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第3話 彼女、意気込む

「かんぱーい!」

「いやぁー、うまい」

「おいしいですねっ」




私は仕事の後に男子とふたりで飲んでいる。彼の名前は藤井悠。カレシではなく、ただの職場の先輩、今のところは、ねっ!



藤井さんは年齢は三十台半ばかな。

背は高くも低くもなく、割と細め。顔は最高ではないけど、整ってる方。上の下ってとこかな。あっ、これって上から目線だ、失礼だよね、気をつけよう。

服は特別オシャレではないけど、小綺麗で、サラリーマンとしては普通かなぁ。



藤井さんとは会社以外では会った事がなかった。職場の人なんて大体そんなものかもしれないけど、例えば年末の忘年会とか、時々は会社を離れてのイベントとかあるのに、そういった場所には来てないのよね。

最初は気がつかなかったけど、いつの頃からか気が付いた。

多分、そういうのが嫌いな人なんだろうな。それか会社を離れてのイベントって大体お酒の席だから、お酒が飲めないのかも。


なんで気が付いたかって、もちろん私が藤井さんのことが気になっているから。

別の部署から異動してきた私は、藤井さんには仕事を色々と教えてもらってる。もちろん、他の人からも教えてもらうのだけど、新入社員ではない事もあって結構いい加減というか、少し教えてあとは頑張れ的なことが多かった。そんな中、一人だけ丁寧に教えてくれた。

面倒見が良くて優しい、そういう人。


でも、謎も多い。なんて言えばいいのか、個人の部分が見えないの。

話をしないわけじゃない。会社の中で、普通に仕事の話も雑談もする。だけど、例えば趣味は何で、家では何をしているのか、休日の過ごし方、好きなもの、嫌いなもの、挙げたらキリがないけど、そう言ったことがわからない。雑談の中で多少はわかるけど、他の人に比べて圧倒的に知らない部分が多い。

ある程度近づけるけど、核の部分には壁を作っているというか、距離を置いているというか、そんな感じね。


私は優しい彼が気になっていたので、もっと色々知りたい。もっと仲良くなりたい。

でも、独身なのかな?カノジョとかいないのかな?仲良くなっていいのかな?

う~ん、情報が足りない。取り敢えずもう少し距離を詰めないと、それすらもわからない。



会社の中では変に距離を詰めようとすれば、余計な噂も立つから、うまく近づけない。だからチャンスを狙っていた。

そして、ちょっと強引な気もしたけど、なんとか誘い出せた。

私頑張ったぞ。




さて、どんなお話しようかな。


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