破滅の序章
怪物2人のガチバトル。スタートです。
「あ?俺に手紙?」
「うん。誰からかは分からないけど、『獅子王 砕牙殿』って封筒に書いてあるよ。」
そんな事を水面が俺に言ってきたのは冬も間近のある朝、俺が剣術の鍛錬をしていた時だった。
「誰だ?俺に手紙を送るような友人なんていねぇし・・・(アイツらは用事は直で言いに来るからな)。その封筒に何か変わったところとか無いか?」
送り先によってどうしても封筒や葉書なんかに特徴が出ちまうのはよくある話だ。封筒から何か分からねぇかねぇ。
「えっと、封をしてあるところに狼の紋章があるよ。」
「何!?」
狼の紋章が入った封筒で送られてくる手紙、それは・・・
「ダークウルフェン王国の勅命書じゃねぇか・・・・・・。」
リカオン城。ダークウルフェン王国の国王が住む城であり、この国の政治の最高決定機関である。その中にいるのは皆王族か貴族ばかり、平民がくれば肩身の狭い思いをするだけである。
だが、この男にはそんなモノ関係ないようだった。
「で、俺に何の用な訳?国王様よぉ。」
そう、獅子王 砕牙である。国王の王座の前にいる彼は、国王に跪くこともせずタメ口で話しかけていた。
「貴様!!このお方をなんだと心得る!!!貴様も住みしこの国の偉大なる父、国王・ダークウルフェン12世であるぞ!!!不敬である!!!!」
あまりの態度に傍の大臣が怒鳴る。当然だろう、1国民が国王にタメ口で話しかけるなどあり得ない話なのだから。
「ハァ?知るかンなこと。俺はコイツの息子じゃねぇし、第一呼び出したのは国王で、俺は態々来てやったんだからこの態度でも普通だろ。」
しかし、やはりと言うべきか砕牙が態度を改める様子は無い。臣下が額に青筋を浮かべ始めた時、物静かな、それでも威厳のある声が聞こえてきた。
「まぁそう怒るな。この男の言う事も尤もだ。私は全国民の父と言えるほど偉くはないし、態々来てくれたのは彼の方なんだから。」
そう声を発したのは国王。王座に座る彼は砕牙を見下ろし、こう言葉を繋いだ。
「頼みたいことがあるのだがね、『隻眼の獣王』。」
国王の口から語られた話はさして珍しい物でもなく、ただたんに反乱軍を殲滅してほしいという物だった。って言うかなぁ・・・、
「そんな話だったら態々勅命書なんざ送ってこなくてもギルドの指名依頼で足りるだろ。俺にも仕事があるんだ。つまんねぇ事で呼び出すんじゃねぇよ。」
国王の周りの大臣共が青筋を浮かべてるけど、どーってことない。そんなんより知り合いの女達の方が怖いからな。
「確かにその通りだ。私はギルドに関してはあまり詳しくなくてね、許してほしい。」
それに対してこの国王は立派だな。俺みたいな無礼者にも一切態度を変えることなく接してきやがる。
「しかたねぇよ。王国とギルドは仲悪いもんな。」
そう言った瞬間、みんな一斉に苦虫を噛み潰したような顔になった。そんな顔になるんなら仲良くすればいいのに。
「ま、まぁギルドと我々との問題はさておき、やってくれるか?『隻眼の獣王』。」
置くなよ。
「大体、何で俺なんかに?騎士団が討伐すればいいだろ。」
「うむ。確かに普通はそうなのだがな、何やら鬼神の様に強い男がいて手におえないらしいのだ。」
「ふ~ん・・・。」
鬼神の様に強い男か、嫌な予感がするな・・・。
「分かった。引き受ける。報酬は前払いで頼むぜ。」
予感が外れればいいがね・・・。
鬼神の様に強い男とは誰でしょうね。




