獅子王と少女 後編
さて、どうしたもんかねぇ・・・・・。
今俺は家にいるんだけど、目の前にねぇ、いるんデスヨ、先ほどの少女が。面倒臭いことこの上ない。
「で、何でいんの?」
「言ったじゃないですかっ!私を貰ってくださいって!」
いや言ってたけどさ、こんな少女のアレ貰ったら犯罪でしょ~。
「どう言う意味で?」
「いや、行く所がないから家に置いてもらおうかなって。」
あ~そーゆー意味ねぇ。
「よかった。」
「?」
いやマジでよかった(ホッ)、てっきりR18的な意味での「貰って」かと思った(汗)。
「お願いします!何でもします!ご飯もお風呂の用意も洗濯も夜のお世話も!」
「いや、そこまで気を張らなくていいから。て言うか夜のお世話はヤメテ。」
そんなんさせたらポリスメンがカミングスーンでしょうが! まぁそこまで困ってんならいいか。
「いいよ、で、名前なんて言うの?」
「・・・・・・・。」
あれ?急に黙っちまった。
「名前はありません。」
「え?でも親が名前くらい・・・・」
「親もいないんです。物心がついた時にはもう1人で、奴隷館の人も『お前は人じゃねえんだから名前なんざいらねぇ』って。」
・・・・・あっそう。・・・・・フーン。・・・・・フザケヤガッテ!
誰にだって名前は必要だし、それは一生の宝物だろうが!それをいらねぇだと?!冗談じゃねえ!!!
「?どこ行くんですか?」
「・・・・ちょっと散歩して来る。帰ったらいいものやろうな。」
「え?」
さ~て、殺るか!
数十人分の血の池と腕と脚のオブジェを作った後、家に戻ったらあの子は同じ場所で待っていた。
「それで、何をくれるんですか?」
「ん? 君の名前。」
「えっ!?」
「゛獅子王 水面"、親じゃなくて俺なんかで悪いけど、貰ってくれないかな。 俺は君を家族として迎えたいんだ。」
「・・・・・・・。」
ど、どうだろうか?え?!なんか泣いちゃったよ!!
「ゴ、ゴメン。嫌ならいいんだ。」
「・・ヒック、違うんです。その、嬉しくて・・・。」
そうか・・・。よかった。
「じゃあこれからよろしくな。」
「はい!お兄さんっ!」
「オ、オニイ!?」
「だって家族なんでしょ?だったら砕牙さんがお兄さんですっ!」
拝啓 親父殿
どうやら大変な妹ができたようです・・・。
獅子王に家族ができました。