覗きは男のロマン
少なくとも私はそう思います。
今、俺の目の前に天国のトビラが聳え立っている。すぐ側に立てば甘い香りが騒ぎ声と共に俺の鼻と耳に届く。あぁ、手を伸ばせばその天国をこの目に納められるのだ。
「何をやってたんだお前?」
後ろから豹牙の呆れた声が聞こえるが無視だ。それよりこの天国への侵入方法を探らなくては、どうやって入ったものか。
「おーい。聞こえてるかーい?」
うるさい野郎だ。やはり無視に限る。本当にどこかにスキマは無いのか。八○紫に相談するか。
「ウェーイト!!何やってたんだ!?そっちに近づくな!あの世に連れてかれるYO!」
「うっせぇ!たとえどっちに連れて逝かれようとも俺はHEVEN に行く!」
「キミは中にいる連中の戦闘力を知らんのか?スカウタ○をぶっ壊すほどの戦闘力だぞ!」
「知るか!そんなん俺らもそうだろうが!」
「冗談と真実を一緒にすんなって!」
そうやって騒いでたのがまずかったんだろう。窓が空いて、
「火炎射撃!」
「「ヒギャァーーー!?」」
火炎弾が降ってきました。
「バカなこと考えてないで着替えなさい!」
フェレだ。畜生め、何が「着替えなさい」だ。こちとらもう着替えたんだよ。お前らが遅くて暇だから覗きしようとしてんのに、そこんとこ分かってんのかね。
「なぁ砕牙。あれ見ただろ?あんなのに捕まって生きる自信あるか?やめとけ。」
アニキまですっかり腑抜けになっちまって、もういい、俺1人でやる。
「へ!見ときなアニキ。俺はこのトビラを開けずに覗いてみせるぜ。」
無理無理とか言ってるアニキはほっといて、いくぜ!
「‘獣眼’開眼!」
フハハハ!見える!見えるぜ!!魔力を通して奴らの動きや姿、声までもが!!!
「えぇ~~~~~~~!!!!それぇ~~~~~!!!!!!?」
うっせぇなぁ。バレたらどーすんだ。
さーて、中の様子は・・・・。
砕牙がまさかの‘眼’を使って覗いている時、乙女達は、
「わ~!吹雪さんの胸大きい!」
「フハハハ!どうや!これが勝ち組のおっぱいや!」
「わ、私だって押して上げれば!」
「へ!胸なんてしょせん脂肪の塊!羨ましくもねぇぜ!!」
すんごい女の子した会話をしていました。
おや?アイさんは遠くで見てるだけですね、興味無いんでしょうか?
「・・・・・・・・。」
さわさわペタペタさわさわペタペタさわさわペタペタ・・・・へにょん。
・・・興味あったみたいですね。自分のつるぺったんを触って猫耳へにょんとさせてます。
「にしても、砕牙って気楽そうに見えて意外と大変やったんやな。」
いえ、お気楽者ですよアイツは。
「そうだね。一緒に住んでて気づかないなんて・・・。」
水面さん?気にしなくていいんですよー?アイツがバレないように振る舞ってただけなんですよ?
「でも、師匠は時々遠くを見てたよな。今思えばそれが微妙なサインだったのかも。」
深読み中にすみませんが、それ晩飯のオカズ考えてただけですよ?
「『隻眼の獣王』などと呼ばれていますが、彼は王などではなく、誰かが側にいないと壊れてしまう子供のような存在です。」
子供っぽいのは認めますが・・・。
「私達がついててあげないとね。」
いやはや、こんなにも沢山の乙女達から想ってもらえるとは、砕牙は幸福者ですね。その幸せ者は今・・・・
「カ、カハッ!?」
魔力の使いすぎと出血多量により気絶していましたとさ。
砕牙はマジで幸福者。




