秘密
最短のタイトル再び。
「まず、いきなり信じられないかもしれないけど、俺はこの世界の人間じゃない。」
3人の息を飲む音が聞こえるが、予想はしていた。気にはしない。
「11年前、俺が10歳の時にもといた世界から連れてこられて、無理矢理に人権無視もいいとこの実験の実験体にさせらたんだ。」
軽く言ってるけど、実際はもっと深刻だ。俺はこの通り片目を潰されてるし、アニキは副作用こそ大したことはないけれど、その異常な筋力のせいで周りから化け物扱い。琥珀に至っては記憶を失っている。
「ちょっと待ってよ。そんな酷い実験をされたなら警備団に通報すれば守ってもらえたんじゃない?」
「ところが無理なんだよフェレちゃん。」
そう、アニキの言う通りだ。警備団への通報は不可能、なぜなら・・・。
「当時、いや今でもかな?国の警備大臣とその研究会社のトップが密通しててね、通報しても捕まって研究所に逆戻りだった。それで戻ったら前より酷い実験が待ってる。」
「そんな・・・・。」
フェレの気持ちも分かるが、今はそんな話をしても意味はない。
「話を戻そう。それで、左目を潰された俺はアニキの助けを借りて研究所を脱出。でも、それで全てから解放されたわけではなかった。
数少ない実験成功例である俺たちを会社が逃がすハズもなく、奴らは大量の追手を送ってきて、それでも戻って来ない俺らに、今度は暗殺者を送ってきたんだ。体の傷痕のほとんどはその時に付けられた物。俺が本当に安心して生活できるようになったのは去年からで、それまではそれこそ夜もまともに眠れない状態だったんだ。」
本当なら言いたくなかった。それを知った人が暗殺者にビビって離れて行くのが怖かったから・・・。
「でも、もう大丈夫なんやろ?もう追手が来おへんにゃったら普通の生活ができるんやろ?」
吹雪の言葉が突き刺さる。違うんだ。むしろ本当に話すことは、蔑まれても仕方ないことは、これからなんだ・・・・。
「そうじゃないんだ。確かにもう殺されることはないけど、逃亡生活中に人を殺しすぎた俺の精神は定期的に人を殺さないと発狂しちまう。だから奴隷館があり、強姦魔も多いこの街に来たんだ。ここなら強姦魔を殺していれば街の英雄になれるからな。」
そう、俺は誰かと友達付き合いできるような人間じゃない。むしろ蔑まれ、罵られ、日陰で生きていかねばならない屑・・・。
自虐的な笑みを浮かべて俺は続ける。
「分かったか?これが俺なんだ。今まで言わなかったのは、せっかく手に入れた繋がりを失いたくなかったから・・・、でも、もういい。この話をする時点で街を離れる覚悟はできてた・・・。明日にはここを出て行く。楽しかった。・・・じゃあな。」
そう言って去ろうとした時、
「ちょっと待ちなさいよ。」
フェレが声をかけてきた。
次回くらいでシリアス終わりたいです。頑張ります。




