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モブ冒険者、ドラゴンに愛を叫ぶ

作者: 氷室玲司
掲載日:2025/08/30

はじめまして。

しがないノクターン住人、氷室玲司と申します。

この作品は長編プロトタイプなのですが、ノクターンよりなろう向きではないかと考えて、震えながらなろう初挑戦致します。

では、ご覧くださいませ。

 夜の山頂で、ゴローは両膝を震わせながらも、巨大な竜の前に額をこすりつけていた。まるで罰ゲームのような光景だが、彼の胸は真剣そのものだった。

「好きだぁ! 結婚してくれぇ!」

 その叫びは山風に乗ってこだまする。しかし、眼前に鎮座する紅蓮竜ヴァルメリアは大きくあくびをひとつしただけで、金色の瞳を細めた。

「やかましい、死ねぇ」

 次の瞬間、彼女の喉奥から発せられた灼熱の炎がゴローを包み込んだ。世界最強と称されるその炎の前に、人間の身体はあまりにも脆い。肉体も悲鳴も一瞬で蒸発し、灰となって風に舞った。


 ――恒例の瞬殺。もはや回数など数え切れない。だが彼は死んで終わりではなかった。


 朝日が差し込む小屋で、ゴローはむくっと起き上がった。ぼろい天井板を見上げ、思わずため息が漏れる。昨夜の薬草はそのまま。死んだはずの身体が、何事もなかったかのように動く。

『うわーっ、ゴロー選手、本日も見事にワンアウト!』

『炎の軌跡、美しかったでござる!』

『残りは……さて何回だったか、もう覚えとらん!』

 脳内ではいつもの声たち――喪男ズが実況を繰り広げていた。


 簡素な朝食を終え、靴紐を締め直すと、喪男ズが合唱した。『出発進行!』天気は快晴。彼の物語は、こうして不条理な運命から始まったのである。


 ◆◆◆◆◆


 ゴローがまだ普通のモブ冒険者として薬草摘みと雑用に明け暮れていた頃のこと。

 冒険者ギルドの掲示板には「薬草十束の納品」「野ウサギの肉の調達」「迷子の羊の捜索」といった地味な依頼ばかりが並んでおり、高額報酬の討伐依頼は高ランク冒険者たちのものだった。ゴローは文句も言わずに薬草採りに出かける日々を送っていた。


 早朝、村の外れの家を出ると、山鳥のさえずりと川のせせらぎが耳をくすぐる。木々の間から差し込む光に目を細めながら歩を進め、木の根元に生える白い花や薬草を丁寧に摘んでは籠へ収めていく。森の奥へ進むとやがて視界が開け、そこには神秘的な湖畔の風景が広がっていた。


 澄んだ水面が銀の光を反射し、風に揺らされた木々の影がゆらゆらと水面に映る。その湖で、ひとりの赤毛の娘が水浴びをしていた。燃えるような髪が太陽の光を浴びて輝き、白磁のように滑らかな肌から滴り落ちる水が宝石のようにきらめく。ゴローは息を呑み、その場に釘付けになった。娘が振り返り、透き通った瞳が彼を捉えた瞬間、彼の胸は激しく高鳴った。


 しかし次の瞬間、彼女の身体が炎に包まれた。燃え盛る赤毛が巨大な紅蓮の翼へと変じ、眩しい光と轟音の中で、娘は山を覆うほどの紅蓮竜へと姿を変えた。翼を広げた紅蓮竜ヴァルメリアは空へ舞い上がり、山の彼方へ飛び去っていく。ゴローはその背中をただ呆然と見送るしかなかった。


「え……あの娘が、ドラゴン……?」

 一目惚れ、恐怖、驚きが混ざり合う。その光景は彼の胸に深く刻まれ、帰り道でも寝床でも頭から離れなかった。


 数日後。薬草摘みの帰り道、ゴローは道端に倒れている老婆を見つけた。皺だらけの手が震え、掠れた声で「水を……」と助けを求めている。ゴローは躊躇なく水筒を差し出し、肩を貸して木陰へ運んだ。老婆は息を整えると、腰の布袋から赤黒く萎びたリンゴを取り出し、微笑んで差し出した。


「礼じゃ。お主の優しさに感謝を示したい」


 リンゴは見るからに水分を失い、萎びていたが、疲れた身体にとっては何よりのご馳走のように見えた。ゴローは深く考えず、ガリッとかじる。酸味と僅かな甘みが舌に広がり、ほっと息をついた。老婆は去り際に、「恋は時に災厄を招くものじゃ」と意味深な言葉を残したが、ゴローはその意味を深く考えなかった。


