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第8話 彼、約束の

その後は、しばらく何もなく過ぎ、次の週の金曜午前中のこと。


「藤井さん、今日お昼は時間ありますか?よろしければ、この前言ってたラーメン屋教えてください」

中原さんと廊下ですれ違うときに、声をかけられた。どうやら今日も女子がいない日で、昼食の相手がいないらしい。俺も昼は特に決まっていない。それならちょうどいいか。

でも昼に会社を一緒に出て、食べて戻ってくると、結構目立ちそうだな。どうしようか?目立たないように行くとするか。

中原さんは気にならないのだろうか?

噂されても、ご飯食べに行った程度の話なら実害ないし、気にしないって言ってたか。

「わかった、お昼になったら行こう」

「よろしくお願いします」

「お昼になったら1階で」

「えっ、、、はい」

なんで、わざわざ1階で待ち合わせなの?という顔を一瞬したが、すぐに察したらしい。



頭の中で、どの店がいいかと考え、比較的キレイで女子も入りやすそうな店を勧めることにした。

待ち時間もなく、すんなり入店。

「お付き合いいただいて、ありがとうございます。キレイな店ですけど、それでもひとりだと入りにくいです」

店内を見回すと、確かに女性ひとりの客はいない。

「女性はラーメン屋とか牛丼屋は入りにくいって言うけど、やっぱりそういうものなの?」

「そうですね。例えば藤井さんはパンケーキ屋にひとりで入れますか?」

「う~ん、確かに入りにくい。男だけだとふたり以上でもスイーツの店は入りにくいね」

「そういう感じです」

「なるほど。よくわかったよ」

「スイーツは好きですか?」

「特別好きではないけど、嫌いでもないよ」

「最近、どこかで食べました?」

「いや、しばらく食べてない。食べたいわけでもないしな」

そうですか、と言いながら、どこのお店が美味しいとか、どこの店は雰囲気がいいとか、どこの店は映えるとか、しばらくスイーツ談義が続いた。ま、ほとんど聞く一方だったけど。

「時々買っていい店見つけて、帰ったりとかしないですか?」

「ないね」

「スイーツに限らず、行きたいけど、女子と一緒でないと入りにくい店とか無いですか?」

「特にないよ」

「ホントですか?」

「ホントに」

「パンケーキは?」

「特には」

「パフェ?」

「いや」

「猫カフェは?」

「何でだ?」

「個人差はありますけど、最近の流行りだし、女性は好きな人も結構いますよ。男の人は入りにくいらしいですけど」

「そうかもね」

「じゃあ、もし女の子連れじゃないと入りにくい何かがあったら教えてください。今日のお礼に一緒にお付き合いしますから」

行きたいけど入りにくい店はないし、頼んでもないけど…




何で一緒に行く話になってるんだ?


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