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隻眼の獣王  作者: yasao
頑張れミンクちゃん
74/148

大好き

お、終われた・・・。自分に万歳三唱。

「で、俺に何の用?俺は今、全世界へ呪詛を放ってたところだったんだが。」

何だか豹にぃが暗い・・・。やっぱりお料理せずに食べてたから体壊したのかな?

「何度も謝ってはいるのですが・・・・。」

「いい加減機嫌直せよアニキ。」

他の人達は呆れてるけど、私は心配だな。

「・・・・・あのね豹にぃ。私、豹にぃの為にお料理作ったの。良かったら食べてほしいな。」

「あぁ?まぁ、作ってくれたんなら食うけど、何作ったの?」

その声にちょっと怖くなったけど、私は鍋を開けた。







「ちょ、ちょっと待って砕牙!あなた何を入れてるの!?」

フェレねぇが慌てて砕にぃを止めてる。だって、

「何って、蜂蜜だけど?」

辛いお料理じゃなかったの・・・?

「ちょっと待てや。その手に持ってんのは何やねん?」

あの(・・)吹雪ねぇでさえ呆れてる。さすがにソレは・・・。

「え?チョコレートだけど?」

甘くしたいの?

「と言うより、何故あなたが厨房にいるのですか?」

そういえば、砕にぃはお料理出来ないハズじゃなかったっけ?

「あぁ、俺カレーだけは作れるから。」

カレーって一体・・・。

「ほい。出来たから食えよ。」

そう言って砕にぃがテーブルに置いた物。それはご飯に茶色いドロドロした「何か」をかけた物。見た目が汚い・・・。

「食べねぇの?見た目は汚ねぇかもしれねぇけど美味いぞ。」

そう言って「カレー」を口に入れる砕にぃ。

「・・・・・じゃあ、いただきます。」

作った人が食べてるんだから危なくはない、と思う。

「・・・・・美味しい・・・!?」

凄い・・・!確かに辛いのに唐辛子みたいな辛さじゃなくて心地いい。あんなに甘い物入れたのに感じる甘みも少しだけだ。

他のみんなも美味しかったみたい。一心不乱にスプーンを動かしてる。

「なぁ師匠。また今度これ作ってくれよ。」

完食した後に砕にぃにそう頼む琥珀ねぇ。羨ましい・・・。

「・・・・・私も「お前は今から作り方教える。」はい。」

そっか。私はこのお料理の作り方を完璧に覚えなきゃ。豹にぃの為に。

「思ったのですが、辛いのが好きな方にはこのほのかな甘みも邪魔になるのでは?」

さすがアイねぇだ。キッチリと作る相手のことを考えてる。

「あぁそうだな。だったらチョコや蜂蜜の代わりにバナナやコーヒーを入れるさ。後は・・・」

こんな感じで、砕にぃの作ったレシピを使って私は「カレー」を作っていった。







 「なるほど。ここにあるのがそのカレーな訳か。」

そう言って豹にぃが見つめているのは、ご飯にかかった黒いもの。砕にぃが「大丈夫。」って言ってたから出したけど、コーヒー入れすぎちゃったかな?豹にぃ怒ったらどうしよう・・・。

「いただきます。」

「・・・・・え!?」

豹にぃはそう言っていきなり食べ始めた。その間ずっと豹にぃは無言だった。

「ごちそうさま。」

食べ終わった豹にぃはこっちを向いた。そして、

「うまかったよ。」

そう言って笑ってくれた。その瞬間、豹にぃの顔が滲んで見えなくなった。なんで?もっと豹にぃの顔見たいのに、お話したいのに・・・、嬉しくて涙が止まらない・・・・・。

泣きやまない私の頭を、豹にぃは優しく撫でてくれた。初めて会ったあの時のように・・・。

「ありがとうな、俺の為なんかにメシ作ってくれて。また今度一緒に料理しような。」

「・・・・・うん。・・・・・うん・・・・・。」

私は頷きながら豹にぃに抱き着いた。

「・・・・・豹にぃ、大好き。」

ずっと一緒にいてね。






 数日後、豹牙の家。

「・・・・・何食べてるの?」

「ん?人参と鰹。」

ミンクちゃんの苦労は続きそうです。



次回は読み飛ばし可。

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