第19話 彼女、聞き出す
ふたりは、どんな店にしようかと歩きながら考えて、洋風居酒屋に来た。
店主の見立てた魚や肉の創作料理がおいしいらしい。
やった、夕飯も一緒。少し強引だったかな。でも、機会が少ないし、強引なのは仕方ないわよね。ひかれたり、今後避けられたりしないといいけど。
そして、ご飯と言いながら、お酒もあり。藤井さん、この前は飲んでもいつもとあまり変わらなかったけど、やっぱりお酒入ってた方が色々話とかしてくれるわね、きっと。
「今日は私の行きたいところばかり、いっぱいつき合ってくれてありがとうございます。美術展より、そっちの方が思いっきり時間取っちゃいましたね」
「今日は暇だったし、女子とショッピングなんて普段は行かないから面白かったよ。服の感想とか役に立ったのかな?」
よしよし、女子とショッピング行かないなんて、これならカノジョいないわね。
「はい、男性目線の服選びは役に立ちましたよ」
なんて、ホントは藤井さんの好みが知りたかっただけよ。
「大したことは言えなかったけど、役に立ったのならよかった」
「服も買えましたし、綺麗な美術も見れましたし、よかったです」
「パンケーキも美味しかったね」
「そう、あのお店見つけられてラッキーでした。そう言えば、今日は星占いもよかったんです」
「へえ、何座なの?」
「おとめ座です」
「女の子らしくていいね」
「藤井さんは何座ですか?」
「魚座だよ」
「って言うことは、お誕生日が近いですね。何月何日ですか」
「2月24日」
よしっ、誕生日聞けた。先に星座を聞いたせいか、普通に教えてくれたわ。
今は2月になったところだから、1ヶ月はないわね。
「私は9月10日です」
覚えてくれるといいな、まあ、無理か。
「だいぶ先だね」
「そうですね。覚えてくれたら嬉しいです」
「覚えてられるか自信はないなぁ」
一応覚えてくれる気だけはあると考えていいかな?
「誕生日はどう過ごす予定ですか?」
「特に何もしないよ。仕事して、帰って終わりだな」
「じゃあ、お誕生日祝い飲み会しましょうよ」
「いや、もう祝ってもらうような年じゃないし、いいよ」
やっぱりそうくるわよね。
「そんなこと言わないでください。せっかくこうやって飲みに来たりしてるんですから、誕生日位はお祝いさせてください」
「じゃあ、仕事が早く終わって、飲みに行けるようだったらね」
「わかりました」
きっと、あれこれ理由付けして断られそうだけど、何とかしなくちゃ。
誕生日プレゼント用意したら迷惑かな?




