第24話 彼、誕生日
今日は俺の誕生日。もう誕生日が嬉しい歳でもないな。最近は誕生日になると、母親から余計なプレッシャーがかかり、鬱陶しい気分になる。まあ、心配する気持ちもわかるけど、好きにさせて欲しいよ。
そう言えば中原さんがお祝いさせて欲しいって言ってたな。気持ちは嬉しいが、あまり頻繁にふたりで会うのも考えちゃうよな。
昼過ぎに廊下ですれ違いざまに、中原さんが声をかけてきた。
「今日は仕事は早く終わりそうですか?」
「順調だよ」
「良かった。覚えてますよね?」
「ああ、覚えてるよ。ホントに何かするのかな?」
「ホントですよ。私はずっとその気でした」
「いや、お祝いなんて年でもないし、気にしなくていいよ」
「私がお祝いしたいんです。定時過ぎに1階で会いましょう」
「わかった」
ずいぶん乗り気なんだな。何でだろう?
そうして定時過ぎ、会社1階に行き中原さんと会い、会社を出た。
「どこか店は決めてあるの?」
「前に行った駅近くの居酒屋でどうですか?」
「いいよ」
お店に着き、注文を済ませ、頼んだものが来た。
「では、お誕生日おめでとうございます。かんぱ~い」
「ありがとう。かんぱ~い」
「まさかホントにお祝いしてくれるとは思わなかったよ」
「ちゃんと言ったじゃないですか」
「そうだね。そう言えば、今日の服は美術展行った日に買った服だよね」
「そうです。覚えててくれたんですね。嬉しいです」
「女性の服を選ぶなんて、滅多にないし、それくらい覚えてるよ」
「これ、バースデープレゼントです」
「ありがとう。そこまで用意してくれてたんだ。嬉しいよ」「喜んでもらえたら、良かったです」
「開けていい?」
「もちろんです」
開けてみると、タイピンだった。シンプルだけど、あっさりしすぎない、いいデザインだ。
「ありがとう。いいデザインだね。使わせてもらうよ」
「何個あっても困らないし、デザインも個性的すぎない使いやすい感じにしてみました」
「よく考えてくれたんだ。嬉しいよ」
「どういたしまして」
確か、タイピンやネクタイみたいにな物のプレゼントって、、、考え過ぎか。自意識過剰だな。
「あなたに首ったけ」




