異常な筋肉
多分少し読みづらいかも知れませんが、ちょっと三人称の練習がしたかっただけです。ご了承ください。
刀と手刀がぶつかり合い、金属音が響く。衝撃で、周囲の建物が崩壊する。こんな戦いがすでに30分続いていた。
「相変わらず、手刀で刀と張り合えるなんて人間離れしてるなぁアニキ!」
「お前が人のこと言えんのかよ!俺の怪力にぶつかって吹っ飛ばねぇ奴はお前くらいだぜ!!!?」
戦っているのは2人の男。1人は着流しを身にまとい、もう1人は旧日本軍の将校の軍服に身を包んだその2人は、二大人間兵器獅子王 砕牙と神風 豹牙だ。街を半壊させる程の死闘をしている2人の顔は笑顔。とてもさっきまで言い合いをしていたとは思えない楽しそうな笑顔だ。
「随分と楽しそうだなアニキよぉ!」
「当たり前だ!久々に全力で殺り合えるんだぜ?そりゃあ、タノシイダロウガオイ!!!」
瞬間、彼の目が変わった。色は濁り、ドロンとし、光だけは異常に鋭く。神風 豹牙が「狂人」と呼ばれる所以、「狂人モード」だ。
「お!本気になるのか!?なら、"獣眼"開眼!!」
刹那、砕牙の抉れた左目が開き、どす黒い眼が現れる。「全てを見通す」と謡われる"獣眼"だ。
それぞれが体制を変化させた瞬間、周囲の空気が変わった。まるで「今までは遊びだ」とでも言うかの様に・・・。
「サァ、うぉーみんぐあっぷハシュウリョウダ。」
「あぁ・・・、覚悟はいいか?」
2人の殺気にあてられた鳥が絶命して落ちてくる。常人では意識を保つことすら不可能な程の殺気が第1居住区に満ちていく。
「ヒャハァーーー!!!流星 粉砕脚!!!!」
「食らえ!突剣 仙石通し!!!」
豹牙の蹴りと、砕牙の突きがぶつかる。その威力は互角、当然相殺される・・・と思いきや。
メキッ・・・!ドシュ・・・。
砕牙の刀が豹牙の脚を切り落とした。
「・・・ホゥ、ソノ眼の能力か。」
彼の目から狂気が消えた。
「あぁ、"獣眼"を使えば狂気の薄いところが分かるからな。そこなら『魔王の心臓』で斬れる。」
それを確認したからか、砕牙も"獣眼"を解く。
「で、どうすんだ?その脚じゃ戦えねぇし、その出血量じゃ下手したら死ぬぞ。」
片足を失い、傷口からの出血も止まる気配などない状態の豹牙。戦うどころか歩くことすら不可能かもしれない。
だが、豹牙は悔しがるどころか楽しそうに、
「何を馬鹿な。お楽しみはこれからだろ?」
そして自分の切り落とされた脚を持って、
グシャ・・・!!
「なッ!?」
傷口に押し付けた。
「俺には痛覚が無い。だから切れてもこうやって接合出来るのさ。」
「何を・・・!そんなので接合しても動く訳がねぇ。」
明らかに砕牙の方が正論だ。だが、それでも笑みを濃くする豹牙。砕牙が呆気に取られたその時、
「流星 粉砕脚!!」
「ッ!?ゴハッ!?」
バギャッ!ズゴッ!ガァァーーーン!!!
脚を撫でていた豹牙が瞬間で砕牙に蹴りを放ち、油断していた砕牙は建物を倒壊させながら吹き飛んでいった。
「見たか!?俺の筋肉は実験により異常に強化されている!!治癒能力もだ!!!」
そう言って脚を見せる豹牙。その傷は完治こそしていないにしろ繋がっており、とても切り落とされた脚には見えなくなっていた。
「成る程ね・・・。つまりは頸でもはねない限り殺せないってことか。」
瓦礫から立ち上がって呟く砕牙。建物に潰されて死なないあたり、コイツも相当化け物だ。そんな姿を見て、豹牙はニンマリと笑い、言葉を紡ぐ。
「そう言うこ「風剣 黒縄大鎌!!」うわっ!?」
豹牙が大きく身を捩った直後、巨大な捻れ鎌鼬が通り、回避が遅れた右腕をミンチにした。
「チッ、避けなけりゃ頸をミンチに出来たのによ。」
「おまっ!いきなり攻撃はねぇだろうが!!しかも魔法剣って!!!」
そう言って腕をグシャグシャ修復する豹牙。何故かコメディに見える。
「戦闘に卑怯もクソもあるかよ。アニキが油断してる時が狙い目だからな、隙をつけるように無唱和で"獣眼"を開眼出来るように特訓したのさ。」
そう言って笑う砕牙。その笑みは今この時を楽しんでいるような明るいもの。
対する豹牙も、やはり楽しそうな笑顔を浮かべ構える。
「上等。そんくらい強くねぇと楽しくねぇしな。・・・久しぶりに『切り札』を使えるしな!!!」
次回は豹牙視点。




