大好き
お、終われた・・・。自分に万歳三唱。
「で、俺に何の用?俺は今、全世界へ呪詛を放ってたところだったんだが。」
何だか豹にぃが暗い・・・。やっぱりお料理せずに食べてたから体壊したのかな?
「何度も謝ってはいるのですが・・・・。」
「いい加減機嫌直せよアニキ。」
他の人達は呆れてるけど、私は心配だな。
「・・・・・あのね豹にぃ。私、豹にぃの為にお料理作ったの。良かったら食べてほしいな。」
「あぁ?まぁ、作ってくれたんなら食うけど、何作ったの?」
その声にちょっと怖くなったけど、私は鍋を開けた。
「ちょ、ちょっと待って砕牙!あなた何を入れてるの!?」
フェレねぇが慌てて砕にぃを止めてる。だって、
「何って、蜂蜜だけど?」
辛いお料理じゃなかったの・・・?
「ちょっと待てや。その手に持ってんのは何やねん?」
あの吹雪ねぇでさえ呆れてる。さすがにソレは・・・。
「え?チョコレートだけど?」
甘くしたいの?
「と言うより、何故あなたが厨房にいるのですか?」
そういえば、砕にぃはお料理出来ないハズじゃなかったっけ?
「あぁ、俺カレーだけは作れるから。」
カレーって一体・・・。
「ほい。出来たから食えよ。」
そう言って砕にぃがテーブルに置いた物。それはご飯に茶色いドロドロした「何か」をかけた物。見た目が汚い・・・。
「食べねぇの?見た目は汚ねぇかもしれねぇけど美味いぞ。」
そう言って「カレー」を口に入れる砕にぃ。
「・・・・・じゃあ、いただきます。」
作った人が食べてるんだから危なくはない、と思う。
「・・・・・美味しい・・・!?」
凄い・・・!確かに辛いのに唐辛子みたいな辛さじゃなくて心地いい。あんなに甘い物入れたのに感じる甘みも少しだけだ。
他のみんなも美味しかったみたい。一心不乱にスプーンを動かしてる。
「なぁ師匠。また今度これ作ってくれよ。」
完食した後に砕にぃにそう頼む琥珀ねぇ。羨ましい・・・。
「・・・・・私も「お前は今から作り方教える。」はい。」
そっか。私はこのお料理の作り方を完璧に覚えなきゃ。豹にぃの為に。
「思ったのですが、辛いのが好きな方にはこのほのかな甘みも邪魔になるのでは?」
さすがアイねぇだ。キッチリと作る相手のことを考えてる。
「あぁそうだな。だったらチョコや蜂蜜の代わりにバナナやコーヒーを入れるさ。後は・・・」
こんな感じで、砕にぃの作ったレシピを使って私は「カレー」を作っていった。
「なるほど。ここにあるのがそのカレーな訳か。」
そう言って豹にぃが見つめているのは、ご飯にかかった黒いもの。砕にぃが「大丈夫。」って言ってたから出したけど、コーヒー入れすぎちゃったかな?豹にぃ怒ったらどうしよう・・・。
「いただきます。」
「・・・・・え!?」
豹にぃはそう言っていきなり食べ始めた。その間ずっと豹にぃは無言だった。
「ごちそうさま。」
食べ終わった豹にぃはこっちを向いた。そして、
「うまかったよ。」
そう言って笑ってくれた。その瞬間、豹にぃの顔が滲んで見えなくなった。なんで?もっと豹にぃの顔見たいのに、お話したいのに・・・、嬉しくて涙が止まらない・・・・・。
泣きやまない私の頭を、豹にぃは優しく撫でてくれた。初めて会ったあの時のように・・・。
「ありがとうな、俺の為なんかにメシ作ってくれて。また今度一緒に料理しような。」
「・・・・・うん。・・・・・うん・・・・・。」
私は頷きながら豹にぃに抱き着いた。
「・・・・・豹にぃ、大好き。」
ずっと一緒にいてね。
数日後、豹牙の家。
「・・・・・何食べてるの?」
「ん?人参と鰹。」
ミンクちゃんの苦労は続きそうです。
次回は読み飛ばし可。




