あの頃 ~豹牙~
今回は豹牙視点。少し長いです。
「じゃあ、私もう寝るから。お休み、お兄ちゃんと豹牙さん。」
「あぁ、お休み水面。」
「ゆっくり休むんだよ~。」
・・・よし、行ったか。
「しかし、本当に久しぶりだな、砕牙よ。」
「あぁ、元気だったか、豹牙。」
俺の名前は神風 豹牙。「狂人」の二つ名を持つそこそこ名の知れた冒険者だ。
「しかし、驚いたぞ。いきなり『仲の悪いフリをしろ。』とは、何で急に?」
「ほとんど社交性のない俺が仲良くしてたらアイツはすぐに不審がる。昔のことを聞かれないためさ。」
「そうか・・・。誰にも話してないんだな。『あの話』を・・・。」
俺たちにはある秘密がある。それは・・・
「もう、11年か・・・。お前が『この』世界に飛ばされて来てから・・・・。」
「クソッ!研究所の職員共め!」
何人の子供を道具みてぇに扱うつもりだよ!おまけにそのほとんどが「実験に使えねぇ」とか言って殺すか、俺みたいに兵器にしやがる!人をなんだと思ってんだ!
・・・・そう言えば、今日また新しい子供を他所の世界から連れてくるらしいな。どんな子だろ、可哀想に・・・。
「ウギャーーーーーーーー!!!!!」
「な、何だ!?」
突然聞こえてきた悲鳴は、実験室からだった。
「あの研究者共!子供に何しとんじゃ!」
そう叫びながら実験室に入った俺が見たのは・・・。
「なんじゃこりゃぁ・・・・。」
悲鳴をあげてのたうちまわる10歳ぐらいの子供と、それを押さえつける研究者共の姿。それを見た時、
プッツン・・・。
俺の中で切れてはいけないものが切れた気がした。
「オイ・・・・。」
「ん?おぉ!神風か!ちょうどいい!ちょっと手伝ってくれ!」
「エエ、イイデスヨ・・・・。」
「そうか!なら早『グシャッ』・・・く?」
ドサッ・・・。
「神風!貴様どういうつもりだ!?」
「ドウイウッテ、テツダッテルンデスヨ。アナタタチノソウシキヲネ!」
「なっ!貴様気でも狂ったか!?」
「ソレハアナタタチノホウデショウ?コンナチイサナ、ツミナキコドモヲキズツケテ、イキルカチナドアリマセンネ。シニナサイ・・・。」
「ふ、ふざけるなぁー!衛兵!奴を殺せ!」
「クククククク、ハハハハハハハハハ!ヒャーハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!ケハハハハハハハハハハハハハハハハハ!シニサラセ!!!」
「ふぅ、何をしてたんだ俺は?」
気づいたら血だまりの中だし、このままだと組織に殺されるな・・・、早く逃げねぇと、そうだ忘れてた。
「おーい!」
「?」
あの子にも声掛けとこう。
「目の傷の血は止まったか?」
「う、うん。」
「じゃあ、一緒に逃げよう!ここにいたら殺されるし、行くあてもないだろ?」
「い、いいの?」
「当たり前だ!でも、その代わり俺のことを『兄さん』と呼べ!」
「うん!僕、獅子王 砕牙!よろしくね兄さん!」
やったぁ~~~!弟欲しかったんだよなぁ俺。
「おう!俺は神風 豹牙、よろしくな!」
「それから2年、もうお前1人でも大丈夫だと判断し、別れたが、どうだった?」
「8年間追われたよ。追手が来なくなった去年からここに住み始めたんだ。」
「そうか・・・、強くなったんだな、いつか手合わせしたい。」
「それは嫌だ!」
「そうか・・・。じゃあ最後に1つだけ聞きたいことがある。」
「?」
「元の世界に帰りたいか?」
「いんや別に、こっちの方が友達多くて楽しいし、妹もできたしな!」
「そうか・・・。(一部の者はその関係で満足してなさそうだがな。)」
「?」
「いや、なんでもない。そういえば、俺が分かれる時にやった花どうした?」
「勿忘草のこと?枯れちまったけど。」
枯れた!?
「?どうした兄者?」
「いや、なんでもない。今日はもう帰る。」
「あぁ、またな!」
「あぁ。」
バタン
「もう少し大切に育てて欲しかったな・・・・。」
勿忘草の花言葉=私を忘れないで。
豹牙ブラコン乙(笑)。




