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隻眼の獣王  作者: yasao
10月恒例のアレ
43/148

他力本願はいい迷惑

最近文字数が増えてきたので、これからは2000字以内にまとめられるようにします。

「ハイ?南瓜灯籠(ジャック・オ・ランタン)の討伐?何でそんなクエストが俺に・・・?」

俺がそんな妙な依頼書を指名で受け取ったのは、10月末のこと。わざわざ報酬額を高くして指名にしてるあたりだいぶ重要なんだろうけど。

「でも、南瓜灯篭ジャック・オ・ランタンなんてランクBの雑魚モンスターだろ?なんで俺の指名依頼なんかに?」

「おぉ、今年のハズレ君は砕牙か。」

「ハイ!?」

後ろを振り返ると吹雪が俺のクエスト用紙を覗きこんでいた。

「な、なんだお前かよ。・・・ビックリした・・・。」

「ヒヒヒ、天下の『隻眼の獣王』様がこんなんで驚いててええんか?」

コイツ、ネチネチと・・・。人をからかうなってんだ。

「うるせぇよ。それよりどういうことだ?今年のハズレ君が俺って?」

「なんや、知らんのかいな。ほな教えたるわ。ええか?アンタに指名が行ってたそのクエストは南瓜灯篭ジャック・オ・ランタンの討伐やろ?」

「そうだ。だから変なんだよ。たかがランクBの奴が俺への指名依頼になってるんだからな。」

普通、ランクBのモンスターは上位になったばかりの冒険者の特訓兼腕試しとしてクエストにされる。だから俺の指名依頼になったりしたらそれだけ新人さんの成長が進まないってことだ。そのへんはギルドの方がよく分かっているはずなのに、何故?

「まぁ、普通はそうなんやけどな、南瓜灯篭ジャック・オ・ランタンだけは特別で何故かこの時期に異常発生しおるんよ。だから新人君にそんなん任せられへん、でも熟練になったらそんな面倒くさいクエスト行きおらへん。かと言って危険なモンスターを放置なんてできるわけないから、毎年街にいるランクS以上の腕を持つ誰かにギルドが報酬上乗せして指名依頼扱いにし、無理矢理受けさせんねん。で、今回白羽の矢が刺さったのがアンタやったっていうわけや。」

なるほど、確かに新人君に異常発生したモンスターなんて任せられない。ギルドの判断は正しい。でもねぇ、なんで俺なのかねぇ・・・。今日受付入った時に受付嬢|(フェレではなかった。)の顔が輝いてたわけだよ。あの時帰ってればよかった・・・。

「まぁ、受けちまった物はしょうがねぇな。で、何体?」

「せやなぁ・・・、去年の報告やと・・・100体以上やったかな。」

「ハァ!?」

ひゃ、100体以上!?無茶苦茶だ!いくらなんでもそんな数1人で倒せるわけないじゃん!俺に、俺に死ねと言うのか!!

「なぁ、手伝ってくれね?」

こうなりゃヤケだ!ダメ元で仲間を集めてやる!

「う~ん、行ってあげたいんやけど、急ぎの武器作成の依頼が来てるから抜けられへんわ。ゴメンな。」

敢え無く玉砕。仕事忙しいならこんなとこ居るなよ!じゃあ他に誰か・・・アイは、駄目だ家知らねぇ。じゃあアニキは、一緒に行きたくねぇ、晩飯がまずくなる。水面は、今日は琥珀と遊びに出てるしなぁ。呼び戻すのも可哀そうだ。

「1人で逝くしかねぇのか・・・。」

俺がそう呟いた時、

「大丈夫よ!」

救いの神が舞い降りた。・・・と思ったら冒険者装備のフェレでした。

「そのクエスト、一緒に行くわ!」

「いやお前行くって、難易度分かってる?異常発生した南瓜灯篭ジャック・オ・ランタンですよ?」

「だからこそよ!アイツ等は近距離から中距離までしか攻撃できないんだから、私が遠距離から狙撃すればすぐに倒せるわよ。」

おぉなるほど!その手があったか!ククク、これで奴らは一網打尽だぜ。

「じゃあフェレ、よろしく頼む。」

「任せて!どっかの無駄乳女よりずっと役に立って見せるわ!」

と、次の瞬間。

「ウチも行く!」

冒険者装備に身を包んだ吹雪さんがいました。

「ってあれ?お前仕事は?」

「あぁ、偶然通りかかった豹牙はんに押し付けて来た!それよりはよクエスト行こ!」

・・・アニキ、気の毒にな。あとフェレはなんでそんなに睨んでんだろ?ま、いっか。

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