仕事と趣味を両立させてる奴は人生幸せ
タイトルが料理と関係ないし・・・。
「で、何で俺ん家?」
「・・・・・他に思いつかなかった。」
まず最初に来たのは砕にぃの家。知ってる人の中で1番長く豹にぃと一緒にいたらしいから、豹にぃのこと1番よく知ってそう。
「ところで、その『砕にぃ』っての止めてくれね?アニキと違って俺そんなんで悦ばねぇよ。」
「・・・・・別に誰かに喜んでもらおうと思って呼んでるんじゃない。豹にぃの弟だから砕にぃ。」
「う~ん、『よろこぶ』の文字が違うような気がするけど・・・、まぁいいや。じゃあそれで呼んでもいいよ。」
この人も豹にぃと一緒であんまり物事を深く考えない人だ。やっぱり兄弟だからよく似てる。
私がそんな事を考えてたら上からまた誰か降りてきた。
「お兄ちゃん。ちゃんと仕事してる?」
「師匠ー。そろそろ金がヤバいからサボったらだめだぜ~。」
砕にぃの家に一緒に住んでる水面ねぇと琥珀ねぇだ。いっつも会うと豹にぃのことバカにしてくるのはちょっとイヤだけど、優しいお姉さんだ。
「あ、ミンクちゃん来てたんだ。」
「よう!元気にしてるか?」
「・・・・・こんにちは。ところで、仕事って何?砕にぃのお仕事は冒険者じゃないの?」
砕にぃはすっごく強い冒険者だって豹にぃが自慢してたのも聞いたことあるし、実際に戦った時も強かった。私の御柱が破られそうになった程だもん。HSSのモンスターの魔法を破りかけるような人は中々いない。それがお仕事じゃないのかな?
「うるっせぇな。アッチ見ろよ。もう頼まれた分は全部書いたぞ。」
そう言って砕にぃが指差した所に目を向けたら、
『三千世界の鴉を殺し、主と朝寝がしてみたい』
『主が死んでも寺にはやらぬ、焼いて粉にして酒で呑む』
なんだかよく分からない言葉が書いてあった。
「・・・・・あれが、お仕事?」
「そうだぜ。家の前に書いてあっただろ?『書の店‘王砕’』、それが家でやってる仕事の名前だよ。」
あれが、お仕事なんだ。お絵かきしてるみたいにしか見えないのに、あんなのでお金を貰えるなんて大人って以外と簡単そう。
「で、家に何しに来たんだよ?」
あ、忘れてた。豹にぃにご飯作ってあげる為にお料理を教えてもらうんだった。
「・・・・・あの、お料理教えて?」
そう言うと琥珀ねぇはキョトンとした顔になった後、
「あっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
思いっきり笑った。さすがにちょっと酷いと思う。
「・・・・・む~、笑わないで。」
「あぁ、悪い悪い。それって豹牙の為だろ?」
「・・・・・うん。」
そうだけど、何で分かったんだろう?私が不思議に思ってると、今度は水面ねぇが声をかけてきた。
「そりゃあ分かるよ。ふ~ん、好きな人の為にお料理勉強したいんだ。偉いね~。」
そう言って微笑みながら頭を撫ででくれた。気持ちいい・・・。
「でも、家に料理作れる奴いねぇだろ?」
砕にぃがそう言った瞬間、この部屋が一気に暗くなった、気がした。
「あ、あははは・・・、そう言えばそうだったね・・・。」
「師匠も俺も水面も料理出来ねぇもんな・・・。」
「そうだな、いっつも外で食ってるし。」
どうやら、ここはダメだったみたい。私が出て行こうとしたら、
「あ、そうだ。ギルドに行ってみな。料理の得意な奴が1人働いてるよ。」
砕にぃがそう教えてくれた。
「・・・・・ありがとう。でも、どんな人か分からないから、一緒に来てくれる?」
「んぁ?いいよ。」
こうして、砕にぃを仲間にした私の花嫁修業は続く。
ちなみにミンクちゃんは7歳児くらいです。
豹牙の娘で通用するな・・・。




