第39話 彼、ミッションコンプリート
いよいよ、2回目のプレゼンの日だ。
昨日、終電ギリギリまで頑張って作成した資料を確認をしてから、客先へ向かう。メンバーは前回と変わらず課長と中原さんと自分の3人だ。前回の進行が良かったということで、またもや中原さんに同行してもらう事になった。
最初は単にサポートだったはずだが、完全にプロジェクトのメンバーになっている感じがするな。
中原さん自身もそんな気になっているのが感じられるぞ。
これはいいことだ。お客さんに合うメンバーが当事者意識があるというのは、相手にもメンバーに不満を抱かせない、そしてそれが相手の満足度や安心感につながるはずだ。
いよいよ、自社の順番になりプレゼンとなった。
「本日はお忙しい中、お時間をいただきましてありがとうございます…」
今回のプランを説明し、自社のアピールポイントを理解してもらい、質疑を受け、自分のプレゼンは終わった。
あとはお客さんからの返事を待つだけだ。
感触としては悪くない。今後進めるうえでの具体的な話も質問された。ということは、先に進む相手として、現実的に見てくれていると言うことだろう。
ただ、他社がどのようなプレゼンをしているかはわからないから、どの様になるか、予測ができない。
帰社して課長とともに部長へ報告をした。
なぜか中原さんまで一緒だ。まあ補助とはいえプレゼンに参加していたから、当然か。
状況報告、見通しや感触、今後のスケジュールなどを報告したところ、なんと今日は部長が一席設けてくれる事になった。いや、気を遣ってくれるのは嬉しいが、面倒なんだよ。部長と直接話をしながら飲むなんて、気が重い。何を話せばいいんだ?部長の趣味とか聞きだして、持ち上げるしかないのかな。
何とか逃げられないかな~?みんなでの飲み会と違って限定されたメンバーに声をかけられているのだから、さすがに無理だよな。
中原さんも同じだろうと見ると、なんか嬉しそうだ。相手は部長だぞ、どう考えても一緒に飲む相手としては面倒だろう。
「ありがとうございます。今夜楽しみにしてます」
えっ?中原さん本当に楽しみなのか?
社交辞令というか、上司を立てる会話というか、社会人としての普通の態度なんだろうが、それにしても、上辺だけでなく、本当に楽しみにしている雰囲気がある。最近ずっと一緒だったので、本当かそうでないか、なんとなく感じ取れてしまう。
まあ、面倒事が嫌いな自分と違うってことだろうな。
そして仕事も終わり、部課長と飲む時間となった。
美味しい酒と料理は気兼ねなくいただきたい。




