子供の夢は大切に
さて、長い説明章が終わり、アレの季節となりました。
「おいおい、またかよ・・・・。」
そんな声も漏らしたくなっちまうよ。だって・・・・・、
『特別指名依頼 指名先:獅子王 砕牙』
こんな物が依頼掲示板に貼ってあったらねぇ・・・。
「ご、ゴメンね砕牙?今月になって急に発生した大事件だったから、『以前、ギルドに迷惑をかけた「狂王」または「隻眼の獣王」にやらせるべきだ。』って意見に流されて、つい『でしたら、「隻眼の獣王」を推薦します。』って言っちゃったの・・・。」
とか言って隣で謝ってくるフェレ。お前が犯人かい・・・・・。
「いや、別にいいけどさ、何でアニキを推薦しなかったワケ?」
俺かアニキのどちらかなんだったら、普段色々困らされてるアニキの方にいけばいいのに。俺は何もやってねぇじゃんよ。
「だって、豹牙さんは『王都修繕作戦』に送っちゃったし・・・。」
「・・・・・ゴメンナサイ。」
あれ?何でだろう?謝っちまった。でも、何か謝んねぇとダメな気がしたんだよな~・・・。何故?
「まぁいいや。で、依頼の内容は?」
めんどくさくなかったらいいんだけど・・・・・。
「え~と、サンタクロースの説得。」
「ん?」
何だろう・・・・・。今、すごく変なワードが聞こえてきたような・・・・。
「スマン。ちょっと見せてくれ。」
そう言って用紙を受け取ると、そこに書いてあったのは、
『サンタクロース説得依頼』:ランク特別
近年、クリスマス前にダダをこねだすサンタが多くなっており、我々も危惧しておったのですが、先日、ついに我々の区域担当のサンタが「こんなめんどくさい仕事やってられるか!!!」と言ってどこかへ逃亡するという事態が起こってしまいました。このままでは、プレゼントを待っている子供達の夢を根本からへし折る結果に繋がりかねません。どうか、冒険者様のお力であの阿呆を説得してくだされ!!!
世界サンタ協会
「アホくさ!!」
何だよこれ!!!なにが悲しくてこの俺がサンタの!あんなひげ面オヤジの説得しなきゃいけねぇんだよ!!!
「ね?いいでしょ、砕牙。おじいさんの愚痴聞くだけだから楽よ?」
分かってねぇ、分かってねぇよこの女!この依頼がどんだけ危険なのかを!!
「あのなぁ、簡単に言うけど、爺ってのは気が短いのが多いから怒らすと大変なんだよ。」
「そのくらい良いでしょ?そこをこら「それに!」え?」
不思議そうな顔をしてる辺り、やっぱり知らなかったか。まぁ、そうだよな。普通どの親も教えねぇもんな。こんな残酷な現実。
「サンタって、HSSモンスターだぞ?」
「へ・・・・・・?」
固まってる・・・。コイツよくこれで受付嬢の仕事出来てたな。
「聖夜神。1年に1度、気まぐれでおもちゃを配るが、それ以外は雪山で人を襲って食べてる。12月以外でコイツを見かけたら、その国のギルドは即刻、緊急収集をかけて潰そうとする。そんくらいの化け物なんだよ。」
「あ・・・・・・・、あぁ・・・・・・・。」
あ~あ~、言葉に出来ないくらいショック受けてるよコレ。まぁ、子供の頃からの理想図を潰されたら誰でもそうなるよな。
「てな訳だ。今回はもう頼まれちまったから受けるが、次回からは遠慮してくれ?」
「あ、あはははははははははははははははははははははははははははははははははははははは・・・・・。」
駄目だ。おかしくなっちまった。サンタクロース信仰者のアホみたいに多いこの街の住人にはキツかったかな?
「ま、いいや。すいませ~ん!誰かこの子医務室まで連れてってあげてくださ~い!!」
そう叫んだら、複数のオッサンが担いで行ってくれた。フェレは人気者だな。
「さて、俺も行くかな。」
まさに、聖夜競争ってな!!
砕牙って、中二病?