 その夜。家に戻り布団に潜ったゴローの胸を、突然焼けるような痛みが襲った。暗闇の中で転げ回り、冷や汗をかき、息が詰まりそうになる。頭の中に、複数の男たちのざわめきが流れ込んできた。


『未練果実が発動したぞ!』

『新人来た! やっと仲間が増える!』

『これより説明会を始める!』


 声の主たちは自らを「喪男ズ」と名乗った。声は何十人もいるようだったが、特に目立つ四つの人格があった。渋い声のリーダー、弱気ですぐ泣き言を言うネガティブ君、詩的に語ろうとしてズレるポエマー、そしてハイテンションでライフを数えるカウント係。


 リーダーが説明を始める。「萎びたリンゴ――未練果実を食べた者は、心の中で最も強く思っていた相手に真実の愛を捧げねばならん。期限は百一回。毎晩日付が変わると強制的に死に、翌朝ベッドで蘇る。その間に対象と想いを通じ合わせよ。失敗すればお主の魂は我らと同化する」


「……はぁ!? なんやそれ、そんなの聞いてないぞ!」ゴローは思わず叫んだ。だが胸の痛みが強まり、彼は言葉を吐き出す暇もなく意識を失った。


 闇の中、遠くで喪男ズの笑い声が聞こえる。「これが未練果実の呪いや」「新人、覚悟決めろよ」「これより101回、地獄の実況が始まります!」

 次に目を開けたとき、ゴローは朝の光差す自宅のベッドにいた。胸には不思議なルーンが刻まれており、そこには101という数字が光っていた。


 こうしてゴローは呪いを背負い、喪男ズと共に紅蓮竜ヴァルメリアへの恋を成就させる旅(?)に出ることとなったのである。


 ◆◆◆◆◆


 呪いの説明を受けた翌朝から、ゴローは毎日紅蓮竜の巣へ通うことになった。蘇る度に薬草を束ね、山道を駆け上がり、火口の縁で土下座して愛を叫ぶ。眼前には黒い岩肌と溶岩、そして巨大な紅蓮竜ヴァルメリア。


「ヴァルメリア様! 好きだ! 結婚してくれ!」

『実況開始! 本日第一回目の告白です!』


 リーダーが渋い声で解説を始め、カウント係は残機を数え、ネガティブ君は「どうせまた死ぬで」と愚痴り、ポエマーは「愛とは焔…」と詩を詠む。喪男ズは彼の挑戦をまるでバラエティ番組の実況のように楽しんだ。


 竜は面倒くさそうに首を傾け、炎を吐いた。ゴローの身体は一瞬で炭となる。別の日には、尻尾のゴルフスイングで遥か彼方まで吹き飛ばされ、山の中腹の岩に激突した。告白の途中で石につまずいて溶岩に転げ落ちたこともあったし、火山弾が頭に直撃して文字通り星が見えたこともあった。どれも笑えるほどあっけなく、毎回彼は真っ黒な炭や瓦礫の下敷きになってから目を覚ます。


『はーい、尻尾スイング一丁上がり!』

『ゴロー選手、飛距離300メートル!』

『残り98回ぁぁ! 頑張れ!』


 喪男ズは昭和の応援団のようにシュプレヒコールを上げ、時にはプロ野球実況のように「本日のホームランショー」と茶化し、バラエティ番組のテロップ風にツッコミを入れる。ゴローは「なんで俺だけがこんな目に」と愚痴をこぼしながらも、懲りずに山へ登り続けた。



 十回目の死を迎えた頃、ヴァルメリアは初めて彼に言葉を投げた。「また来たのか?」その声にはうっすらと苛立ちが滲んでいた。三十回目には「本当に死なないのだな」と興味を抱き、五十回目には「くだらぬが暇つぶしにはなる」と首を傾げた。彼の命知らずな行動は、孤高の竜の心に小さな波紋を広げ始めていた。


 この間、ゴローはさまざまな工夫を凝らした。告白のバリエーションが単調ではいけないと考え、花束を差し出したり、河原で拾ったきれいな石を贈ったり。ある日には徹夜で手彫りした木彫りのアクセサリーを差し出したが、竜は一瞥して炎で燃やした。「ああ! 昨日徹夜して彫ったのに!」とゴローは泣き喚く。喪男ズは『木彫りの花、燃えた!』と腹を抱えて笑った。


 竜の好物を探そうと市場を回り、羊肉の塊や蜂蜜の壺を買い込んで山に担いで登ったこともあった。結果はすべて同じ。炎、尻尾、岩石。彼が大汗をかいて運んだ蜂蜜は溶岩に落ちて甘い香りを立ち上らせただけ。喪男ズは『もったいない!』と叫びつつも拍手喝采だった。


