試験に受かればそれまでの苦労やその後の苦労は忘れる
サブタイ長ッ!?
そんなこんなで始まります。
「あ、おかえりお兄ちゃん!!」
「お、帰ったか師匠!!どんな依頼受けたんだ?」
うちに帰ると、2人の少女が出迎えてくれる。そんな1部の者が見たら発狂しそうなラッキー状態にもかかわらず、俺はどんよりとした気持ちを抱えていた。
「はぁ、ただいま・・・。」
思わず声も暗くなる。だって、しょうがないでしょ。これから子供の夢を壊すんだから。
「お兄ちゃんどうしたの?具合でも悪いの・・・?」
心配そうに訊いてくる水面。違う、気持ちは嬉しいが俺は元気だ。
「さては、またランクが高すぎて依頼受けられなかったんだな。元気だせって、俺がまた稼ぐからさ!」
それも違う。って言うか、その言い方はやめてくれ。俺がマダオみてぇじゃねぇかよ。
「いや、依頼は受けられた。けど、その内容がな・・・・・・。」
ホント、何でンな事を俺がしねぇといけねぇんだよ。サンタ協会が勝手に解決すればいいじゃねぇかよ。
「?どんな依頼だったの?」
「早く言ってみろよ師匠、決まりだろ?」
そう、この家にはある決まりがある。それはどんな依頼に行くのかを報告するというものだ。俺とアニキが神殿跡でバカやらかしてから出来た決まりだから、俺は文句言える立場じゃないんだけど、今回だけはこの決まりが本気で鬱陶しい。
「なぁ、どうしても言わねぇとダメか?」
最後の望みをかけて、比較的ルールとかに寛容な琥珀に訊く。だが、
「当たり前だろ!第一、誰がこの決まり作る原因作ったと思ってんだ!!」
現実はいつも残酷だった・・・。琥珀でコレだったら、水面なんて訊くまでもない。
「お兄ちゃん?何で言わないの?ルールだったよね?ふふふふふふふふ・・・・・・。」
黒い笑みを浮かべながら邪眼之杖をこちらに向けてくる。アレ当たったらヤバいだろうねぇ、闇だから。
言いたくはねぇけど、仕方ねぇ・・・・。命捨ててまで黙ってるような事でもねぇしな。
「聖夜神の説得だよ・・・・・。」
2時間程後、雪山にて、
「だ~か~ら!何でお前らまでついてくるんだよ!!!!」
「別にいいでしょ!?みんなランクSは超えてるんだよ!!!」
「それに、サンタクロースに会えるなんてスッゲェ大イベントじゃんか!!師匠にだけ独り占めはさせないぜ!!!!!」
何てこったい・・・。何で危険だって言ったのについて来るかねぇ、もー!!
「お前ら何にも分かってない!!!サンタは優しいお爺ちゃんじゃねぇんだぞ!!!」
「じゃあ何で毎年プレゼントくれるんだよ!!!」
むぅ、説得は困難かぁ?
「それに、全員ランクSを超えてるんだから、多少トラブルがあっても問題無いよ!!」
「だからそんなんじゃ・・・って、え?」
今、コイツ何て言った?「全員」ランクS超えだと・・・!?
俺はHSSだ。確かにSを大きく離れてる。琥珀も一応ランクはSだし。まさか・・・・・・。
「お前・・・・・、ランクアップ試験受かったのか?」
上位になると数年に1人しかパス出来ないって言うあの超難関試験に・・・・、水面が?
「うん!なんか試験官さんも驚いてたけど、証拠もあるよ!ホラ!!」
そう言って水面が見せてきたギルドカードには、名前の横に“S”の文字が・・・・。
それを見た瞬間、俺の中を温かい感情が満たしていくのを感じた。
「すげぇじゃねぇか!!!よかったな水面!!!」
本当に、良かった・・・・・。
「えへへ・・・・、ありがとう!琥珀ちゃん!!」
琥珀に先越されたけどな!!!
「くそっ!琥珀の奴・・・・・。ん?・・・・・ッ!?マズイ!!」
来る!!!
『氷柱刀!!!』
「流剣 花鳥風月!!!」
俺が全ての氷の刃を払った時、その先に立っていたのは・・・・・・。
『地獄で会おうぜ!!!』
「白雪の王」聖夜神その人だった。
「地獄で会おうぜ」と書いて、「メリークリスマス」と読む。
使い古された表現ではあるが・・・・・。




