第1話 「出会い」
言えないままで、そばにいて。
第1話 「出会い」
ユウジ……オレの名は長谷川ユウジ。27歳さ。
ひょんなことで今は築地で働いてる。夜はラーメン屋で働く二刀流さ。
……苦労人なんだ☆
昼の築地ーー
ガヤガヤガヤガヤ……
ユウジ「らっしゃい! やすいよー! らっしゃいらっしゃい!」
ユウジ「おばあちゃん見ていってー! うちのハマグリでっかいよー!」
おばあちゃん「あらホントね」
ユウジ「でしょ!」
今は築地の魚屋でバイトの時間さ。
今日もいっぱい魚と魚介類その他もろもろ売るぜ売るぜぇ!!
おばあちゃん「これいくら?」
ユウジ「おばあちゃん美人だから3つの所1個オマケして4個で千円にしちゃう! だからどう?」
おばあちゃん「じゃあそれを5セットもらおうかな」
ユウジ「え! ハマグリばっかじゃん!」
ユウジ「お家でハマグリパーティーだねっ」
おばあちゃん「パーティーしちゃうわー」
ユウジおばあちゃん「いえーい☆」
ハイタッチ!
バチンッ!! トコトコ……
ユウジ「……おばあちゃん叩く速度がバグってる…」
ユウジ「すごく…いたいよ…」
ユウジ「ふーーっ ふーーーーーっ」
ユウジ「1個オマケしてやったのに…くー…」
……トコトコ ちらちら
ユウジ「…らっしゃい」
「あの…」
ユウジ「はあ…はい?」
「つぶ貝…ありますか?」
ユウジ「えーありますよー…いてて」
オレは振り返ったさ。
魚や貝やその他もろもろが置いてあるこの狭い場所で、できるだけ大きくさ。
そしたらなんと目の前にはキューティクルなレイディちゃんが――
レイディ「…あのつぶ貝あります?」
ユウジ「……え?…あっ…はい! はい!ありますよ!」
ユウジ「うちのつぶ貝は綺麗でこんなにツルツルしてて好き!です…」
レイディ「そうなんですね」
レイディ「じゃあ2kgください!」
ユウジ「…はい……オマケして3000円です…」
(……なんだよー……2㎏なんて家族の量じゃん人妻かよぉ……
……運命の人かと思ったのに…なっ)
レイディ「え!うれしい!今晩一人でつぶ貝パーティーできるーやったぁ」
ユウジ「もう1個要ります?」
レイディ「はい♡」
ユウジ「どうぞ」
ユウジ「あっざましたぁー!」
トコトコ…… くるっ
レイディ「ふふっおもしろい人」
(……でもなんか トゥンクトゥンクしちゃったかーも♡
……なんちゃってw)
ユウジ「……遠くで見ても可愛いなあー」
ユウジ「くー生きてて良かったぜぇ!!」
……ダッダッダッダッ。
男「ユウジ…ちょっと顔貸せ…」
ユウジ「ん?…」
築地の裏路地ーー
バシッ!
ユウジ「…ってぇ なにすんだっ」
バシッ!
ドコッ!
ユウジ「おい!ハマダなんなんだよおおお」
ユウジ「うわあああんん」
ハマダ「…お前が安売りするせいでな みんなが安くしないと食ってけないんだっ!」
ハマダ「フナキさん知ってるだろ?」
ユウジ「…ああ」
(痛え…マジ痛え…)
ハマダ「今年奥さんが倒れてな入院費が必要なんだ」
ハマダ「それなのに安売りばっかで儲けにならねえ…」
ハマダ「去年より全然なんだぜ!」
…………。
ハマダ「わかったらもう今度から安く売んなよ……」
ハマダ「オレはもう去るぜ……」
……これ歯折れてないよね?
いってえー警察に行こうかな……
……傷害案件じゃん……萎えるわー……。
「あの……大……丈夫ですか?」
(……ひーいてええ! ここも切れてるし……。)
レイディ「大丈夫?」
ユウジ「あっ!」
ユウジ「えっ!……いやあ……オレ 今……つぶ貝よりボコボコだから……」
レイディ「ここ……血でてる……」
すりすり。
(痛ってえええ!!)