 喪男ズの助言にも従った。「次は歌を歌え! 竜も音楽には弱いはず!」と言われ、ゴローは山頂で愛のバラードを震える声で歌う。イントロを歌い出した瞬間に炎が飛んできて終了。『イントロで終わり!』と実況が入る。


「ダンスや! 踊ってみせい!」という声に応え、鍬を持ってステップを踏んだところ、尻尾でホームラン。

「詩を捧げよ!」とポエマーが提案し、ゴローは拙い詩を書いて読み上げた。「君の瞳は紅蓮の湖…」と読み始めた瞬間、岩石が落ちてきて潰される。

 彼が何をしようと結果は同じ。喪男ズはそれでも「次は何をやらかすんや?」と楽しみにしていた。


 ある時、ゴローは村の酒場で吟遊詩人から歌の教えを乞い、音程を外して客から野次を飛ばされた。ダンスの練習では畑の上でステップを踏み、村の子供たちに真似されて笑われた。詩を書くために深夜のろうそくの灯りの下で筆を走らせ、手を墨で真っ黒にした。その努力は毎回無駄に終わったが、彼は無駄だと思わなかった。「毎回の死に方が俺の愛の深さを示しとるんや」と胸を張った。


 あまりに変わらない状況にしびれを切らした喪男ズは、ある日特訓を提案した。

「お主の告白、角度が悪い!」

「土下座の姿勢にバリエーションが必要や!」

 彼らはゴローの頭の中で即席講座を開いた。リーダーは「礼儀作法編」と題して正しい土下座の角度と背筋の伸ばし方を解説。ネガティブ君は「やる前から諦めない心構え」を説き、ポエマーは「詩的表現入門」として比喩表現の練習をさせる。カウント係は「タイミングと間の取り方」を実演し、告白の最後に溜めを作る重要性を強調した。


 ゴローは何度も心の中でシミュレーションし、山道で声に出して愛の言葉を練習した。その姿を見た村人は「あいつとうとう頭おかしくなったか?」と心配したが、本人は真剣だ。


 特訓の成果を試す日、ゴローは深呼吸をし、喪男ズの指南を思い出して土下座した。背筋は伸び、角度は完璧。

「あなたの瞳は夜空に輝く二つの星、あなたの髪は夕焼けを燃やす炎、私はその炎に飛び込みたい!」

 喪男ズは頭の中で拍手喝采した。しかしヴァルメリアは黙って岩を持ち上げ、彼の上に落とした。「結果は同じかい!」とゴローは叫びながらぺしゃんこになった。

「よくやった」とリーダーが珍しく褒める。「結果は同じでも、姿勢は良かった」。ゴローは鼻血を拭きながら笑った。「次はもっと詩的に行くで!」


 その言葉を有言実行するため、ゴローはある夜自宅で長大な恋文を書き始めた。床に広げた羊皮紙には、詩人顔負けの比喩が綴られていく。


「あなたの炎は夜明け前の朝焼けのようであり、

 あなたの鱗はルビーのように輝き、

 あなたが飛ぶ姿は稲妻よりも速く、

 あなたの涙は湖の水を甘くする」――


 喪男ズは始めは興味津々で聞いていたが、三行目あたりから「長いな…」「まだ続くのか?」と眠そうになり、ネガティブ君は「絶対噛むやろ」と心配し、カウント係は「残り時間を考えろ」と嘆く。それでもゴローは延々と書き綴り、翌日それを丸暗記して火口の縁で朗読した。


「あなたの横顔は夕焼けに照らされた山脈のようであり……」


 止めどなく続く愛の言葉に、ヴァルメリアは途中で眉をひそめ、「何をやっている」と呆れたが、ゴローが言葉を噛んだ瞬間、堪え切れず吹き出した。

「愚かな人間め、言葉が長すぎて自分で訳がわからぬのだろう」と笑いながらも、声にはわずかな楽しさが混じっていた。そして結局炎が飛んできて紙もろとも燃え尽きたが、ゴローは微笑んだ。「笑ってくれたなら成功や」と。



 そんなある日、ゴローは山道の途中で木陰に座り込み、妄想に耽った。「もし俺がヴァルメリアと結婚できたらどうなるんやろ」と目を閉じ、頭の中に理想の風景を描き出す。赤毛の彼女が村の市場で野菜を選び、「これは新鮮か?」と値切る姿。夕暮れの畑で一緒に作物を植え、炎の吐息で畑を耕し、冬には彼女の炎で暖を取りながら鍋を囲む。村の子供たちが彼女の尻尾にぶら下がって遊び、彼女が困ったように微笑む姿。

