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9話

そう言って一枚の紙をカイル君に差し出した。

カイル君はその紙を受け取ると自分の情報を記入し始めた。

(ふむ……)

私はカイル君の横に並ぶと書類を覗き込んだ。

そこには名前や年齢などの他に職業の欄があった。

(どうしようか……)

私は悩んだ結果『冒険者見習い』と記入することにした。

「はい、お願いします」

私が書類を渡すと受付嬢は内容を確認した。

「タクミさんですね。……なるほど、ありがとうございます!では少々お待ちください」

と言うと受付嬢は奥の部屋へと入って行った。

しばらくすると別の女性が現れ、私に向かって言った。

「タクミ様ですね?こちらへどうぞ」

どうやら奥の部屋で手続きをするようだ。私は女性に案内されるままについて行った。

「ではこちらの書類にサインをお願いします」

私は差し出された書類に必要事項を書き込んだ。

(ふむ、これで手続きは終わりか)

私がペンを置くと、女性は確認してから微笑んだ。

「はい、結構ですよ。これがギルドカードになりますので無くさないようにお持ちください」

(これがギルドカードか……)

私は手渡されたカードをまじまじと見つめた。そこには名前や職業などが記載されていた。

「それと依頼を受ける際にはあちらの掲示板をご確認ください」

女性は入り口近くの掲示板を指さした。

そこにはいくつもの依頼が張り出されていた。

「では何か依頼を受けていきます?」カイル君が声をかけてきた。

(そうだな……)

私は少し考えた後で首を振った。

「いえ、とりあえず簡単な依頼をこなしていくことにします」

そう言って私はギルドを後にしたのだった。

初めての依頼へ出発

5日目(冬)

窓から差し込む朝日で目を覚ますと、私はベッドから降りた。

隣のベッドではカイル君がまだ寝息を立てている。

(やれやれ、今日もゆっくりと休みますかな)

と私が荷物を整理していると朝食のいい匂いが漂ってきた。

どうやらロゼさんが作ってくれているようだ。

(ありがたいな)

と思いつつも、同時に申し訳なさを感じてもいる。

そんな私の気持ちを察したのかロゼさんが声をかけてきた。

「タクミさん、何かありましたら遠慮なくおっしゃってください」

(はは、お見通しってワケだ……)

私は彼女に礼を言うと調理場へと向かった。

「おはようございます。何か手伝うことはありますか?」

するとロゼさんは笑顔でこたえてくれた。

「じゃあお皿を並べていただけるかしら?」

私は頷くとテーブルにお皿を並べていった。

3人分の食事を配膳し終えた時、カイル君も起き出してきたのか食卓に現れた。

(さて、食事も済んだことですし続きをやりましょうかね)

カイル君との戦闘訓練により私のレベルは相当上昇したと思われる。

その為、次のステージに上がることができるだろうと判断したのだ。

「ロゼさん、これからちょっと森へ行ってきますね」

私が告げるとロゼさんが驚いた様子で言った。

「森ですか!?魔物が出るかもしれませんし危険だと思いますわ!」

(確かにその通りではあるが)

しかし私の考えは変わらない。

「心配いりませんよ、すぐに帰ってきますから」

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