第15話 彼、洋食屋
洋食屋に入り、中原さんはオムライス、俺はグラタンを頼んだ。
なんか楽しそうだな、洋食が好きなのかな。
「展示されてた絵とか、すごく上手なのばかりだったな」
「そうですね、あんなに上手な人達でも売るのは大変なんですね」
「まず今回のイベントみたいに人に見てもらう事から始まるんだ。芸術の世界も大変なんだな」
「私達会社員はそういう苦労は無くて良かったです」
「ところで、洋食は好きなの?」
「好きな方ですね。どうしてですか?」
「なんか楽しそうに見えたから」
「そ、そうですか」
「なんとなくだけど」
「まあ、楽しいですよ」
「で、この後どこに行きたいの?」
「駅前にデパートがあるのでショッピングしたいですけど、いいですか」
「いいよ。何か見たい物があるのかな?」
「これだって言うのは無いですけど、色々見たいです」
「女性は、そういうの好きだよな」
「服も見たいので、似合うか見てくださいね」
「女性のファッションはわからないよ」
「難しい事じゃなくて、ぱっと見た印象とかを教えてくれればいいです。藤井さんの好みかでもいいですよ」
どんな服が似合うかな?品のいい感じだから、清楚系、お嬢様系が似合いそうだな。ギャル系は合わないだろう。もしかすると着こなしちゃうかもしれないけど、そういうのは着て欲しくないな。いやいや、そうじゃなくて、俺に合わせてどうするんだ。
「俺の好みを聞いてどうするんだ?」
「会社に着ていきます。そうすれば、最低でもひとりは似合ってるなって見てくれることになりますから」
「そういうもんか?まわりの目なんか気にしないで、自分の好きな服を着てればいいと思う。もちろん、社会人として常識にはずれるような格好は駄目だけど、中原さんはそのあたりは大丈夫だと思うし」
「常識の範囲くらいはわかりますよ。でも、人の好みは聞かないとわからないですね」
「そうだね、俺も中原さんの好みはわからないからな」
「男の人は大体はスーツを着てますよね」
「男が会社に行くときはスーツを着てれば問題ないからな。余程変わった柄じゃなければね。スーツだと連日同じのを着てても大丈夫だし。その点、女性は大変だよな」
「服は多めに持ってないと、いつも同じの着てるとかは格好悪いですからね。まあ、おしゃれを楽しむと思えばいいですけど」
「なるほど」
「で、ショッピングしたら甘いもの食べに行きましょう。男の人だけだと入りにくい店です」
「前言ってたやつだね、いいよ。パンケーキかな?」
「そうしましょう」
スイーツか。