 ゴローは「子供は何人欲しい?」と聞き、ヴァルメリアは「人間と竜の子はどんな姿になる?」と首を傾げる。妄想の中で二人は笑い合い、肩を寄せ合って暮らす。喪男ズは『竜の子供部屋には炎対策が必要やな』『結婚式の祝詞は誰が読むんやろ』『花嫁衣装は燃えへん素材で作らなあかん』と勝手に盛り上がった。現実にはほど遠い空想だが、ゴローにとっては大切なモチベーションになっていた。


 ◆◆◆◆


 百一回の死に戻りを繰り返すうちに、ゴローの心は少しずつ変わっていった。最初は「生き返るから平気だ」と開き直り、ただ突撃しては焼かれる毎日だった。しかし、炎に焼かれ尻尾で吹き飛ばされるうちに、彼はヴァルメリアの孤独に気付き始める。


 湖畔で見た赤毛の娘。水面に映る彼女の瞳には、どこか寂しげな影が宿っていた。なぜ彼女は人の姿で湖に来ていたのか?なぜ誰にも見つからない場所で一人水浴びをしていたのか?ゴローは考え込むようになり、喪男ズとも真面目な話をするようになった。


「お前、本当に彼女が好きなんか? ただの憧れやないんか?」とリーダーが尋ねる。

「最初はな……。けど、何度も死んでるうちに、ただ美しいとか珍しいからじゃなくて、彼女が寂しそうやったのが気になってしゃあないんや。俺は彼女を竜としてじゃなく、一人の女として見てるんや」とゴローは答えた。


『ポエマー君、出番やぞ』

『ああ、恋とは紅蓮の焔……燃え尽きても残るは灰と情熱……』

『それちゃう!』とネガティブ君が突っ込む。だがその後、喪男ズは少し黙り込んだ。彼らは元々、報われない恋に殉じた者たちの集まり。だからこそゴローの言葉が胸に響いたのかもしれない。



 ある日、ゴローは山に登らず、湖畔に腰を下ろして喪男ズと長く話した。「なあ、お前らはどんな恋をしたんや?」と聞くと、彼らは順番に昔話を語り始めた。


 リーダーは騎士だった頃、王女に恋をした。彼は彼女に忠誠を誓い、その長い髪を編んでやりながら愛を伝えたが、王女は他国へ嫁ぎ、彼は衛兵に斬られて死んだ。「それでも後悔はなかった」とリーダーは言った。


 ネガティブ君は農夫だった。隣村の娘に恋をし、貯めた金で求婚しようとしたが盗賊に奪われ、やけ酒を飲んで川に飛び込みそのまま沈んだ。「今思えばほんまアホやったわ」と苦笑する。


 ポエマーは宮廷詩人だった。歌姫に恋をしたが、彼女は王子に嫁ぎ、彼はその幸せを祈りながら詩を書き続け、最後は飢饉で倒れた。「詩は残ったが、想いは届かなんだ」と遠くを見る。


 カウント係は元冒険者で、別の竜に恋したが討伐で命を落とした。「おお、同業者やんけ」とゴローは驚き、カウント係は「竜に恋するのは筋金入りやな」と笑った。


 ほかにも、酒場の看板娘に恋した鍛冶屋、ハーピィに恋した少年、女海賊に恋した貴族など、喪男ズのメンバーそれぞれの恋物語が披露された。滑稽で愚かで、しかしどれも美しかった。ゴローは笑ったり泣いたりしながら聞き、彼らの未練が自分の背中を押すのを感じた。


「みんな報われなかったんやな……。せやからこそ、俺は報われたい。俺一人のためやない。お前らの未練ごと、彼女に届けたいんや」

『泣かせるやんけ』とネガティブ君が鼻をすすり、カウント係は「残り……残り三十回や……」と声を詰まらせた。



「まだ三十回もあるやん。やれるで!」とゴローは笑い、腕立て伏せを始めるも十回で潰れた。喪男ズは大笑いしたが、その笑顔には温かさがあった。


 身体を鍛えることに挫折した彼は、心で勝負することにした。村の図書室で恋愛小説や英雄詩を読み漁り、愛を伝える言葉を学ぶ。詩人が使う比喩や騎士が姫に誓うセリフをノートに書き写し、自分なりにアレンジして覚えた。喪男ズは「その言葉くさい!」「いや、こういうのが女には効くんや!」と議論を繰り広げる。ゴローはヤギを相手に愛の言葉を練習し、ヤギに無視されてもめげなかった。


 剣術稽古場に顔を出し、若い見習い騎士に「やる気だけはある」と歓迎されたが、二合も打ち合わないうちに腰を抜かして木剣を落とした。「剣の才はないな」と言われても、「俺は剣で竜を落としたいんやない、愛で落としたいんや」と胸を張った。

