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毒りんご

作者: 登本
掲載日:2026/10/18

 「毒りんご?」

 「はあ?なんだってぇ~?」


朝方、りんごの袋詰め放題へ行ってきた。青リンゴだ。500円で15個も詰めた。ルンルンで帰ってきたのだ。


 早速りんごは、皮をむいて、子どもが一口。シャリ、と食べたところで、冒頭の会話だ。

 私も?味見だ。シャリ、モグモグ。

 甘味のなかに。酸味と…後を引く苦味?と、さらに渋み?このリンゴには味の全てが完璧に入っていた。甘味は良い。酸味も良い。苦味や渋みは困る。一言で言うなら不味いのだ。後を引く渋みのせいで口が、少しイガイガするのだ。


「これは?生じゃ食べれんね?」

ハァとため息。サッキまでの得した気分もルンルンもどっかへ消えた。

「生じゃ無いなら?どうするの?」

「煮るのよ?シロップ煮で食べたら、美味しいはず。作るね。」

 うん。うん。一人で、あまーいシロップ煮、を想像するのだ。

 鍋でコトコト煮るのだ。出来たら粗熱をとって冷蔵庫で保存だ。パンに乗せて朝食へ、トースターで焼いて食べてよし。シロップは紅茶へ混ぜてアップルティーで飲んでよし。はたまた、炭酸水へいれてもよし。モチロンそのままでも?美味しいのだ。私のお勧めはアップルティーだ。行ったことはないけど、イギリス気分が味わえるのだ。

ハアー。ス、テ、キ。

 私のお腹はもう準備ができてるのだ。

まぁ、でも?明日することにした。今日は詰め放題で体力、気力が尽きたのだ。


次の日

リンゴをコトコト煮るのだ。

鼻からリンゴのあまーい香りが、胃まで到達した。う~ん!いい匂い。美味しい匂いだ。

キッチンから、お隣近所まで香りが漂っているはずだ。あー、お裾分けしようかな?と考えていた。

「ただいまー」

の声が聞こえた。

帰ってきた?

ドシドシ?バタバタ?たくさんの足音が聞こえるのだ。

「みんなさぁ、毒りんご食べたいって言ってるから、友達連れてきた。」

むっ!

毒りんご?違うよ?まあ、良いや。

「りんごは、シロップ煮にしました。」

「おばさんは、魔女ですか?」

なんでや?

コソコソ声が聞こえた。

白雪姫の魔女は毒りんごをコトコト煮ていた。の声が聞こえた。

魔女?婆さん、ぢゃない!

おまえの母さんだぞ!そもそも、毒りんご違う!

「たべたーい」

コールが聞こえた。

はい、はい、そんな予感がしたのだ。(笑)

子どもに小皿に少し入れて食べさせた。

「あっ、まー!おいしー!」

の声が上がる。そうだろー?できたて、作りたてだ。美味しいのだ。ハハハ、母の腕前みたか!

食べたら?アッと目の前から消えるのだ。直ぐ忘れて、遊びに熱中するのだ。

リンゴが美味しくて、よかった。

頑張って詰め放題へいってよかった。充実感に溢れていた。




夜、ママ友からの連絡があり、ビックリした。

子どもが家へ帰ってきたら、毒りんごが美味しいから作って欲しいとリクエストがあったこと...毒りんご?!聞き間違いだと思うけど?詳しく教えて欲しい事。

はい?

ママ友にシロップ煮の話しをした。しっかりキッパリ?毒などではないのだ。詰め放題のシンプルなリンゴだ。

余程、美味しかったのだ。



さらに次の日、

「魔女の子どもは?何て言うか?しってる?」

「知らない。」

なんだ?なんだ?何を思い付いたんだ?子どもをジロジロ見るのだ。

「友達に聞かれたんだよ!」

「ふーん。見習いでしょ?アッ!魔女っ子だよ!」

昔そんなアニメあった気がする。私が喋り終わると同時にパタパタと、別の部屋へ消えた。


その日の夜、魔女を否定しなかった事を思い出した。

今、私は魔女のままなのか?疑問が残るのだ。

まさか、子どもには恐ろしくて聞けないわ…


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