第43話 彼、ふたりで外出
忙しがった日々から少し経った。
そろそろ案件の客先から返事が来る頃だ。
返事がこないとこちらから様子を聞いてみる必要がある。
プレゼンから日にちを開けすぎても良くないが、短すぎても急かしているようで良くない。そのあたりの見極めが難しいけど、それはいつものこと。営業のノウハウで対応していこう。
その間に代休も取った。久しぶりにゆっくりして疲れもとれたな。やはり働くだけではなく、休みもないと体が持たない。
そういえば一緒に休んでどうのと言ってた中原さんはどうしたのだろうか。結局休んだのは別の日だし、あれからは何も言ってこなかったな。
付き合ってるわけではないし、適度な距離感は大切だよな。
最近、特に用事がなかったから、話も全然しでないな。
そんなことを考えていると、電話がかかってきた。例の客先だ。当然プレゼンの結果に関係することだろう。
「お世話になっております。藤井さんでいらっしゃいますか?」
「はい、藤井です。こちらこそお世話になっております」
「近日中、出切れば今日のうちにお時間をいただくことはできませんか?」
「はい、今日でしたら午後は大丈夫です」
「では、1時頃に来ていただいてもよろしいでしょうか」
「はい、1時にお伺いさせていただきます」
電話を切ってすぐ、呼ばれた事を課長に報告した。
「そうか、私も行きたいところだが、今日は午後は時間があかなくてな」
「わかりました。私だけで行ってきます」
「先方はどういう要件かは言ってなかったのか?」
「電話口でなく、会った時に伝えたいという雰囲気でした。どういう用かはその時に、という感じでした」
「そうか、そろそろ結果を連絡してもらう時期だから、その話なのは間違いないだろう。良い方の話だといいんだけどな。まあ今日は藤井君に任せる。そうだ、中原さんも連れて行ったらどうかな。一緒に頑張ったし、そういう場のいい経験になるだろう」
「わかりました、中原さんの都合が合えば、一緒に行ってきます」
そうして、中原さんに都合を聞いてみる。
「中原さん、今日の午後はあいてるかな?」
「はい大丈夫ですが、何かありましたか」
「例の案件の客先に行くことになってね。課長に話をしたら、中原さんも一緒にっていうことでね」
「わかりました、午後は大丈夫です。何時ですか」
「1時に約束してある」
「では、客先に近くでお昼ご飯を食べて、それからお伺いする感じですね」
「そうだね」
ふたりでお出かけ。