 精神修行として滝に打たれ、「好きだぁ!」と叫び続け、修行僧に「何の修行だ」と聞かれて「恋の修行です」と答えた。僧は「南無」と手を合わせた。



 ゴローは「言葉だけではなく、自分のことを伝えたい」と思うようになった。ある日、彼はヴァルメリアが火口の縁で休んでいるところに近づき、深く頭を下げて頼んだ。


「今日だけは殺す前に五分だけ時間をくれへんか」


 意外にも、ヴァルメリアはその提案を受け入れた。「五分だ。退屈しのぎになればよい」と紅蓮の翼を畳む。


 ゴローは子どもの頃の話をした。貧しい農村で生まれ、父を早くに亡くし、母と二人で畑を耕したこと。冒険者になったのは村を豊かにするためだったが、現実は薬草摘みと雑用ばかりだったこと。それでも夢は捨てなかったこと。

 ヴァルメリアは黙って聞いていたが、炎の揺らぎが少し穏やかになった気がした。五分が経つと、「約束は守った」と炎で彼を焼いた。ゴローは笑って灰になった。


 それからも彼は語る時間を求めた。五分が三分になり、一分になっても、彼は季節の話をした。春の村祭り、夏の川遊び、秋の収穫祭、冬の鍋。星座の物語や満天の星の美しさを語り、ヴァルメリアは「人間はそんなことで喜ぶのか?」と不思議そうに首を傾げた。

 ある日、ゴローは冗談を口にした。「竜が好きな服は何やと思う?」と問うとヴァルメリアは無言。「炎…フレイム……だから……フレイムスーツ!」と答えると喪男ズが頭を抱え、『滑った!』と叫んだ。だがヴァルメリアは鼻で笑った。「愚かな人間め、くだらぬ冗談で我を笑わせようとするとは」と言いながらも、その声はわずかに楽しげだった。



 残機が五十を切る頃には、ゴローの心は自分のためではなく、ヴァルメリアの心を救いたいという思いに変わっていた。彼は湖畔で喪男ズと語り合い、彼らの過去に涙し、自分の決意を固める。


「俺は死にたくないんじゃない。生きて彼女と笑い合いたいんや。そのために、あと少しや……」


 夜、ベッドで胸のルーンの光が弱まっていくのを見ながら怖さに震えた時も、喪男ズの声が支えてくれた。ネガティブ君が「もう無理やろ」と言っても、リーダーは「諦めるな」と励ました。ポエマーは「魂は燃え尽きても、恋は残る」と詠み、カウント係は「残り二桁やぞ!」と叫んだ。


 ゴローはヴァルメリアに対して、初めは憧れと欲望だった想いが、次第に尊敬と慈しみに変わっていることに気付いた。彼女は世界最強の存在でありながら、孤独を抱えている。自分はただのモブ冒険者だが、その孤独を少しでも和らげられたらと願うようになったのだ。


 ◆◆◆◆


 炎に焼かれ、尻尾で吹き飛ばされ、石で押し潰され――。ゴローの胸に刻まれたルーンの数字は50を切り、やがて二桁になった。毎朝目覚めるたびに光を失っていくルーンを見て、彼は思った。


「俺は死にたくないんじゃない。生きて彼女と笑い合いたいんや。そのために、あと少しや……」


 喪男ズもこの頃には笑ってばかりはいられなかった。ネガティブ君の声には焦りが滲み、カウント係は残機を告げるたびに震えた。「残り十回や……」「もう一桁やぞ……」。ポエマーは詩を詠む代わりに祈り、リーダーは静かに「油断するな」と言う。彼らの声援はいつしか本気の応援になっていた。


 ある朝、ゴローは鏡の前に立ち、自分の姿をじっと見つめた。目の下にはクマ、頬はこけ、髪はボサボサ。それでも瞳には燃えるような光が宿っている。手を強く握り締め、彼は呟いた。


