第44話 彼、仕事の結果
「中原さん、そろそろ出ようか」
「はい、わかりました。少し早めなんですね」
客先に行くために中原さんと会社を出発した。
アポに遅れないよう、少し時間に余裕を持たせてある。
そして、今は客先近くの喫茶店で昼食と時間調整の為にコーヒーを飲んでいる。
「今日は良い結果の話だといいですね」
「そうだなわざわざ呼び出すという事は、いい話だと思うけど、電話一本でお断りってのは失礼だから呼ぶっていう可能性もあるからな。行って話を聞いてみないとなんとも言えないね」
という仕事の話をしたあと、普通に仕事以外の色々な話をしている。余裕を持って出た分、雑談時間が出来てしまった。傍からみたら、仕事をサボってお茶してるふたりにしか見えないかも、なんて考えてしまう。
そうしている間に、時間になった。
客先担当に会い、挨拶を交わしたあと、いよいよ打ち合わせ開始だ。
「御社に今回の件をお願いします」
「ありがとうございます」
やった、大型案件を受注だ。
これまでの努力が実を結んだ。この瞬間が営業職をやっていて一番嬉しい時だ。
「では、まずは契約書類の準備をいたします。それから、詳細な打ち合わせを社内各部門の担当を連れてご挨拶させていただきます」
「色々よろしくお願いします」
嬉しい気持ちで客先を出た。
「良かったですね」
「ホントだよ。帰社して報告しよう。課長も喜ぶだろうな」
「ですね。今晩は祝杯ですね」
帰社して報告した。
「そうか、受注できたか。頑張った甲斐があったな」
「ええ、そうですね。社内にも大分協力してもらいましたから、本当に良かったです」
「今日は祝杯だな。今夜は予定はあいてるかな」
帰社して課長に報告した。中原さんと同じように祝杯だとの反応。みんな、そういうの好きだな。
「大型案件の受注おめでとう。乾杯!」
課長の挨拶で始まった。
「今回は藤井君に頑張ってもらったからな。良い結果が出て良かった」
「私だけではないですからね。社内にも大分協力してもらいましたし、中原さんのサポートも良かったです」
「私はただ言われるままに仕事をしただけです」
「大分助けられたよ。こちらが望む資料を理解して作ってくれたからね。残業とか休日出勤とかも付き合ってくれたし」
「いい組み合わせだったということだな。これからもそのチームワークで頼むよ」
中原さんを持ち上げるつもりが、いい相性のふたりアピールにしかなってないな。
自分ではわからないが、人から見るとそう思えるのだろうか?
自覚がないだけで、いい関係かも。




