第9話 彼女、推察する
わぁ~い、またふたりでご飯食べちゃった。
おそば屋さんはラッキー。偶然入った店に、まさか藤井さんが来るとは思わなかったな。おかげで、楽しい昼食になったし、次のご飯の約束まですることができた。
もしかして、私のこと追いかけて来た?なんて、あるわけないな。
そして少しわかったことがある。
まず、冨田さんに見られたことを少し嫌がってた感じだし、一緒にご飯食べに行くのに1階待ち合わせなんて、ふたりのところを他人には見られたくないのね。でも、私とふたりでいること自体はイヤがってないわよね。
そういえば、ふたりで飲んでたとか冨田さんに言っちゃったけど、あれはダメだったのね。嬉しくてついついしゃべっちゃった。
これからは、藤井さんが気にならないようにうまく立ち回れば、それでいいのかも。でも会社離れちゃうと、きっかけが何もなくなるからなかなか難しいわね。
そしてスイーツ。しばらく食べてないって言ってた。人によるけど、デートしてればたまには行くことあるよね。ということは、カノジョはいないのかな。希望的観測かしら?
ケーキとか買って帰ったことも無いって言ってたから、奥さんもいないと思っていいかな?
指輪もしてないし、突然飲みに行っても誰かに連絡してる感じもなかったし、独身は当たりよね。
そして、私とふたりで飲んだりご飯食べてるのだから、カノジョはいないかな。少なくとも社内にはそういう相手はいないわね。
入りにくい店があったらご一緒しますって伝えたけど、きっと誘いは来ないよね。
今後はどうしよう?何かいい手はないかしら?