第42話 彼、誘われる
「藤井さん、GWの代休取ってないですよね。いつ取りますか?」
仕事の合間に中原さんが聞いてきた。
そういえば、代休まだだったな。忘れてた訳では無いが、なんとなくそのままにしてた。
そういえば中原さんも確かまだ代休取ってないよな。
「そうだな、一旦落ち着いてるから、今のうちに取ろうと思ってるよ。タイミングを逃すと取りにくくなるからね。中原さんも取ってないよね」
「はい、そうなんです。いつにしようかなって考えてます」
「取れるうちに取っちゃうほうがいいんじゃないかな」
「そうですよね」
「こういうのって時間が経つと休めなくなったりするから、仕事が落ち着いてる今のうちに休むのがいいよ」
「そうですね。藤井さんは代休をとったら、何か予定はありますか?」
「いや、何かをしようとか決まってる事はない。忙しくて少し疲れたし、ゆっくりしようと思ってる。暇がなかったから家の片付けとかも溜まってるし。撮りためたドラマや見てない動画とかも消費しないと、溜まり過ぎになっちゃうしね」
そう言うと、中原さんは少し考えてから、
「そうですか、でも、もしよかったら、一緒の日に休んで、何かしませんか?平日休んでも、世間は仕事だから遊び相手もいなくて暇になっちゃうんです」
いやいや、一緒に休んだら二人で会ってるって宣言してるようなものだろう。それはいくらなんでも避けたいな。それに、今の案件で何か動きがあったら、どちらかがいた方がいいし。
でも、なんでそんなこと言い出したんだ?何か目的があるのだろうか?
「何かしたいことがあるの?」
「これといって、決まってることはないんですけど」
「それなら、せっかく会社を離れられる時間なんだから、俺みたいな会社の人と一緒じゃなくていいんじゃないかな。休みも会社を完全に離れられないと疲れが溜まっちゃうよ」
「そうかもですけど、部長も言ってたじゃないですか、プライベートでも仲がいいのはいいことだって。それに藤井さんと過ごすなら会社の人だから休めないってことはないですよ」
「まぁ部長は確かにそう言ってたけど、真に受けて、すぐに休みの日に会わなくてもいいでしょ。やることもあるし、またの機会にしようね」
「そうですか、、、」
「また忙しくなるかもしれないし、体を休めておくといいと思うよ」
「そうですね、、、、、」
誘い、不発




