実力見せるには実戦が1番
遅くなってすみません。
沼地、と呼ばれるステージがある。
その名前だけ聞くと、嫌なイメージしか出てこなさそうだが、全く不快な場所じゃない。水が豊かで、緑も豊富な生命の宝庫。どっちかと言えば熱帯雨林に近い感じだ。中央にしか沼ないし。
「だから、そんなに暗いオーラ出すな風魔。」
何でこの女こんなに暗いんだよ、ついて来たの自分じゃん。
「あのなぁ、お前さん本気で言ってるのかい?ココが不快な場所じゃないって・・・。」
あ?まだ言ってんのかコイツ。今回のステージ聞いた途端に暗くなって、それからココに着くまでの3日間ずっとこの調子だもんなぁ、いい加減ウザい。
「お前、まだ言ってんの?こんな自然豊かで過ごしやすい場所がどう不快なんだよ?」
最近の若い奴は外に出たがらないって言われてるけど本当だな。もっと自然を肌で感じねぇと強い騎士も冒険者も育たんぜ、全く・・・。
「オイ、お前さんホントに物を知らねぇなぁ・・・。いいか?アタシらが過ごしやすいって事は、他の生き物にも過ごしやすいって事になる。分かるか?」
何でいきなり説教?って言うか、そのくらい俺も分かるし。
「分かるよ。つまり、モンスターに遭遇しやすいってんだろ?しかも、かなりの大物に。」
「それが分かってるなら・・・・・・ん?あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!?」
何だよウルセェ・・・。アレ?ここってこんなに暗かったっけ?
「グルルルルルルルル・・・・・・・。」
後ろを振り返ると、ソコには普通の10倍程のサイズの鰐がいた。コイツは確か・・・・・。
「バ、闘龍鰐!!!?奥地にしか生息しないんじゃないのかい!!!!!!?」
ビビり過ぎて半泣きの風魔が説明してくれたよ・・・。
現れたのは、ランクSの中でもトップクラスに強く、ほぼゴーレムと変わらない強さを誇る闘龍鰐だった。風魔の言う通り、奥地で暮らすハズのモンスターなのに何故こんな入り口付近に・・・?
「おっと、どうやら来たのはコイツだけじゃないみたいだな。」
「えぇ!!?他にもいるってのか!!!?」
風魔の叫びに答えるように現れたのは人型のカメレオンのような顔をした生命体。ランクAモンスターの迷彩者だ。鰐程ではないが、それでも入り口付近にまで来るモンスターじゃない。
「おかしい・・・。どっちもゴーレムに怯える程の雑魚じゃないってのに・・・。」
「何を呑気に考え事してんだい!早くコイツら片づけないと!!」
おぉ、初めて風魔がマトモな事言った・・・。確かに、コイツらを先に潰さねぇと邪魔だしな。
「おい、お前ランクはいくつだ?」
「ん?Sだけど、それがどうした?」
やっぱりSはあったか。
「じゃあ、お前あのカメレオン野郎を任せた。Sだったら倒せるだろ?」
「あぁ、余裕だね、って、ハァ!!!?」
いちいち五月蠅いな、今度は何だ?
「お前さん、本気で言ってるのかい!!?あの闘龍鰐を1人でとか、無理に決まってるだろう!!?」
はぁ?全く、何を根拠にそんな世迷言を・・・。
「まぁ、黙ってろ。お前は見に来たんだろ?俺の強さを・・・。」
「え・・・?」
唖然としてる風魔はほっといて、さっさと潰すか。
「来いよ。お前の顎で噛み砕いてみな!」
「ゴアァァァァァァァ!!!!!!!!!」
獣はやりやすいね。ちょっとの挑発にすぐ乗って暴れるから。今も、俺に突進して来た。大分速いな・・・。
「でも、直線なんて避けれない方が変だ。」
上に跳んで突進を避ける。んでそのまま・・・・。
「潰れな!陥没 流星脚!!!」
メキッ・・・・、ズガァァァァァァァァァ・・・・・・ン!!!
「ギョオォォォォォォォ!!!?」
首を正確に狙い、全体重をかけた俺の蹴りは、奴の首の骨を正確に砕いて地面に沈めた。
「おぉ・・・。一撃かい・・・・。」
そう言って呆気にとられてる風魔の背後には、黒焦げで絶命する迷彩者が・・・。
「うん。お前に驚かれたくない。」
「だから、アタシがアイツを倒せたのは、ランクが違うからだって言ってるじゃないか!お前さんが同じ理由だったとして、ランクはどうなってるんだい!!?」
「あーあーうるせぇうるせぇ。」
こんなやり取りを続けつつ着いたのは、沼地の中央部。巨大な沼がある場所だ。
「さて、ココで待ってたら来るだろ。」
「そんなに呑気でいいのかい?」
「いいからいいから。」
それより、問題はモンスターの出現状況だ。
入り口付近にあそこまで強いモンスターが居たにも関わらず、中央付近には逆に雑魚すらいなかった。自然界なら、強い獣に慄いて逃げたと考えられるけど、ゴーレムにビビるような奴の方が中央は少ない。
「一体、何が・・・・・。」
刹那、沼地の泥が急に盛り上がり始めた。
「ん?ゴーレムは重いから沼や池などには入れないはずじゃあ・・・・まさか!!?」
そして、俺の最悪の予想は当たった。
「な、何だいアレは!!!?」
風魔の反応も最もだ。普通ならこの依頼に出ないはずのモンスターが目の前にいる。
「チィ・・・。ギルドめ、また調査ミスだな・・・?勘弁してくれ。」
そう呟いてから戦闘態勢に入る。約束したからな、風魔に俺の強さ見せるって。
「さぁ、来いよ。『沼地の王』泥土神!!!」
さて、HSSのネタが尽きてきた・・・。