ユウジ「いてて……そんな……ハンカチ汚れるからいーよ」
レイディ「良いの良いの気にしないで」
(気にして気にして)
レイディ「私ミホ……24歳独身、この近くで薬剤師やってるんだ」
(……の割に傷口押さえすぎじゃね?)
ミホ「アナタの名前は?」
ユウジ「ユウジ。オレの名前は長谷川ユウジ。27歳さ。苦労人なんだ☆」
ミホ「これでもう大丈夫!」
ミホ「じゃあね!ユウジくん」
ミホちゃんオレ……苦労人なんだ☆
ガッ……グイーーン。 ピロピロピロ……。
……トコトコ
ミホ「やっぱ……来ちゃった?」
ユウジ「…うん」
(まあ……ここが一番ちかいからね……。)
ミホ「絆創膏で良い?あと消毒薬とー包帯もかな?」
ミホ「あと歯はウチでは治せない」
ユウジ「……サンキュ」
ミホ「あ!絆創膏貼ってあげよっか?」
ユウジ「いい!いい!自分でやれっから!」
ミホ「遠慮すんなよっ」
(してません。)
ミホ「ねえ今夜……よかったらウチで一緒につぶ貝食べない?」
ユウジ「え?行きます 行きたいです!」
ミホ「あはっw 可愛いねユウジくん」
ユウジ「ミホちゃんも……キューティクルだぜ☆」
ミホ「ん?」
ユウジ「あ!でもそうだった!」
ユウジ「ちくしょう!」
ミホ「?」
ユウジ「オレ……苦労人だから今日ラーメン屋のバイトあったんだよっ」
ユウジ「くー」
ミホ「えー休もうよー」
ミホ「今日くらいさー初めて記念じゃーん」
ユウジ「無理。」
ユウジ「バイト休んだら社会的にダメな人でしょ?」
ユウジ「だから殴られてもかわいいレイディちゃんに誘われても行かなきゃ!」
ユウジ「それがさオレのレガシイーなんだ☆」
…………。
ミホ「……ポリシーなのかな……」
ミホ「でもまあムズい事言ってくるじゃん……」
でもユウジのマジメな部分知れてよかったよ。
……ますます好きになっちゃった。
ユウジ「ミホちゃん……」
ユウジ「ミホちゃん!」
ミホ「!」
ユウジ「さっきからレジ人いっぱいだよ……早く行きなね」
ミホ「ご……ごめん」
タッタッタッタッ……
ミホ「いらっしゃませー」
ユウジ「うん☆良いことしたっ!」
ガヤガヤ… サーー……
ユウジ「ミホちゃん……レジおわったね?」
ミホ「うん」
ユウジ「良いかい?僕たちは会社やお店から賃金をもらってるんだ」
ユウジ「ここは遊び場じゃないよ?」
ユウジ「ミホちゃんががんばってお仕事をするから代わりに賃金が支払われるんだ」
ユウジ「オレもねさっきあれだけ殴られたけどちゃんと職場に戻ったよ?痛かったけどねクソ!」
ユウジ「戻ったときもね自分が悪いわけじゃないのにさ謝ったんだ」
ユウジ「わかるかい?」
ユウジ「ミホちゃんがごめんを言うべきなのはオレじゃない苦労人のオレじゃないんだ」
ユウジ「そうだね!お客様とお店の人だね?」
ミホ「……わかるよ……わかる……でもひどいよ!」
ミホ「うええええんん(泣)」
タッタッタッタッ……。
ミホが走っていく。
ユウジ「……また仕事ほったらかしてなんもわかっとらんやん……」
ユウジ「あ!バイトいかないとだ!」
ユウジ「15分前にはお店に着かないと!」
ダッダッダッダッ!
ナレーター「泣いた彼女を追いかけない。それがユウジ……長谷川ユウジ。」
ナレーター「次回初デート。」
第一話を読んでいただき、誠にありがとうございます。
彼、ユウジ君を少しでも好きになっていただけたなら幸いです。
この作品は【俺とルナと山。】という、私達の作品に出てくるドラマです。
作中では月9で流れています。俺とルナと山。ではルナや456号達が毎週楽しみに観ています。
私は不器用な人間なので、設定だけではイメージが出来なくて作品として書きました。
書いてよかったです。ユウジ君が大好きになりました。
言えそばもちゃんと書きますので、皆様も楽しみに待っていてください。 ひろ。




