じゅうにわめ
ギルドに入り受付に推薦状を受け取りに来たと伝えると奥の部屋に通された
「ほら、受け取れ推薦状だ」
「ありがとうございます、1つ聞きたいことがあるのですがいいですか」
「なんだ?」
「闘技大会まで時間がありますし迷宮に行ってみたいのですが冒険者登録が必要だと聞きました、なんとかなりません?」
まだまともな戦闘を私は経験していないのだ。ある程度戦闘をして加減を覚えていないと闘技大会で人死にが起きるかもしれない
まあ威圧でもいいんだけどそれじゃあ観客が可哀そうでしょ
「そうだな…わかった仮の冒険者カードを発行する。
仮だから依頼は受けられないがそれ以外は普通に使える」
「ありがとうございます、けど他に何か使えるんですか?」
「あぁ、まず身分証だな持ってるだけで身分をギルドが保証する
あとは武器防具の購入許可だな、まぁあんたには必要ないか」
確かに防具は必要ないけど出来れば武器は欲しいです
ヴァーミリオンだと闘技大会で鍔迫り合いすらできませんしね…
「いえ後で武器屋にいこうと思います」
「そうか、ならギルドの裏にいい腕の武器屋があるそこにいってみるといい」
「わかりました」
軽くお辞儀をしてギルドをでて裏にあるという武器屋に向かいます
武器屋の中は色々な種類の武器が処狭しと並びまさしく混沌としています…
一見全く区別されていないようにも見えますが一応
鈍器 両手持ちの武器 片手持ちの武器と別けられているようです
私は両手持ちの区画に向かい品定めを始めます
両手剣にバトルアックス、いくつか手に取ってみてもしっくりとこない
そう単純に軽いのです
「お気に召しませんか?」
声をかけられ振り向くとそこには老人が立っていました
「えぇ、そうですねもっと重いのがあればいいんですけど…」
そういうと老人は目を細めすこし観察するように私を見たあと、少しお待ちを、と言い店の奥にはいっていった
どうやら店の人だったようだ
少しするとガラガラとカートを引く音と共に戻ってきた
「これが、店で最も重い武器です」
カートには3本の武器が立てかけてある両手剣に斧、そして大鎌だ
私はその中の大鎌に目を奪われてしまった
何故ならそれは那由多の果てに存在したのだ
「イーブルデスサイズ…
すみませんこの大鎌を少し振ってみてもいいですか?」
「ええ、かまいませんよ隣の庭でお試しください」
庭に出て大鎌を構えると手に適度な重さがかかる
何度か降っていると老人が藁人形を持ってきた試し切りにつかっていいようだ
藁人形を上から少しずつ削る様に大鎌を振るうその度に藁が舞う
その切れ味は確実に店にあった他の武器とは一線を画している
最後に藁人形を真っ二つにして老人の元による
「ありがとうございました、この鎌を買わせてもらいますいくらでしょうか?」
老人は少し嬉しそうに声をだした
「金貨40枚になります…っ」
老人は最後に何か言い掛けたがその言葉を飲み込んだ
私は、そのまま大鎌をアイテムボックスにしまい金貨をだし会計を済まし店をでた
最後老人が嬉しそうにしたのは自分の最高傑作が腕のある人に買ってもらえたためです。