第23話 彼女、悩む
美術展からしばらく経ち、藤井さんの誕生日も来週ね。お祝いさせてくださいと言ってあるけど、ホントにさせてくれるかしら。なんだかんだ理由を付けて避けられたりしないだろうか。
バレンタインは上手く出来たわ。藤井さん何も言ってこないけど、どう思ってるんだろう?周りに知られずに渡せたし、きっと少しは喜んでくれてるわよね。
ホントはもう少しプレゼントらしいものを渡したり、会ったりしたかったけど、誕生日が近いから控えめにしておいた。あまりプッシュし過ぎても迷惑だろうから、こんな感じでいいはずよね。
誕生日プレゼントはどうしようかな。準備して渡せなかったら困るし、準備してなくて会えたらもっと困る。
それに何にしたらいいのかもわからない。高価なものは引いちゃうだろうし、子供じゃないから、あまり安いものって訳にもいかない。いつも身につけているようなものは、あまりにも押し付けがましい。食べ物とか使って無くなるものなら、後に引かずにいいかもしれないけど、少し寂しいわね。
気持ちがこもっていれば何でも嬉しいって聞くけど、気持ちがこもりすぎても、今の私たちの関係からすると気まずいわね。
この前、財布のお気に入りのブランドは聞いたけど、財布は毎日使うから押し付けがましいわよね。付き合ってるならともかく、会社の後輩でしかないのだから。
とりあえず、今度の週末に買い物に行って、お店でオススメでも聞いてみようかな。その店にあるものを推すのは目に見えてるけど、それでも意見は聞けるわよね。
「すみません、プレゼントを探してるんですけど」
「どういったプレゼントですか?」
藤井さんとの関係を説明した。
「それでしたら、こういうのはいかがですか?いくつ有っても困りませんし、お値段も丁度いいくらいです。ただ、使わない方もいらっしゃるので、それだけは確認した方がいいですね」
「確認してみます」
「またのご来店をお待ちしてます」
明日、使ってるか見てみよう。
ひとつ、気になることも有るのだけど。
大丈夫かな。