「俺は……生きて、彼女と笑いたい。死ぬのは怖い。でも、何もしないで後悔するほうがもっと怖い」

 その言葉に対し、喪男ズは珍しく真面目に返した。

『お前、本当に強くなったな』

『ワシらも、もう茶化してばかりはおられん』

『泣きそうや……いや泣いてる』


 ネガティブ君でさえ涙声で「頑張れ」と言った。ゴローは胸が熱くなり、「ありがとう」と答えると、山へ向かう準備をした。


 残り十回を切った頃、ゴローの告白はより真剣さを増した。いつものように土下座するだけでなく、真剣な言葉で彼女に問いかける。


「なぜ、俺をいつも殺す? いや、それが竜の本能やというのは分かっとるんや。でも……俺はあんたを竜としてじゃなく、一人の女として好きなんや!」


 七十回目の告白で彼はそう言った。ヴァルメリアはしばし沈黙し、紅の瞳を細めて彼を見つめた。「なぜそこまで私に固執する?」

「俺は、あんたの孤独や寂しさを見て見ぬふりができへん。俺は自分のためだけやない。あんたを笑顔にしたいからや!」

 その言葉に、竜の瞳が一瞬揺らいだ。


 残りが一桁になった頃。ゴローの命はカウントダウンのように減っていき、喪男ズの声にも緊張が漂う。「残り九回」「残り八回」。ゴローは眠れない夜に喪男ズと語り合い、「怖い」と素直に言った。「もしも想いを伝えられずに終わったらどうしよう」と。リーダーは彼の背中を叩き、「お主はもう十分やり遂げておる。それでもやりたいと思うなら、最後まで走れ」と答えた。ネガティブ君は泣きながら「俺も、お前みたいに生きたかったわ」と呟いた。


 九十回目の死に戻りで、ゴローは涙を浮かべながら火口に立った。胸のルーンは残り10という数字を弱々しく光らせている。


「もう残り少ないんや……。せめて最後に、名前で呼ばせてくれんか?」

 彼の言葉に、竜は沈黙したまま炎を止めた。そして巨大な姿を収束させ、人の姿になって彼の前に立つ。燃えるような赤髪が風になびき、宝石のような瞳が彼を見下ろす。

「ヴァルメリア……それが我の名だ」と彼女は静かに言った。

 ゴローはその名を繰り返し、胸に刻んだ。「ヴァルメリア……ヴァルメリア……ありがとう」


 その瞬間、彼女の紅い瞳にわずかな温かさが宿った。そしていつものように炎が彼を包んだが、その炎は以前よりも柔らかかった。


 残り十回を切ると、喪男ズの実況は最高潮に達した。カウント係は震える声で「残り九回、八回……」と告げ、ネガティブ君は「無理や……でも頑張れ」と泣き、ポエマーは「火の鳥の如く蘇る男よ、いまこそ大空へ羽ばたけ」と詠む。


 ゴローは「俺は死にたくないんじゃない、愛を伝えたいんや!」と叫び続け、ヴァルメリアは「愚かな人間よ」と言いながらも炎を弱めることが増えた。彼女は彼の必死さに心を揺さぶられていた。彼が涙を流しながら「笑ってくれ」と言った時、彼女は目を閉じ、長いまつげに一粒の涙を宿した。


 そして残機が最後の一桁になった。カウント係は大声で叫ぶ。「残り一回! これ以上のドキドキはないぞ!」喪男ズ全員が声を合わせる。「行けぇぇぇ! ゴロー!」


 ゴローは深呼吸し、胸の中で祈った。「あと一回。すべてを賭ける。恐れずに、ただ想いを伝えるんや」と。彼の手は震えていたが、その瞳には迷いがなかった。ヴァルメリアもまた、紅い瞳で彼を見つめ返した。彼女の心には、これまで経験したことのない感情が渦巻いていた。


 ♥ドラゴンの間の中心で愛を叫ぶ♥


 残機が最後の一回となったある日、山の空気が変わった。雲を突き抜けるような突風が山頂を包み、遠くから甲冑の音と呪文の唱和が聞こえてくる。王国の勇者パーティと騎士団が、紅蓮竜討伐のために火口洞窟へ進軍していたのだ。聖剣を掲げた勇者は黄金の鎧に身を包み、その背後には盾を構えた騎士団と、杖を握る魔法使いたちが列を成す。


『ヤバいぞ、ヤバいぞ』とネガティブ君が繰り返す。「これは勝ち目ないやろ……」

 リーダーは低い声で答えた。「怖じ気づくな。お主は百回死んだ男だ。もう怖いものなどあるまい」


 ゴローは満身創痍の身体で彼らの前に立ちはだかった。ボロボロの鎧は焦げ、剣は折れかけ、胸元のルーンは最後の輝きを放っている。足元には黒砂が舞い、熱風が吹き抜ける。背中には喪男ズの声援があり、『行け!』『止めろ!』『信じてるぞ!』と叫んでいた。


 眼前には、王国の精鋭たちがずらりと並ぶ。盾の壁が整然と並び、槍兵が構え、その後方ではローブをまとった魔法使いが呪文を唱える。勇者は聖剣を掲げ、高らかに叫んだ。


「退け、名もなき者よ! 我らは世界を救うため、紅蓮竜を討伐する。人々の平和のために血を流す覚悟はできている! お前のような雑魚の命など、世界の未来と比べれば塵芥に過ぎぬ。道を開け!」


