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第31話 彼女、お花見延長戦

「ところで、少し冷えましたし、軽くしか食べてないので、どこかで夕ご飯というか、二次会というか、寄っていきませんか?」


えへへっ、2軒目に誘っちゃった。

だって、折角来たのに、お花見って外だからどうしても時間が短くなってしまって、物足りないから。コンビニでの買い物は少な目にして、次に行きやすくしたのよ。藤井さん気がついたかな?


「この辺初めてだけど、店とかあるのかな?」

「少しはあるみたいですよ。あっちに行きましょう」

そう言って、駅からの道と違う方を指して進んだ。

さり気なく言ったけど、実はお店リサーチ済。彼の誕生日のあと、こんな時のために会社から少し離れた場所にあるお店を探したのね。だって藤井さん会社の人に知られたくなさそうだから、会社帰りに寄り道しやすくする為に探したの。

まあ、こんな事は用意周到過ぎて引かれかねないから、言わないわ。


おしゃれな洋風居酒屋があり、そこに入った。


「この辺にも雰囲気のいい店があるんだな」

「そうですね、会社からは遠くないところにも、知らない店が色々あるんですね」

「いい店見つけたね」

やった、これなら今後も誘えるかもしれないわ。

テーブルに案内されて、改めて乾杯する。

「乾杯。お花見キレイだったね」

「ですね。見頃で最高でした」

しばらくは、桜とお花見の話をした。


「桜の時期になったということは、私が異動してきてから、もう2年経ちますね」

「そうか、一昨年の4月の定期異動で来てから、2年経つんだ」

「来た頃は私も大変だったんですよ」

「前の所属でなにかあったのかな?」

「いいえ、そうではなくて、こちらに来てからが意外と大変だったんです」

「そうなの?普通に仕事をこなしてるようにしか見えなかったけど」

「普通に仕事をしてるのは間違いないですけど、部署が違えば文化が違うというか、業務や書類も違うし、覚えて慣れるまで大変だったんです。しかも皆さん外回りが多かったり、私も新入社員ではないから、中々教えてもらえなかったんです」

「そういえば、困っていて色々聞かれたね」

「教えていただいて助かりました。他の方々は中々教えてくれなくて、結構途方に暮れる時がありました」

「そう言われてみると、そんな感じだったかも」

「だから藤井さんには感謝してます」

「そんな大した事はしてないよ」

「いえいえ、私はとにかく教えてもらってる時はとても助かったし、嬉しかったんです」

「そう思っていてくれて、こっちこそ嬉しいよ」

「だから、藤井さんは私にとって特別なんです。

 今後も色々よろしくお願いします」




今日は少しだけ気持ちを伝えたわ。それ以上はもう少し先ね。


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