第28話 彼、考える
中原さんから、いきなりお花見に誘われてしまったな。
それも、書類に付箋と言う手段だったので、少し驚いてしまった。多分、中原さんは目立ちにくい方法を考えたのだろう。
目立たない工夫もあったし、最近割と会ってるのもあって気軽な感じになってるし、不意を付かれて考えられなかったりで、いいよとつい返事をしてしまった。
しかし、ホントに色々と誘われる。俺のことをどう思っているのだろう?
もしかして好意を持たれているのか?そう思うのは自意識過剰だろうか?
俺は、自分は平凡で特別な魅力はないと思うんだな。見た目は格好良くはないが悪くもない、見苦しくはないと思うが大しておしゃれでもない、特別に人目を引く特技もない、仕事だってサラリーマンで収入は普通にあるけど大金持ちでもない。性格だって特別にいい人ではなく悪い人でもない、よくいるタイプだろう。
そんな俺をこちらからアプローチもしないのに好きになってくれることがあるだろうか。
しかも中原さんは可愛いし、性格も素直で明るい。とても魅力ある女性だ。きっとモテるだろう。
わざわざ俺に声をかけなくても、男は寄ってくるはずだし、その中には魅力ある男だっているだろう。
こう考えていると、やはり偶然が重なったか、たまたま気軽な感じになっただけで、好きとかは自意識過剰な気がする。恥ずかしい勘違いはしたくないよな。
お花見の約束はしたのだから、その時にもう少し様子を見てみよう。
あと、社内恋愛というのは俺は基本的に嫌いなんだよな。でも、そんな俺を察してくれているのか、中原さんも同じなのか、目立たないようにしてくれる様になったな。それでも悩みどころだ。まあ、俺の勝手な勘違いだったら、そんなの恥ずかしい考えなんだけど。
それよりお花見はどこへ行こうか。会社の近くにはお花見なんてできる場所はないし、そもそも会社の近くでは目立って仕方ない。
中原さんから誘ってきたのだから、行きたい場所があるのかな。そこにすればいいか。
そして、いつ行くつもりだろうか。今日なのかな。ニュースで桜が見頃だと言ってたし、天気も良くても暖かい。お花見にはいい日だからな。あとで聞いてみるか。
今日だろうな。