 ゴローは唇を噛んだ。かつて自分も勇者に憧れた。しかし今、彼が守りたいものは勇者の言う「平和」ではなかった。彼は剣を構え、震える膝で踏ん張り、前に立った。


「やめろ! 彼女に指一本触れさせない!」

 勇者の眉がひそめられる。「人間ごときが、竜を庇うというのか。狂ったか?」


 魔法使いたちが杖を掲げ、詠唱が響く。「炎の精霊よ、その力を我に!」「雷の王よ、我が剣を導け!」光と炎の渦が生まれ、洞窟の壁を赤く染める。喪男ズが震える声で叫んだ。『これは……本当に最後やぞ……』。カウント係は言葉を失い、ポエマーは祈りを唱え、ネガティブ君は泣きながら「頑張れ」と囁いた。


 ヴァルメリアは天空からその光景を見下ろしていた。紅い鱗が朝陽を反射し、炎の翼が揺れる。数ヶ月前まで虫けらのように殺していた人間が、今は自分のために剣を振るっている。彼女の胸の奥で、何かが熱く溶け落ちる感覚があった。


「もうよい! 本当に死ぬのだろう! なぜ、そこまで……」と彼女は咆哮した。その声には苦悩が混じっている。勇者の聖剣は炎をまとい、彼女に向けられた。だが炎は、ゴローの身体を跳び越えられない。


 ゴローは振り返り、紅い炎の中に浮かぶ彼女の人影を見つめた。そして勇者へ突撃しながら叫んだ。


「だって……あなたが好きだからぁっ!」


 折れかけた剣と聖剣がぶつかり合い、火花が散る。ゴローの剣は一瞬で弾かれ、それでも彼は体を張って勇者の進路を塞いだ。鎧が軋み、肩が外れそうになりながらも、彼は全身で押し戻す。喪男ズの声が背中を押す。「頑張れぇぇ!」


 ヴァルメリアはその姿に目を見開き、紅の巨体が震えた。彼女は初めて炎を止めた。巨大な竜の姿のまま翼を閉じ、そして人の姿へと変わる。赤い髪が炎のように揺れ、白い肌が夜の闇に浮かび上がる。彼女は駆け寄り、倒れたゴローを抱きしめた。周囲の温度がすっと下がり、勇者も騎士団もその光景に呆然と立ち尽くす。


「愚かな人間よ……なぜ我を、女として見るのか……」

 彼女の声は震えていた。ゴローは唇を震わせながら微笑んだ。


「……愛してる……から……」


 その瞬間、ゴローの胸のルーンは静かに光を失い、彼の手から剣が滑り落ちた。喪男ズの大合唱は歓喜と涙に包まれ、やがて静かに消えていった。ヴァルメリアの目からは大粒の涙が溢れ、彼の冷たい頬に口づけを落とす。


「汝の愛、我が魂に刻もう」と彼女は呟き、彼の身体を優しく抱きしめた。そして再び紅蓮の翼を広げ、天空へと飛び去った。炎と硫黄の匂いに満ちた空に、赤い影がひとつ残る。勇者と騎士たちはその光景を前に剣を下ろし、誰一人として追いかけることができなかった。


 火口の炎は静かに色を変え、燃えさしの中にはひとりの男が残した小さな笑顔だけが残っていた。


 ◆◆◆◆


 翌朝、ゴローの小屋のベッドは空っぽだった。いつも目覚めていたはずの場所には彼の姿はなく、枕元の薬草束もそのまま残っている。胸元に刻まれていたルーンはすでに消え失せ、喪男ズの声も聞こえなかった。彼は本当に帰らなかったのだ。


 村人たちは昨夜の討伐の噂で持ちきりになった。「あのモブ冒険者、一体何者やったんやろな。炎の中でドラゴンに抱きついて死んだって話やけど……」と酒場で語り合う。「さぁな……でも、見てて泣き笑いしたわ」と仲間の冒険者が答える。彼らの頬には笑いと涙の跡が残っていた。誰も彼の名前を覚えていないのに、あの夜の光景だけは忘れられない。


 ヴァルメリアはそれ以来、人前に姿を現さなくなった。しかし遠くの空に燃えるような紅い影が見えるたびに、人々は噂した。「あの竜は人間に恋をしたんだとさ」。山頂へ登る者は時折、火口の縁に置かれた木彫りの花を見つける。それはゴローが最後に残したものか、それともヴァルメリアが彼を偲んで置いたものか――誰も知らない。


 喪男ズは完全に成仏し、その声は静かに天へ昇った。彼らの実況とツッコミはゴローの心に刻まれ、笑いと涙の記憶となった。そして、彼らもまた安らぎの地へ旅立つ前にこう呟いた。


