じゅうわめ
疲れていたはずなのに夜中に目を覚ましてしまった。
時間で言えば4時くらいであろうか
「まったくこの体はいろいろと規格外すぎるな」
気配と言えばいいのだろうか、そのような物を感じる
実際狙われる理由はある。容姿に装備それにマリーに薦められた宿は悪くは無いが相応だ、高級な宿の警備と比べたら安心性は圧倒的に劣る
さてどうするべきか
倒すのは問題ない、しかし圧倒的に格下だ那由多の果てなら武器を装備せず最弱の攻撃をしたとしてもオーバーキルだ
そこで極力ダメージを与えずに無力化する方法を考える
あぁ最適なのがあるじゃあないか
パッシブスキル威圧
効果は
プレイヤーよりレベルの低い敵のステータスを下げる
プレイヤーよりレベルの低い敵からの先制攻撃を防ぐ
このステータスを下げるという効果だがステータス差が広がるほど効果が大きくなるのだ
那由多の果てでは威圧を常に発動させていたが、それが切れていたパッシブは全てオフになっているのだろう
威圧は補正後のステータスで計算されるスキルなので他のパッシブスキルを全てオンにする
これで素のステータスの約2倍以上の数値になる(ステータス上は99だが隠しパラメータとして上昇する)
あぁ来るなら早く来い私の眠りを邪魔した罪は大きいぞ
…あぁやっと来たか
慣れているのだろう耳を澄ませなければ聞こえない程度のピッキングをする音がする
私はドアの死角に立ちながらその時を待つ
鍵が開き静かに男二人が入ってきた
ある程度部屋の仲間で進んだのを見計らい少し音を立ててドアを閉める
男は驚きこちらをむき腰に掛けたナイフに手をかける
遅い、威圧発動
その瞬間男二人の時間が止まった
「女性の部屋に忍び込んでいったい何をするつもりだったのでしょうね?」
ガチガチと音を立て動けない男達の周りをゆっくり周りながら口を開いた
「このまま付き出してもいいのだけど、それじゃあ私の睡眠が邪魔されて損しかないでしょう?
だから私の実験に付き合ってくださいな」
私は強いこいつ等が単独犯だろうが裏に何があろうと問題ない程度には強い
だが、力を使いこなせてはいない
この世界ではHPが無くなったら死ぬのだろうか、それとも首の血管を切られただけで出血死してしまうのだろうか、それすらわからないのだ
メイは簡単な魔法しか覚えていないがその中に最下級の回復魔法ライトヒールがある
例えば指が取れた状態でヒールを掛けるとどうなるのか
回復する部位は選べるのかなど調べたいことは沢山ある
私は動けない男二人を担ぎ窓から静かに飛び出し街の外を目指した
MMORPGでは何万下手したら億の敵を倒して経験値などを得ますよねそれを(体は)経験しているため敵には容赦しません