毒りんご
「毒りんご?」
「はあ?なんだってぇ~?」
朝方、りんごの袋詰め放題へ行ってきた。青リンゴだ。500円で15個も詰めた。ルンルンで帰ってきたのだ。
早速りんごは、皮をむいて、子どもが一口。シャリ、と食べたところで、冒頭の会話だ。
私も?味見だ。シャリ、モグモグ。
甘味のなかに。酸味と…後を引く苦味?と、さらに渋み?このリンゴには味の全てが完璧に入っていた。甘味は良い。酸味も良い。苦味や渋みは困る。一言で言うなら不味いのだ。後を引く渋みのせいで口が、少しイガイガするのだ。
「これは?生じゃ食べれんね?」
ハァとため息。サッキまでの得した気分もルンルンもどっかへ消えた。
「生じゃ無いなら?どうするの?」
「煮るのよ?シロップ煮で食べたら、美味しいはず。作るね。」
うん。うん。一人で、あまーいシロップ煮、を想像するのだ。
鍋でコトコト煮るのだ。出来たら粗熱をとって冷蔵庫で保存だ。パンに乗せて朝食へ、トースターで焼いて食べてよし。シロップは紅茶へ混ぜてアップルティーで飲んでよし。はたまた、炭酸水へいれてもよし。モチロンそのままでも?美味しいのだ。私のお勧めはアップルティーだ。行ったことはないけど、イギリス気分が味わえるのだ。
ハアー。ス、テ、キ。
私のお腹はもう準備ができてるのだ。
まぁ、でも?明日することにした。今日は詰め放題で体力、気力が尽きたのだ。
次の日
リンゴをコトコト煮るのだ。
鼻からリンゴのあまーい香りが、胃まで到達した。う~ん!いい匂い。美味しい匂いだ。
キッチンから、お隣近所まで香りが漂っているはずだ。あー、お裾分けしようかな?と考えていた。
「ただいまー」
の声が聞こえた。
帰ってきた?
ドシドシ?バタバタ?たくさんの足音が聞こえるのだ。
「みんなさぁ、毒りんご食べたいって言ってるから、友達連れてきた。」
むっ!
毒りんご?違うよ?まあ、良いや。
「りんごは、シロップ煮にしました。」
「おばさんは、魔女ですか?」
なんでや?
コソコソ声が聞こえた。
白雪姫の魔女は毒りんごをコトコト煮ていた。の声が聞こえた。
魔女?婆さん、ぢゃない!
おまえの母さんだぞ!そもそも、毒りんご違う!
「たべたーい」
コールが聞こえた。
はい、はい、そんな予感がしたのだ。(笑)
子どもに小皿に少し入れて食べさせた。
「あっ、まー!おいしー!」
の声が上がる。そうだろー?できたて、作りたてだ。美味しいのだ。ハハハ、母の腕前みたか!
食べたら?アッと目の前から消えるのだ。直ぐ忘れて、遊びに熱中するのだ。
リンゴが美味しくて、よかった。
頑張って詰め放題へいってよかった。充実感に溢れていた。
夜、ママ友からの連絡があり、ビックリした。
子どもが家へ帰ってきたら、毒りんごが美味しいから作って欲しいとリクエストがあったこと...毒りんご?!聞き間違いだと思うけど?詳しく教えて欲しい事。
はい?
ママ友にシロップ煮の話しをした。しっかりキッパリ?毒などではないのだ。詰め放題のシンプルなリンゴだ。
余程、美味しかったのだ。
さらに次の日、
「魔女の子どもは?何て言うか?しってる?」
「知らない。」
なんだ?なんだ?何を思い付いたんだ?子どもをジロジロ見るのだ。
「友達に聞かれたんだよ!」
「ふーん。見習いでしょ?アッ!魔女っ子だよ!」
昔そんなアニメあった気がする。私が喋り終わると同時にパタパタと、別の部屋へ消えた。
その日の夜、魔女を否定しなかった事を思い出した。
今、私は魔女のままなのか?疑問が残るのだ。
まさか、子どもには恐ろしくて聞けないわ…




