を撫でると気持ち良さそうにんーと喉を鳴らした
ふふ、楽観的といわれようが結果良ければ全てよしだ!
この気持ちが母性本能ってやつなのかなっ…
ちょっとまて【ぼせいほんのう?】
私は男だ!
…ん、【私】?
おかしいいつからだ、いつから俺は私だった
気付いた瞬間に体が強張り、体から体温が抜けた気がした
今まで自然だったのだ一人称が変わった事など気にも出来なかったのだ
精神が体を動かすのか、体が精神を作るのか
おそらくは後者なのだろう
ただ一重に恐ろしかった
これでは対策を寝ることなど出来るはずがない
「メイおねーちゃん大丈夫?顔色わるいよ?」
それを悟ったルージュが今度は心配そうな顔でこっちをみる
「大丈夫ですよ、そうだここから出口までまだまだありますし肩車で行きましょうか!」
心配はさせたくないので顔を見られないように少し強引に肩に乗せた
するとルージュは嬉しそうにあたりを見回す
「あはは、たっかーい!」
「ふふ、少しスピードを上げますよ、きちんと捕まっててね」
そう言い走り出す
問題の先送りかな、いや楽観的でいいのだろう、どうせ答えなどでないのだから