第32話 彼、大役とサポート
お花見のシーズンが終わり、特別な出来事も無い普通の日々が続いていた。
と思っているそんなある日、課長から伝えることがあると会議室に呼ばれた。
わざわざ、会議室に個別で呼び出しされるなんて、なんだろう。人事異動の話だろうか。
少し緊張しながら会議室に行き、話を始めた。
「あるお客さんから大型案件の引合いが来たんだ。それを藤井さんに担当してもらおうと思う。案件の内容は後で連絡会もあるので、そこで聞いて欲しいと思うが、これからプレゼンに向けての資料作りやら積算との調整や、当然お客さんとの打ち合わせなど、かなりの業務になる予定だ」
「わかりました。ただし、詳細はともかく、かなりの手間になりそうですね。そうすると、今担当している案件も考えると、自分のキャパとして少しきついかもしれません」
「その辺はもちろん考えてある。今担当している案件は、何件かを残して他の人に振り替えるようにする。そして資料の作成なども半端ではないだろうから、サポートとして中原さんもつける。彼女は専任というわけには行かないが、藤井さんの業務を優先できるようにしておく。それでどうかな」
「わかりました。まずは頑張ります。それでも無理があったら相談させてもらいます」
「そうしてくれ。では連絡会に出て詳細をきいてくれ」
入れ替わりで中原さんが課長から呼ばれた。同じことの伝達だろう。
その後連絡会には課長と中原さんと共に出席となった。
大役のため、自分は緊張して出席したが、中原さんはどこか楽しそうな感じだった。担当とサポートの差だろうか。
スケジュールも伝えられた。GWもそれなりに仕事をしないと間に合わなさそうだな。今年はゆっくり休めないGWになることを覚悟しないといけないか。まあ、毎年一人で時間を持て余してるし、そんな年があるのも悪くないかな。
連絡会が終わり自席に戻ると、中原さんと話をした。
「大変な仕事をすることになったけど、よろしくね。」
「こちらこそお役に立てるかわかりませんけど、よろしくお願いします。課長からは藤井さんの仕事を最優先でと言われてますので、私ができそうな事は何でも言ってくださいね」
「ありがとう、頼りにするよ」
そうして、業務を開始することになった。
さあ、大変だ。でも、やりがいはあるぞ。