「やっと報われたな……」

「俺らも休めるな……」

「残機、ゼロ!」


 その声は風に溶け、山々の間を駆け抜けて消えた。



 後日談として、村にはひとつの伝説が生まれた。酒場では赤い竜と名もなき冒険者の恋物語を歌う吟遊詩人が現れ、子供たちはそのメロディを口ずさんだ。「炎の中で愛を叫んだ男は勇者より勇敢だった」と老人は孫に語り、誰も彼の名を知らないのにその話は人々の心を温めた。


 討伐隊に参加していた若い魔法使いは、後に日記にこう記した。「あの夜、私は勇者の背後で炎の呪文を構えていた。しかし目の前の男は折れた剣で立ち向かい、竜と抱き合った。あの姿を見た時、正義とは何かを考えさせられた。私はその後、勇者の道を辞め、世界を旅することにした」。彼の記録は若者たちに影響を与え、「竜を倒す剣より愛を叫ぶ声の方が世界を変える」と伝えられるようになった。


 ヴァルメリアは人前には現れなかったが、干ばつの年に雨雲を呼び、村の畑を潤した。「紅竜の恵み」と人々は感謝し、恐れよりも敬いの気持ちを抱くようになった。彼女は夜毎に湖畔へ降り、人の姿で水面に映る自分の姿を見つめながら、愚かな人間に抱きしめられた日のことを思い返していた。そして時折、水面に彼の笑顔が映る幻を見ては「愚かな人間よ……ありがとう」と囁いた。



 その頃、喪男ズの魂は雲の合間から地上を見下ろし、満足げに頷き合っていた。「やっと報われたな」「俺らも成仏できる」と笑う彼らは、途中で「未練男子休憩所」と書かれた茶店に立ち寄り、同じように恋に破れた魂たちと自分たちの実況話で盛り上がった。店主は元宮廷料理人で、失恋を乗り越え魂たちに温かい茶を振る舞っているという。「恋の味は甘くも苦い」と笑いながら、喪男ズに追加の湯を注いでくれた。


 やがて彼らは天の門をくぐりながら最後の歌を歌う。「ラララ、恋の応援団、成仏行進曲」。天使が苦笑しながら拍手し、彼らの背を押した。こうして彼らは完全に成仏し、次の恋を応援することもなく、ただ静かな光の中へと消えていった。


 年月が流れ、小屋は朽ち、村は発展した。それでも山には赤い竜の伝説が残り、湖畔には赤い花が咲き誇った。旅人がその花を摘もうとすると、風が舞って花びらが空へ舞い上がった。「これは竜と男の祝福だ」と人々は言い、花を摘むことなくそっと手を合わせた。


 物語の終わりに、もしあなたが山へ行くことがあったなら、火口の縁に立って耳を澄ませてみてほしい。風の中に紛れて、喪男ズの囁きが聞こえるかもしれない。「告白の角度はもっと下だ」「花束は燃えやすいぞ」と茶化す声の奥に、「頑張れ、恋する者よ」という本気の応援が隠れている。そうして笑いながら山を下りる頃には、あなたも少しだけ勇気を持っているはずだ。


 最後に、この物語が伝えたいことをもう一度だけ繰り返したい。恋は時に馬鹿げていて、周りから笑われることもある。しかし、笑われながらでも前に進める者こそが、本当の意味で強い。誰もが自分だけのドラゴンを持っている。相手が人であれ夢であれ、自分の魂が惹かれるものならば、諦めずに手を伸ばしてほしい。燃えるような痛みに焼かれても、灰になっても、蘇るたびに強くなる心がある。喪男ズはいつもあなたを見守りながら茶化しつつ応援している。


 そしてここからは喪男ズからのあとがきだ。

「ワシらの実況、楽しんでくれたか?」とリーダーが問う。

「途中で泣きすぎて喉痛いわ」とネガティブ君が続く。

「詩を書くのは大変やったけど、楽しゅうございました」とポエマーが笑い、カウント係は「最後まで数字を数えられて良かった」と胸を張る。彼らは読者に向けて手を振り、「次の恋でも全力で応援するぜ……いや、もう疲れたから休むかも」と冗談を言い、幕の裏へと姿を消した。読み終えたあなたも、きっと誰かにこの物語を伝えたくなるだろう。その時は、自分なりの喪男ズの声を添えて、笑いながら語ってほしい。


 空を見上げれば、今日も雲が流れ、風が吹く。遠くの山には赤い影が一瞬見えた気がする。恋と物語は、時代を超えて語り継がれる。あなたの胸に生まれた火種が、いつか誰かの心を温める日を願って——。


 ──終──

 おしまい。



いかがでしたか?ゴローとヴァルメリアの物語、あ、喪男ズも(笑)

もし、少しでも改善点、ご感想等ございましたらコメント、ご評価くだされば幸いです!

評価次第では長編化、挑戦したいなぁ…

ご覧いただき、ありがとうございました。

           氷室玲司


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