第35話 彼、GW出勤
ついにGWに突入した。
しかし、予想通り今日は会社にいる。
多分GW中に3日間は仕事をしにこないと間に合わないだろうな。
それにしても、みんなが休んでるのに仕事ってのはいまいち気分が虚しいな。
でも、社内は全然人がいなくて、自分専用オフィスみたいで気分は悪くないか。
誰かに話しかけられたり電話がかかってきたりして、自分の作業が中断されることがない。
集中して進められるから、案外快適かも。
いやいや、こんなことに快適さを感じてしまったら、休みも仕事にきて、社畜になってしまうぞ。
それにしても、来る時の電車は明らかにレジャーの家族連れやカップルとかばかりで、出勤者はちょっと浮いちゃってたな。
駅員さんとか普段はなんとも思わないけど、今日だけはみんなが休みの日に働いている同士みたいに感じて、親近感を勝手に持ってしまった。
「藤井さん、最初の資料できましたよ」
中原さんに声をかけられた。
おっと、ついつい余計なことを考えていた。仕事に戻らなくてはいけないぞ。
こうして、中原さんまで出勤してくれてるんだから。
「ありがとう、データを送ってくれるかな。確認するよ」
「はい、送ります、、、送りました」
すぐにメールを送ってくれた。
「はい、メール来たよ。いまから確認するね」
メールが来たので、資料を確認しよう。
「よろしくお願いします」
「じゃあ、次の資料をお願いね。設計から来てる仕様表と、お客さんから来た資料を比べて間違いないか確認しながら頼む」
「はい、わかりました」
そんな感じで作業を続けていると、あっという間に昼になった。
「藤井さん、お昼食べに行きませんか?」
「ああ、いい時間だね。どこに行こうか」
休日出勤者はゼロではないようだが、このフロアには他に人がいない。
そうして、二人で会話しながら仕事を進めているので、当然のように昼も一緒に行くようになった。
以前だったら二人でご飯に出ることも迷ったが、この状況だと一緒に食べない方が不自然だよな。
「今日は定食屋に行こうか」
「はい、そうしましょう」
そうして、二人で食事に行った。
仕事は残業して、今日の目標まで終わった。
「藤井さん、何か夕食食べて帰りませんか?」
「そうだね、今から帰って結構な時間だし、食べて帰ろうか」
そうして、夜も二人で食事。
気がつけば、GW中3日間も朝から夜まで二人で過ごし、ご飯も昼夜と全て一緒にしていた。
ここまで一緒だと、すごく近い仲になった感じがする。
というか、間違いなく距離感は近くなっている。
気分は、二人一緒が当たり前。




