無意識が1番怖い
今回、恋愛以外のフラグが建ちます。
「おかしいな~。ここら辺に飛ばしたハズなのにな~。」
今、私は吹き飛ばした聖夜赤鼻をお兄ちゃんに頼まれて探してる。ホントはあのお爺さんを潰したかったけど、実力差が凄そうだったからしょうがないよね。お兄ちゃんに任せたら潰してくれるだろうし。
「あ、いた。」
木立の間で休憩してる。そんなことしなくても永遠に休憩させてあげるのに、バカだな~。
「よーし、激流!!」
杖から出た水が、トナカイに向かって飛んでいく。これで頭が貫けて終わり、楽だったな~。
でも、その考えは一瞬で裏切られた。
『火焔。』
そう唱えた瞬間、水が燃え上がって蒸発して消えちゃった。
「え?何で・・・?」
『クククク、驚いているな小娘。我は聖夜神の僕ぞ。この程度は造作もないことよ。』
ふ~ん。それはすごいけど・・・。
「何で炎属性?」
サンタさんの部下だったら氷か、せめて水じゃあ・・・。
『そッ!それはホラ、部下として聖夜神の弱点を補ってだな・・・!!』
何か急に慌てだしちゃったトナカイさん。何か可哀想な事しちゃったかな?
「ま、いいや。どうせ敵だし。死んじゃうんだから。」
そう言った時、トナカイの目が少し鋭くなった。
『ほう、貴様はこの我をそこいらの雑兵と同じに扱っているようだな・・・。愚か也!!我はランクSで最もSSに近いと謳われる聖夜赤鼻!!貴様のような小娘ごときが勝てると思うな!!焦熱地獄!!!』
ごわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・!!!
トナカイを中心に段々炎が広がっていく。確かに地獄みたいだし、揺らめく炎が踊り子みたいだ。奴隷館で、貴族相手に踊っていたあの子達に・・・。
「本当に・・・、どこまでも怒らせてくれるね・・・・。」
『何?』
私の中にいつまでも消えないあの記憶。誰かと一緒にいないと怖くなって眠れなくなるあの悪夢。
「あんな地獄を・・・。」
2度と・・・、2度と・・・。
『何だ?小娘の魔力量が上がって・・・・・。』
もう、2度と・・・・、
「2度と見せるなぁぁ!!覇崩水龍!!!!!」
その後の光景は凄かった。今でもこんな魔法が使えたことが不思議で仕方がない。
あの時、私の杖から出た水龍は、全ての炎を呑み込み、辺り一面を一瞬で洗い流していった。
『な、馬鹿な・・・!「その」呪文は・・・!!』
何を驚いてるのか知らないけど、隙だらけだ。
「退魔 絶!」
『な!?』
あ、避けちゃった。避けなかったらアレで苦しみが終わってたのに、ホントにバカ♪
『まさか、2属性持ちだったとはな・・・。驚いた、しかも「あの」呪文までも扱うとなると最早・・・。貴様は一体何者だ?』
アレ?2属性持ちって珍しいのかな?お兄ちゃんなんて5属性全部使えるのに。
「何者って、そんなの決まってるよ。私は私、獅子王 水面だよ。」
『よく分かった。どうやらまだ自覚は無いようだな。ならば、この危険因子は排除あるのみ!!熱線!!!!』
うわ!トナカイの口から凄い密度の熱線が。アレ当たったら死んじゃうんだろうな。
ピチュゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥン・・・・・・!!
『はぁ・・・はぁ・・・。危なかった。まさか、これほどの力を有する者がいるとは・・・。だが、もう安心だ。これで排除はおわっ「何を排除したの?」何!!?』
馬鹿な!!あの熱線を避けたのか?あれだけの至近距離で、あの熱量。普通は脱出なんて不可能だ。
「えへへ~。驚いたでしょ?」
そんな筈は・・・、あの小娘がいた所に目を向けると、そこには・・・・。
『成程、そういう訳か・・・。』
溶けかけた氷の人形があった。
「氷雪人形。いいでしょ?私のオリジナル魔法なんだから。」
『まさか、偽物にすり替わっていたとはな。いつからだ?』
不思議だ。こんなにも不利な状況にいながらここまで冷静でいれるとは・・・。
「う~んと・・・、熱線を発射する前。あなたがお話してた時かな。」
それを聞いた時、我は理解した。
冷静なのではない、諦めているのだ。圧倒的な力量差を感じているのだ。
『ここまでくれば、我に出来ることは1つしかない・・・。』
あの方に、この事態をご報告せねば・・・。
「あれ?抵抗しないの?じゃあ、さよなら。」
最後に見た物、それは我に迫る水の刃だった・・・・・。
「ふぅ、終わった。大変だった~!!!」
あのトナカイ、最後に何か呟いてたような気がするけど・・・、何だったのかな?
「ま、いっか。それより、お兄ちゃん褒めてくれるかな~♪」
『聖夜神ノ僕ヨリ絶対神サマヘ、古ハ蘇リケリ・・・。』
さて、どこで回収しよう・・・。




